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misc 差別語が含まれている魚

改名案が検討されている魚がいる。差別語が含まれているからだそうだ。

■ ■ ■

表現として「差別語」と「差別用語」のどちらが適切かは判断ができなかったので,この記事では「差別語」で統一する。Wikipedia には「差別語」の項目はない(差別用語 - Wikipedia)。

2007年1月6日付の 「バカジャコ」はダメ、差別語含む魚30種を改名へ : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)によれば,名前の変更が検討されている魚があるとのことだ。

日本魚類学会(松浦啓一会長)は、「バカジャコ」「イザリウオ」など差別的な言葉を含んだ魚の標準和名を改名する。

見聞きした人を精神的に傷つけたり、不快感を与えたりすることがある上、博物館や水族館などが別名への言い換えをバラバラに行う例も多く、混乱を解消すべきだと判断した。今月中に正式決定する。動植物や昆虫などにも差別語を含んだ標準和名が多いだけに、他学会にも影響を与えそうだ。

指摘されるまで,「イザリウオ」に差別語が含まれているとは思えなかった。「イザリウオ」も初耳ながら,恐らく差別語であろう「イザリ」も初耳だったのだ。

差別語や放送禁止語というのは扱いが難しい。使わないようにするためには知らなければならないという,一種の自己矛盾を起こしているからだ。「イザリ」を使わないようにするためには「イザリ」が何かを知らなければならない。

魚の和名は,その姿かたちや特性からつけられる。しかし,和名になる段階でカタカナで表記されるため,和名から由来を推測するのは難しい。これは昆虫の和名も同様である。ミヤマクワガタは,恐らく「深山鍬形」なのだろうが,和名に漢字表記がないので確信が持てない。

日本魚類学会標準和名検討委員会による差別魚名改名案には,もとの和名と改名案について詳細な記述がある。ここでは代表的なものを取り上げ,どこに差別語が含まれているのかを見ていくことにする。上にも述べたように,もとの和名の由来が分からないので推測が含まれていることをお断りしておく。

差別的標準和名 改名案 差別語 差別語の意味
メクラウナギ ヌタウナギ 盲{めくら} 視力障害があること
オシザメ チヒロザメ 唖{おし} 言葉が話せないこと
セムシウナギ ヤバネウナギ 背虫 背中を屈めたまま伸ばせないこと
バカジャコ リュウキュウキビナゴ 馬鹿 知能の働きが鈍いこと
テナシハダカ ヒレナシトンガリハダカ 手無し 手がないこと
イザリウオ カエルアンコウ 躄{いざり} 肢体が萎えて動けなくなる病症
セッパリホウボウ ツマリホウボウ 背張り 背中が著しく盛り上がっている様子
ミツクチゲンゲ ホソクチゲンゲ みつくち 口唇口蓋裂{こうしんこうがいれつ}という先天性の病症
アシナシゲンゲ オオクチノロゲンゲ 足無し 足がないこと

その他,「セムシダルマガレイ(背虫達磨鰈)」は「オオクチヤリガレイ」へ改名する案がある。「オオクチダルマガレイ」になっていないことから,「ダルマ」も差別語と認識されている可能性があるが,この点については不明である。

「バカジャコ」も改名案が出されていることから,「バカ」も差別語ということになる。果たして「バカ」は差別語なのだろうか。過敏になり過ぎている感もある。不快な表現だというならば,減らしていくべきだろうが,やり過ぎは考えものだ。やり過ぎると「それなら『釣りキチ三平』はどうなんだ」というようなものが出てきて話がややこしくなる。

Posted by n at 2007-01-08 01:10 | Edit | Comments (6) | Trackback(0)
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Comments

此方に差別意識がなくても

言葉には含まれてたりして・・・ビックリする事がありました!

