NHK教育テレビの幼児向け番組「おかあさんといっしょ」の内容が4月から変わった。キャラクターが変わっただけでなく,最後に言うことばが変わったのだ。何かあったのだろうか。
「おかあさんといっしょ」は1959年秋から続く長寿番組である (おかあさんといっしょ - Wikipedia)。幼児向けなのに長寿というのが語感的にミスマッチ。
そんなことより,事件ですよ姉さん。これまで長いこと守られてきた「さようなら」がなくなったのだ。
期間 | おにいさん・おねえさんのことば | キャラクターのことば |
2009年3月中旬まで | 「それじゃ,さようなら」 | 「バイバイ」 |
2009年3月30日から | 「それじゃ,バイバイ」 | 「またね」 |
工工エェ(´Д`)ェエ工工! これまで頑なに守ってきた「さようなら」が消えてしまった (*1)。「バイバイ」がついに日本語として認められたのである。日本人としては喜ぶべきか悲しむべきなのか。
思い起こしてみれば,「さようなら」と「バイバイ」の言葉としての重さの違いが出てきて久しい。「バイバイ」は軽く,「さようなら」は永久の別れとは言わないまでもかなりの重みを持つことばとなっている。
私が子供の頃 (それは数十年前),保育園から小学校低学年までは「先生さようなら,みなさんさようなら」が帰りの挨拶だった。これはこれで今でも問題がないように思える。特別な意味を持ち始めたのは,思春期を過ぎてからである「さようなら,もう会えな(ry」…ガビィ〜ン。
「さようなら」は漢字で書けば「然様なら」。「そのようなら,しからば」の意味である。「左様なら」という表現も一般的であるので,縦書き文章なら「右様なら」ではないかと思ったこともある。しかし「左様なら」は当て字であるので,要するに間違いであるから,「右様なら」と心配することはない (「左(ひだり)の様(よう)に」とは、一体何の左なのでしょう?)。これを考えると,3月までの「それじゃ,さようなら」は,意味的には「それでは,それでは」になるのだが,これは大きな問題ではない。
子供向け教育番組では,終わりの言葉は「さようなら」にして欲しい。そうしないと,ますます「さようなら」の重みが増 (以下略)。
*1: 正確に言えば,「さようなら」と言わなくなったというのは,おにいさんとおねえさんがキャラクターといっしょに番組の最後の挨拶をする場面での話である。3月下旬の,キャラクターがいない場合やファミリーコンサートでは,すでに「さようなら」と言っていなかった。つまり,3月下旬からはすべてが「バイバイ」に変わってしまっていた。
Posted by n at 2009-04-23 05:51 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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