電気製品には,カタログだけでは分からないことがある。購入した電子レンジもそうだった。ピリラルラー。
電気製品でも,ソフトウェアでも,何についても言えるのだが,カタログだけでは分からないことがある。使ってみて初めて分かることがある。その多くは残念なことである。「○○ができる」と「○○するにはどうやる」は別のことなのである。
購入した電子レンジは,2年前の記事のとおり SANYO EMO-FZ40(D) である。この機種はすでに生産終了である (オーブンレンジ EMO-FZ40(D) | 商品特長 | 三洋電機)。
なぜか今日は我が家の電子レンジ記念日になってしまっている。3年前の今日に購入を考え始め (nlog(n): 電子レンジの購入を考える),2年前の今日に機種を決めた (nlog(n): 電子レンジ機種決定)。
購入して設置後,料理を入れてスイッチをポン。ワクワク…なんせ初めての電子レンジだもの。もちろん使ったことはある。しかし,自分のものになったのは初めてだった。
しばらくすると,「ピロリッ,ピロリッ,ピリラルラー」というメロディーが鳴った。な,なんと,出来上がりを知らせる音が「チン」ではなかったのだ。これまでの常識を覆す{くつがえす}新発想であるが,嬉しくない。
この音では「ちょっとこれ,チンしといて〜」と言えない。「ピリラルラーして」では意味が分からない。
説明書を読むと,「出来上がり音の変更ができる」とある。変更してみると,「ピーッ,ピーッ,ピーッ」という3回のピーに変わった。もう1つ選択できる音は「消音」である。音を出さないのだ。これまた斬新。
メロディーを記憶するメモリがあるのだから,「チン」のサンプリング音を入れておいてくれればいいだけなのに。これは非常に残念であった。
最初に電子レンジの購入を考えたときに,ダイヤルのありなしの違いを検討した (nlog(n): 電子レンジの購入を考える)。その時の結論は「ダイヤルがあると便利」であった。そして,ダイヤルつきの電子レンジを選んだのだ。
温め時間の設定は思ったとおりで,「料理を入れる→ダイヤルで時間設定→スタートスイッチ」の自然な流れであった。しかし,使ってみると全ての機能にダイヤルが使えるわけではなかった。例えば,レンジ出力の設定はボタンでやるのである。ダイヤルの横に「レンジ出力」ボタンがついていて,これを使う。デフォルトが1000Wで,1回押す度に設定値が「600W→500W→200W→100W→1000W→」のように変わるのである。したがって,出力を変えたいときは「出力」ボタンを何度も押さなければならない。ダイヤルがあるのだから,「レンジ出力」ボタン→「ダイヤル」でやるべきだ。設計が中途半端である。
その他にダイヤルが使えるのは,オートメニューの選択である。葉菜,根菜,パスタ,グラタン,ホイル蒸,ケーキなどのメニューに応じた温め方を選択するものである。しかし,これは「料理のすべてを電子レンジでやる」くらいの心意気でなければ,ほとんど使わない機能である。私の場合,葉菜,根菜,パスタはガステーブルで間に合ってしまうからだ。メニューによっては,ダイヤルを使わないものもある。牛乳が1杯のときは「牛乳」ボタンを1度押し,2杯の時は2度押し…,同様にトーストも,1枚のときは「トースト」ボタンを1度押し,2枚の時は2度押し…,ダイヤルは使わない。これも設計が中途半端である。
仕上がりの温度調節もできるのはいい。しかし,この温度調節も「仕上がり調節矢印」ボタンを何度も押さなければならない。
すべての操作を,「選択ボタン→ダイヤル→スタートボタン」の流れにすれば操作性もアップしたはずである。設計の詰めが甘いのが残念である。
食材の中には,タラコのように,急激にあたためると弾けて飛び散ってしまうものがある。機能的価格的に中間クラスの機種には,それを防止するための機能がついている。この製品では「ゆるやかあたため」という名称になっている。
「ゆるやかあたため」するには,「あたためボタン」を2回押す。ボタンにその説明が書いてあるし,操作ボタンが1つ減るので,インターフェイス設計としては合格。機能的にも,確かに効果はある。
しかし,ダメなときはダメである。「ゆるやかあたため」したのに,ブリが飛び散ってしまった。万能ではないということだ。これは製品に対する不満ではない。使用上の注意点である。飛び散らさないコツとしては,温めている最中に「プリッ」という音が聞こえてきたら,すぐに飛んで言って「とりけし」ボタンである。これしかない。この段階で温まっていなかったら,出力ワット数を下げてから温め直す。
「多彩な料理」に惹かれて,グリルつきの電子レンジにしたのだが,使っているのはほとんど温め機能のみ。これは,この機種の問題ではなく,買った側の問題である。
電子レンジで温めた後,取り出すのを忘れていると,「ピー,ピー」と鳴って呼んでくれる。これはよかった。食べ終わった後に「もう1品残っていた!」ということが起こらないからである。
電子レンジで温めたものは体によくないかも,という懸念はある。この製品に限ったことではない。電子レンジ全般に言えることである。例えば,Microwaved Water - See What It Does To Plants には,「電子レンジで温めて冷ました水と,ストーブの火で温めて冷ました水を,植木にあげ続けてみました」実験がある。これが驚きの結果なのだが,自分で試していないので,どこまで信憑性があるのかは不明である。
子供用のミルクは,ガステーブルで温めたものを使っているのだが,離乳食以降は電子レンジが多くなっている。
期待したものと実物は必ず異なる。それが少なくなるように事前にできるだけ調べるのだが,それでも限界はある。ギャップを埋めるのに一番よいのは実際に使ってみることだが,なかなか難しい。あとは口コミ情報に頼るしかないか。
電子レンジにも「ファームウェアアップデート機能」がついていればいいのにと思う。パソコンでファームウェアをダウンロードした後,電子レンジに接続してアップデートする。「ピリラルラー以外のメロディーが選択できるようになりました」というようになる。いや,「チン」がいいんだけどね。
Posted by n at 2008-06-17 23:40 | Edit | Comments (2) | Trackback(0)
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私もおなじ電子レンジを3年間使ってます^−^v。残念点というと、オーブンでパンをトーストするための時に使うあみがなくて、天板の上で焼くこと。。。−。−なんかパンの下側になった方が美味く焼けなかった気がします。。。でももうなれちゃいました!
Posted by: FERNANDES MIRYAM YOSHIKO UNE at May 10, 2011 00:26FERNANDES MIRYAM YOSHIKO UNE さん
Posted by: n at May 10, 2011 07:08私もまだこの電子レンジを使っています。
トーストは表面がカリッと焼き上がって欲しいので,確かにその点は残念かも。我が家ではガステーブルのグリルを使って焼いています。