お酒は好きだが,とても弱い。晩酌はお猪口2杯に決まっている。日本酒の美味しさを知ったのは最近のこと。美味しいものを知ると,そのもののよさが分かる。
日本酒が本当に美味しく思えるようになったのは,3年ほど前からである。若い頃は,訳も分からず飲んでいた。「いいお酒は水のように飲める」などと聞いて,そんなものかと思っていた。しかし,これは間違った認識だった。
私が日本酒に目覚めたのは,「星自慢」との出会いだった。ひと口飲んで,今まで飲んだ日本酒とは違った感じを受けた。少し甘い感じなのである。それからは,この星自慢を基準にして酒を選ぶようになった。店の人が詳しければこのお酒の名前で分かるし,知らなくても味の感じを言えば分かってくれる。そうすると,勧めてくれるお酒にハズレが少なくなるのだ。
このような味の基準は,自分だけのものであるので,一般に美味しいと言われているかどうかには,関係がない。皆が美味しいと言っていても,自分には合わないこともある。というより,合わないのが普通である。したがって,自分の好みの味に出合えたというのは実に幸運なことなのだ。
これは最近飲んだお酒の瓶である。知り合いから貰った「十四代{じゅうよんだい} 本丸」は実に美味しかった。これは最高。味わい深い。
普段飲むのには,価格も考えに入れなければならない。1升で2500円前後で気に入っているのが「飛露喜{ひろき}」と「星自慢」である。飛露喜は人気なようで,なかなか手に入らない。星自慢のビンが一番多い。割と手に入りやすい。
今飲んでいるのは「東一{あづまいち} 山田錦純米吟醸」3500円である。ちと高いが,値段に見合う味ではある。
色々飲んでみると,だんだん自分の好みが分かってくる。最近は「しっかりした味わい」が好きになってきた。星自慢は美味しいが,すこし軽くてしっかり感には欠ける。
私はお酒が好きな割には,アルコールに弱い。すぐによっぱらう。若い頃は大量に飲める人を羨ましく思ったが,今は違う。少ない量でいい気分になれるのは,とてもいいことなのである。晩酌はオチョコ2杯で十分に酔える。実に経済的。安上がりな体質なのである。
日本酒をネット通販で購入するときには,「17BY」とか「18BY」という表示が目に留まる。これは酒造年度を表している。Brewery Year の頭文字である (酒造年度(BY))。酒造年度は7月1日から始まり,年を表す数字は元号と同じになる。今年は平成19年なので,来月7月からは「19BY」のお酒が登場することになる。
日本酒だけでなく,美味しいと思えるものに出合えることは幸運である。他のものを食べたときに,美味しいものを基準に味わうことができるからだ。そのため,例え美味しくないものに当たったとしても,ダメージが少ない。反対に,美味しくないものしか知らない場合は不幸である。美味しいものを食べたときでも,今までに知っている「まずいもの」を基準にしてしまうからである。
Posted by n at 2007-06-09 21:08 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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