なぜバーコード禿になるのか,芸能人にバーコード禿がいないのはなぜか,バーコードにならないためにはどうすればよいのか。
ほとんどの男性は,歳をとると髪の毛が少なくなる。しかし,少なくなったものをそのまま放置しないようにするように努力する。なぜ薄毛を受け入れたくないのか。これには肉体的要因と心理的要因が作用している。
髪の毛がないと,帽子をかぶっていないのと同じなので,頭皮が直接風雨にさらされる。気候の変化をビンビンに感じることができてしまう。したがって,例えば次のようなことが起こる。
したがって,頭皮は丸出しにしたくないのである。何かで覆{おお}いたくなるのである。
次に心理的要因についてみてみよう。肉体的なことではなく,精神的なことに重点が置かれる。これは,単に頭を覆うのではなく,ハゲを隠すという方向に働く。本人は次のような心理状態である。
男性は,自分の一番よかった思い出を大切にする。若かった頃の自分を理想のイメージとして持つ。そして,歳をとった時,多くの人が老いた現実を直視できない。鏡に映る自分をありのままに見ずに,若い頃のイメージを重ねてしまう。若い頃の自分を今現在の自分に求めてしまうのだ。すると「自分にはもっと髪の毛があるはず」と思ってしまう。思い込みの世界である。これは危険である。
髪の毛が少ないと老けて見える。これは事実であり,カツラ会社のテレビ CM でデモンストレーションを見ることができる。しかし,少なければ必ず老けて見えるかと言えば,実はそうではないのである。
芸能人には,バーコード禿がいない。海原はるか・かなたのようなネタの人は別である(海原はるか・かなた - Wikipedia)。芸能人だって普通の人間だから,一般人と同じように歳をとるし,薄毛にもなる。特に強いライトに照らされる機会が多い人は頭皮にダメージを受けやすい。したがって,何らかの対策が必要になる。
芸能人は見た目が命。見た目をよくするために全力を尽くす。対策には2通りの方針が考えられる。1つは見た目を変えないようにすることである。すなわち植毛である。植毛にはお金がかかる。芸能人はお金持ちだから植毛するのだと誤解されることがあるが,実はそうではない。植毛にお金をかけても損はないからである。見た目が人気を左右するからだ。もう1つの方法は,あくまで自分の髪の毛にこだわるというものである。そこで使われるのが薄毛相対性理論だ。
人間は物事を相対的に認識する。これを薄毛対策に応用したのが「薄毛相対性理論」だ(命名は筆者)。こんなのは「理論」とは言えない訳だが。「理論」と「理屈」は違うもので,これはどちらかというと「理屈」に属す。まあ,それはそれとして。
「頭頂部分の髪の毛が少なくなってきたら,周りの髪の毛をもっと短く切ってしまう」これこそが,薄毛相対性理論の現実への適用例である。
つまり,周りの髪の毛が少ないため,禿げてきている部分の毛が逆に多く見えるということである。周りに髪の毛が多いと,頭頂部の髪の毛が相対的に少なく見えてしまうことの逆を突くのである。周りの毛が少なければ,相対的に多く見えるのだ。
芸能人の例としては,所ジョージ(所ジョージ - Wikipedia),高橋克実(高橋克実 - Wikipedia),笑福亭鶴瓶(笑福亭鶴瓶 - Wikipedia) などがいる。山田五郎(山田五郎 - Wikipedia)は極端な刈上げをしているが,彼は薄毛が原因でやっている訳ではない。彼らは早めに手を打った。将来的にバーコードになることはない。
重要なのは,持っているものを全部出しても多くは見えないということである。髪の毛の量は絶対的だが,見た目は相対的なのである。
芸能人とは違い,一般人は選択の余地がある。肉体的な快適さを求めるのか,それとも見た目を大切にするのかのどちらかである。両方は無理。
肉体的な快適さを求めるのであれば,バーコードかカツラになる。バーコードは,潔くない,往生際が悪い,踏ん切りが悪い,そう思われることが多い。しかし違うのだ。彼らは見た目は捨てているというだけだ。頭が何かで覆われてることが大切なだけなのだ。カツラの場合も同様だ。ただし,カツラに関しては,肉体的要因に加え精神的な要因の作用により「被りたい・アンド・隠したい」になっている。なぜバレると恥ずかしいのかと言えば,「隠したい」があるからである。バーコードとカツラは,いずれも本人の快適さが優先されているだけなのだ。髪の毛の奥にカツラの網目を発見したときは,「頭を保護する帽子だ」と思ってあげることが大切だ。
見た目を大切にしたい場合は,思い切って髪の毛を短くすることである。寒い時期にいきなり髪の毛を短くすると風邪をひくので要注意。短くするのであれば,初夏をお勧めしたい。
そうは言っても,髪の毛をすっぱりと短くするというのはなかなか難しい。今までのイメージを捨てることになるからだ。
この問題は少しずつ進行するため,切り替えが難しいのだ。本人にとっては,一気に変われば気がつくが,少しずつだと気がつかないのである。最大の問題は,フサフサからツルッパゲになるまでの期間が長いということである。長いどころかそこがメインだといってもいいくらいだ。フサフサの期間とツルッパゲの期間は短い。その間にある中途半端な期間が長いのである。
薄毛を隠しましょうというコマーシャルが沢山流れているが,騙されてはいけない。というより,流されてはいけない。髪の毛を増やすことは,解決方法ではあるが,唯一の方法ではないのだ。選択肢はある。その選択肢を検討した上でなら,増毛もいいだろう。
欧米人にはバーコードが少ないような気もする。しかし,いないわけではない。バーコード禿は英語では「comb over {コウム・オーバー}」と呼ばれる。櫛{くし}で撫でつけるという意味である。言葉があるくらいだから,ちゃんといるのである。Comb over の方式のうち,右・左・後の3方向を使う方式は特許となっており,イグ・ノーベル賞も受賞している(Comb over - Wikipedia)。
結局,どうすればいいのか。
以上である。
Posted by n at 2006-11-02 23:23 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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