先々週,東京ドーム球場にプロ野球を見に行った。実際に試合を生で見るというのは面白い。しかし,球場が提供する試合の見せ方には前時代的な感じを持った。球場も変わっていくべきではないか。
2009年9月5日,先々週の土曜日に,東京ドーム球場に巨人・ヤクルト戦を見に行った。何と3年ぶりである (nlog(n): 久しぶりの野球観戦)。14:00 開始のデーゲームである。結果は巨人の勝利となった (Yahoo!プロ野球 - 2009年9月5日 巨人vs.ヤクルト)。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 1 |
巨人 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 3 | X | 7 | 10 | 0 |
試合は一方的な展開となったが,やはりライブは面白い。テレビで見るのとは違う面白さがある。見えている選手の大きさはテレビの方が断然大きく,実際に球場で見る選手は豆つぶ程度である。それでもなお面白いと感じるのは,大人数の人間が観客席にいて,その興奮が伝わるからではないかと思う。
分煙が進んでいるためか,喫煙室が設けられていた。ロビーがタバコ臭いということはもうなくなった。喫煙室にはテレビモニターがあって,タバコを吸う人はそれを見ている。せっかく球場まで来ているのにテレビ越し観戦である。これは家で見るのと同じではないか (後述する)。
ファールボールが観客席に飛ぶとアナウンスがある。「ファールボールにご注意ください」という冷静な女性の声である。「ファールボールですよ! 危ない! 注意よ!」ではない。淡々としているのだ。しかも,このアナウンスがあるのは,ファールボールを観客席の誰かがつかんだ後である。遅いのである。打ち所が悪ければ実に後の祭りである。
ファールボールを手で捕ってみたい気もするが,回転がかかった硬球はいかにも痛そうである。準備ができていないところに飛んできたら痛いどころでは済まない。よそ見をしていて「シューッ」という音が聞こえてきて瞬間的に大きな音になったら,その直後に身近でよくないことが起こるのは確実である。
私は,プロ野球すんごく大好き人間でもなく,好きな球団も「強いていえば巨人」くらいである。好きな理由は,王・長嶋・侍ジャイアンツからの流れである。そういう人間が久しぶりに野球観戦をすると,戸惑うことがあるのだ。
当日の巨人のスターティングメンバーは,1(遊)坂本,2(中)松本,3(一)小笠原,4(左)ラミレス,5(右)亀井,6(捕)阿部,7(二)古城,8(三)脇谷,9(投)内海であった。そこで思ったのは「あれ? ラミレスって巨人?」であった。
調べてみると,小笠原,古城は元日本ハム,ラミレスは元ヤクルトなのであった。昨日の敵は今日の友,昨日の友は今日の敵である。途中から出場の谷は元オリックスで,その守備範囲の広さは有名である (球界一守備範囲が広い選手 笑える2ちゃんねる)。
現在の監督は,巨人が原辰徳,ヤクルトは高田繁である。原監督は辞めたんじゃないかと思ったら,堀内の次に復活していた (読売ジャイアンツ - Wikipedia)。ヤクルトの古田敦也監督は2007年で辞めていたというのは,帰って来てから気がついた。しかも球団名が「東京ヤクルトスワローズ」になっている。それは2006年から (東京ヤクルトスワローズ - Wikipedia)。これも知らなかった。
野球そのものは昔も今も変わらない。ルールも変わらないし,スポーツとしての楽しさも変わらない。しかし,それを取り巻く環境は変わっていくのだ。
例えばタバコの分煙がある。昔に比べると「タバコの煙が嫌い」と言いやすくなってきており,タバコ愛好家は隅に追いやられている。タバコを吸う人と吸わない人の両方のことを考えたひとつの結論が,喫煙所の設置である。愛煙家にとっては,観客席で生で観戦しながら吸うのがベストだろうが,そうはいかなくなった。そこで,球場は喫煙室にモニターを設置することで,生ではないけれども観戦できるようにしたのである。その結果,「家でテレビ見てるのとおなじじゃん」状態にもなっているが,それは1つの楽しみ方でもある。つまり,贔屓{ひいき}球団の攻撃のときは生で見て,守りのときはテレビ越しに見るという楽しみ方である。家でテレビ観戦をしている人の中にも,相手が攻撃になった途端,チャンネルを変えて他の番組を見るという人もいる。それと同じである。人によって楽しみ方は違うのだ。このあたりは球場が上手く対応していっているように思えた。