正直オイラ バカチョンカメラって・・・

ビックリした!しかもいい歳になってから知って・・・

そんなつもりはないのに・・・って思うから

名前を変える事は 良い事なのかもしれない・・・

Posted by: maro助 at January 08, 2007 18:55

maro助 さん
私も同じで,そのカメラの意味をいい歳になって知りました。自分では差別と思っていなくても,差別に聞こえる人もいるんですよね。難しい問題です。
実はそんな記事をこれから書こうと思っていました。何で分かったんでしょうか。テレパシー?

Posted by: n at January 08, 2007 23:46

バカチョンのチョンが朝鮮人というのは、差別用語に過敏に反応した結果の俗説らしいですよ。

「バカでもチョンでも」の「チョン」も「バカ」とほぼ同義語の、割とふるい言葉らしいです。

バカが差別語って話ならお手上げですけど。

因みにうちのヨメ(元在日・帰化済み)も「バカチョン」って云ってます。

Posted by: 六 at January 09, 2007 12:56

六 さん
情報ありがとうございました。「ちょんは江戸時代の文献にも見られる言葉」であるというのは,なるほど信憑性がありますねぇ。勘違いでしたか。
チョン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%B3

そういえば,「ちょんまげ」の「ちょん」も朝鮮人ではないですね。しかし,勘違いとはいえ,多くの人が思っていればそれはそれで差別につながりそうで何とも困りました。

Posted by: n at January 09, 2007 23:15

初めまして。
ネットニュースで「ミツクチ⇒ウサクチ」というのを見て、それじゃ何も変わってないじゃない?(兎口) と不思議に思って検索しているうちにこちらにたどり着きました。
そうしたら「ホソクチ」が正しかったのですねぇ。
しかし、あえて言ってみるなら、改名後の「オオクチ」「ノロ」は良いのかな?^^;

キ○○イについては、私の少し上の世代では重度の知的障害の方も今より多く身近に見られ(たような気がします)、養護施設や職業訓練所も整っておらず、奇異の目と蔑視をもって、そう言われておりました。
なので、バカはともかく(これは使いますね〜)、キ○○イは私は使えません。
気が変になっちゃうくらい好き! という意味でもダメなのです。
もちろん、障害をもっている人がどうこうじゃない、差別(蔑み)のためにその言葉が使われたから嫌なわけです。
そこにこだわっていたのですが、先だって知人に「じゃあ“障害者”という言い方はいいわけ?」と聞かれて言葉に詰まってしまいました。
この辺は個人の言語感覚・嗜好にも負うのでしょうね。
ゆくゆくは障害者という言葉も何かに代わるのかもしれません(挑戦者、という方もいらっしゃいますね)。

ちなみに、イ○リはいざり寄るという言葉を知っていたので分かりましたが(きっと胸鰭が発達しているんだろうなー)、セッ○リは知りませんでした。
(あまり身近でないと、そして短い言葉だと、伏字にするのも何ですね^^;)

こういう問題では、「昔から普通に使っていたものを変える必要があるのか?」とか「気にしすぎ!」とか「差別と思うのが差別なんだ!」とかいう意見をよく見かけますが、私個人は「それによって傷つく人がいるなら・・・」と思っているので、n様の記事を拝読していささかホッといたしました。

中には本当に気にしすぎのケースもあると思いますが、判断は難しいですね。
「ちびくろサンボ」(「サンボ」がわるかった説も聞きました)のことを考えると、受け入れられたり拒絶されたり、そしてまた受け入れられたり・・・。
そんな風に時代につれて人の思考が変わることもあるし、医学や技術が発達して何か大きな変化があるかもしれないことを思えば、今は差別用語の「過渡期」なのかも、という気もいたします。

(初めてなのに長くなってすみませんでした)

Posted by: なつ at February 02, 2007 09:29

なつ さん
言い方を変えても,言う人の意識が変わらなければ同じことになります。意識を変えるのが大切なのだと思います。

Posted by: n at February 03, 2007 00:44
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