nlog(n)

自分のご飯の食べ方を観察してみることにした。普通のおかず，味の濃いおかず，汁物では，口に入れるタイミングがそれぞれ違うことが分かった。

そらねっと通信局さんから，言いたいことを先に言われちゃったと反応してもらったので (nlog(n): 入国審査での指紋採取はいかんと思うぞ)，先に言われちゃった返し。2か月前の話題なんだけども。

ごはんを口の中に残したままで、おかずを食べますか？ | エキサイトニュース という記事があり，次のように述べられている。

ここで、栄養士さんの意見を聞いてみた。
「『べつべつ派』がよいと思います。『まぜまぜ派』は忙しいサラリーマンなどに見受けられますが、早食いになりがちです。食事は『ゆっくりよくかんで』が大切なのですが、実践するのは難しいのです。ウェイトコントロールにも『べつべつ派』がお薦めです」
なるほど。早食いは大食いになりがち。テーブルマナーの本にも「口の中の物を見せるのは×」とあった。確かに「べつべつ派」の友人を見ていると、食べ方が上品だ。

この栄養士の意見を意外だと思ったのは，そらねっとさんと同じである (御飯とおかずは一緒に食べるものと習ったのだが)。私も，親からはご飯とおかずは一緒に食べるようにと習った。書きたいことはご飯とおかずを一緒に食べる話なのだが，まずは，この栄養士の反論から入ろう。

おかずとご飯を口の中で混ぜ合わせて食べることを，口中調味とか口内調味という。服部学園の服部幸應氏が，「口中調味は世界的にみても珍しく，大切にすべき文化」と何かのテレビ番組で言っていた。栄養学的にも合理性を備えていることは，歴史からも分かると女子栄養大学の五明紀春教授は主張されている (食の文法)。私も同意見である。

「口の中の物を見せるのはマナー違反」というのは確かにある。しかし，口を「あーん」と開いて中を見せるのはマナー違反だが，食べ物を入れる一瞬だけ開くだけならマナー違反ではない。それよりも，他人の口の中を覗き込む方がマナー違反ではなかろうか。

これでエキサイトの栄養士への反論は終了である。そもそも，記事のタイトルもいけない。順番が違う。「ごはんを口の中に残したままでおかず」ではなく「おかずを口の中に残したままでごはん」だろう。

私のご飯の食べ方

何日かかけて自分の食べ方を観察してみた。意識的にしていることと，無意識にしていることがあった。意識的にしているのは，よく噛んで食べるということと，ご飯とおかずが同時になくなるように食べること。無意識的にしているのは，一度に食べるおかずとご飯の量と，おかずとご飯を口の中に入れるタイミングである。

普通のおかず

焼き魚や煮物などの普通のおかずに関しては，まずおかずを口の中に入れ，噛み砕いてからご飯を入れる。いったんご飯を入れたら，口の中のものをすべて呑み込んでしまうまで口を閉じたままにする。

味の濃いおかず

ここでは，佃煮，たらこ，納豆，塩辛などを味の濃いおかずと呼ぶことにする。味の濃いおかずは，あらかじめご飯の上に乗せて，ご飯と一緒に口の中に入れる。丼物も，具とご飯を一緒に食べる。

味の濃いおかずのうち，漬物だけは例外だった。漬物は，ご飯が口の中にあるときに追加する唯一のおかずである。

食事後半

食事が始まってすぐは，上のような感じで美しいのだが，後半になると違ってくる。ご飯とおかずの順番やタイミングの制限が解除されてしまう。異種のおかずを口の中で混ぜたりして，もうむちゃくちゃ。

汁物

幼い頃は，ご飯が口の中にあるときにおつゆを飲んでいた。しかし，これは汁でご飯を流し込むことになってしまい，よく噛むことをしなくなってしまう。その反省から，汁物は口の中の物が完全になくなってから飲むことにした。こうすることで，よく噛んで十分に唾液を出して食べることができるのだが，問題もある。汁だけが最後に残ってしまうことが多くなってしまうのだ。

汁物は別に食べるということは，食事をするときの姿勢からみても自然である。和食の姿勢は，左手にご飯茶碗を持ち，右手に箸を持つ。茶碗は基本的に持ったままで，下ろさない。これは，ご飯とおかずで食事が進んでいくことを表している。茶碗を置くのは，汁椀に持ち替えるときだけになる。

とは言え，汁を別に飲むというのは，あくまで理想の場合である。急いでいるときは，食べ物が口の中にあるときに汁を飲んで流し込んでしまう。悲しい理想と現実がそこにある。

その他

欧米人は，口の中の物を完全に呑み込んでから次にとりかかるそうで，口中調味はしないそうだ (三角点:三角食べと口内調味は別である)。

テレビなどで気になることがある。食べ物を口に運ぶときに，舌を出して迎えにいく人がいる。これはいかん。箸をそろえるのに，テーブルを使ってちょんとやる人。左手を使ってくれ。右手だけで箸を置く人。箸がナイフやフォークのように縦に置かれてしまうよ。左手を使って，横に置いてくれ。

先週11月16日深夜のタモリ倶楽部のテーマは「正しいサンマの食べ方」だった。和食のマナーとしては，手前のはらわたから先に食べ裏返さないのが正式なのだそうだ。それよりも，魚屋さんの食べ方が面白かった。焼いたサンマを背中から開き，背骨と腹の骨を取り，大根おろしを全体に乗せて，大根おろしがサンドイッチ状態になるように，開いた身をもう一度もどして食べるというもの。合理的でありスピードもある。これは試してみたい方法である。

あれれ，そらねっとさんへのトラックバックが上手くいかないぞ。

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