洗濯した衣類から雑巾のような臭いがする。原因である洗濯槽の裏側を洗うべく,洗濯機を分解することにした。
最近,衣類から雑巾のような臭いがするようになった。部屋干しで生乾きになるとつくあの臭いである。原因は洗濯機らしい。数日前に洗濯槽の掃除のために漂白剤を投入し,その効き目があったのはいいが,洗濯槽からはがれ落ちたカビが逆に衣類につくようになってしまったのだ。「このままでは病気になってしまう」と感じたので,思い切って洗濯機を分解清掃することにした。作業を進めるにあたって,非常に参考になったサイトは次の2つである。有用な情報に感謝する。
清掃する洗濯機は,東芝全自動洗濯機(家庭用) AW-C50G,1999年製造である。購入も1999年。これまでの清掃は,洗濯槽クリーナーという洗剤を使う方法であった。分解はしたことがない。その方法の問題は,洗剤を入れて洗濯機を回すだけなので,洗濯槽のカビをもとからたたけないことにある (nlog(n): 洗濯槽にカビが)。
洗濯機を分解清掃するには,ある程度専用の工具が必要である。今回用意したのは,上の写真の4点である。左端から,プラス(スクリュー)ドライバ,ソケットレンチ,ギヤプーラー,モンキーレンチである。特殊なものはギヤプーラーだけである。モンキーレンチはギヤプーラーを回すために使う。ソケットレンチは,工夫して使えばモンキーレンチでも代用がきく。すべてホームセンターなどでそろえることができる。
ソケットレンチのサイズは 10 mm。このボルトの大きさが分からなかったので,紙を押し付けて型をとりフリーハンドで外形を描いて,ホームセンターに持っていった。すると「11 mm ありますよ」という。しかし,分解の手引き には「10 mm」とあるので,これを信じて購入し,見事正解。「紙で型をとるなんて名案」と思っていたが,浅はかだった。誤差が大きいのだ。そもそもは,定規やモンキーレンチなどのたよりになるものを引越しのときにどこかにしまい忘れてしまったのがいけないのだが。購入したのは,古寺製作所 T型ボックスレンチ TBS-10 で,価格は 348 円。
ギヤプーラーは,県央貿易が輸入元となっている「KNOギヤプーラー 75 mm」台湾製。通常はギヤやプーリーなどを引き抜くのに使われる。くわえられる寸法の最大が 75 mm というもの。うちの洗濯機は,くわえる寸法が 120 mm であり,ギヤプーラーの規格をオーバーしているが使用可能だった。くわえる寸法が 150 mm までのものだと,重くて邪魔だし値段も高い。75 mm 用の価格は 1280 円だった。参考までに,100 mm 用は 2000 円,150 mm 用は 3000 円だった。洗濯槽の取り外しには,このギヤプーラーがなければ不可能だった。ボルトがはずせても,洗濯槽の底が長年の使用でくっついてしまい,並の力では外せないのだ。びくともしないので途方に暮れていたところに光を当ててくれたのが PDA Labs: あなたの洗濯機は大丈夫?全自動洗濯機解体新書2 である。感謝感激雨あられ。
「ギヤプーラー」というのは,Gear Puller のことで,ギヤを引っ張る工具という意味である。「ギヤプラー」と訳した方がいいのではと思うが,「ギャンブラー」にも似てきてしまうし,どちらでもいいかという感じではある。
モンキーレンチは,ギヤプラーを回すために購入。販売元が KYOSHIN の「モンキーレンチ 200 mm」で,最大口開は 25 mm。この製品の特徴は,口にノギスがついていることと,価格が安いことである。価格は 720 円。
今回の買い物の合計価格は 2348 円であった。
底で回転するプロペラは,パルセーターという名前である。プラスドライバーで止まっているだけなのだが,外すのが結構難しい。指をかけるところがないので,持ち上がらないのだ。よく手を拭いて,少しずつ引っ張り上げるようにする。ダメなときは,L字型の針金で引っ掛けるといいかもしれない。パルセーターはプラスチックなので,水を入れれば浮き上がってくるという話もある。
パルセーターの裏の汚れは,古い歯ブラシを使えば簡単に落ちる。これがまたどんどん落ちて気持ちがいい。
洗濯機の上蓋を外す。上蓋は背面に2本のビスがあり,前面にはひっかける爪が出ていた。上の写真は,下から上を見上げたところ。手前に爪があるのが分かる (ピンボケで分かりづらい)。
パルセーターが外せたら,洗濯槽を固定しているボルトを外す。底についている4本のボルトである。ボルトをはずしたら,ギヤプーラーで底から引き剥がす。周囲の丸い穴にギヤプーラーの爪を差し込めばよい。この洗濯機の場合,対角線上にある穴と穴との距離は 12 cm だった。
洗濯槽を外すと,その外側の水槽もかなり汚れていた。
洗濯槽の外側を洗う。プラスチックの部品は,プラスドライバで簡単に外すことができる。汚れも簡単に落とせる。汚れは,単に「乗っている」という感じで,「こびりついて」はいない。この掃除は達成感があり,かなり快感である。
長年の懸案であった,洗濯槽を外しての清掃が完了した。首を痛めていてリハビリ中なので作業は休み休みとなり,1日がかりとなってしまった。いったんコツをつかめば2〜3時間でできるのではないかと思う。
もしこの作業を他人にやってもらうなら,いくら出すだろうか? 5000円でやってくれるのなら,頼んでしまうだろう。しかし,5000円でやってくれと言われたら引き受けないだろうな。業者に依頼した場合は1万円前後となるようだ。
2008年12月7日追記: またやりました (nlog(n): 今年もやった洗濯機の分解清掃)。パルセータは吸盤で引っ張って取り外しました。
2009年12月8日追記: またやりました (nlog(n): 洗濯機の分解清掃時の忘れ物)。
2013年1月5日追記: またやりました (nlog(n): 洗濯機の分解清掃の最終回)。
2013年1月7日追記: これが原因で壊れました (nlog(n): 洗濯機がなんと単機能の脱水機に変身)。
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小生にはただただ驚くし感心するばかり。
メカには弱いし、修理は無論、分解なんてね。
以前、PCのマウスが調子悪くなり、そうか、マウスもトラックボール近辺が汚れるし、綿埃が溜まるんだと、分解して掃除したことがある。
が、組み立てに失敗(← 案の定)!
仕方なく、マウスを買いにPCの店に駆けつけた。
洗濯機は水物だから、(午前に)洗濯し終えた後は、夕方まで蓋を開けっ放しにして、中を十分に乾燥させる。
これが無精者たる小生には楽。埃が多少、入るけど、次の洗濯の際に洗濯ネットで取れるし。
洗濯機の掃除に五千円。まあ、友人なら交際費だと思って出すかも。でも、無精するだろうな、当分!
Posted by: やいっち at November 22, 2007 11:54やいっち さん
洗濯機の蓋を開けっ放しにするのは効果的のようです。うちでも洗濯するまで洗濯機の中に衣類は入れないなど気を遣ってきたのですが,ダメなときはダメなもんです。
マウスの分解清掃に失敗ですって!? しっかりしてください! そういう私のマウスにはボールがついていなかったりします。
Posted by: n at November 23, 2007 03:31→http://nlogn.ath.cx/archives/000560.html