また,私の場合のように,選手が入れ替わっていて全く分からんという「プチ浦島太郎状態」の人間もいる。選手を球団間で入れ替えていくことは昔はあまり多くなかった。トレードを日常的にしたのは球団の都合である。であれば,そういう情報は観戦している人たちに積極的に提供していくべきなのではないだろうか。例えば,バックスクリーンに打者の情報を出していくとか (例えば以前は別の球団に在籍していたなど),そういうのはどうだろうか。知りたいのは,打率と本塁打数だけではない。
バックスクリーンには,ピッチャーの球速が表示される。単に数字が出るだけでも楽しみが増す1つの例である。たまに間違った球速が出ることもあるが,それは仕方がない。それはそれでよい。
ピッチャーの投球数もバックスクリーンに表示されるようになった。これもいい情報である。ピッチャーが交代したこともすぐに分かる (交代に気がつかなくてすまん)。
プロ野球の楽しみ方は人それぞれである。野球そのものは変わらないが,取り巻く環境は変わっていく。その変化には球団の都合も含まれているのだから,球場が観戦する人たちに提供するサービスも変わっていっていいのではないか。単に試合を見せることだけで落ち着いていてはいけないのではないかと思うのだ。
Posted by n at 2009-09-17 02:58 | Edit | Comments (3) | Trackback(0)
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2年ほど前から誘われるがまま、年に数回ですがロッテ戦を観に行くようになりました。私の場合、試合の観戦よりも、プラス・アルファの部分を楽しんでいます。その一つがビール。千葉マリンスタジアムでは年に1,2回、ビアガーデンと称してバックネット裏を含め、大人1,500円の全席自由席となり、ビールは1杯300円の格安で楽しむことができます。これはお勧めです。もう一つの楽しみは5回終了後に上がる花火です。打ち上げ数は300発と多くはないですが、球場自体が海風を防ぐために、外周の壁が高くなっている(東京ドームの屋根部分がない感じ)ため、打ち上げ音の反響が大きく、予想以上に迫力があります。さて、肝心の試合の方は応援が声援中心なので、ヨーロッパのサッカー場を彷彿とさせる雰囲気があり、盛り上がりますよ!
Posted by: yanagi at September 17, 2009 09:50ちわ〜/
野球は子供のころ草野球をやったくらいで、プロ野球は横浜太陽ホエールズを応援しに完成したばかりの横浜スタジアムに1度行ったくらいです。しかも外野席。
今でも12球団(なのかしら今?)言えません。しかも覚える気もないです。
NYに住んでいた時に無理矢理ヤンキーススタジアムと、メッツスタジアムには2回づつ連れて行かれましたが、選手の事とかそれまでの対千チーム同士の因縁みたいなことを前知識で持っていないとオモロくないと思いました。それからブーイングとかウェーブとか別に試合の内容などそんなに関係なく観客が(たとえ子供でも)楽しめる余興もありましたが、これもルールがあるようでいまいち、周りに取り残されてしまっていました。
スペインの闘牛観戦と同じだ。と当時思ったことを覚えています。
なのでn氏と同じかそれ以下の野球浦島太郎だと思います。
Posted by: おお at September 18, 2009 04:49ちなみにサッカーも、ラクビーもアメフトもホッケーもバスケも興味ないです。
しいていうとゴルフには興味ありかな。
yanagi さん
私もビールを飲むのですが,東京ドーム球場は1杯800円もします。汗だくのおねえさんが目の前で注いでくれるというサービス分が込みだとしても,少し高いです。300円だと嬉しいですね。じゃんじゃん行ってしまいそうなのが恐いですが。
おお さん
Posted by: n at September 18, 2009 06:51野球などの対戦ものは,やはり純粋なスポーツではないんですね。「前知識があれば楽しみが倍増」というのはあっていいですが,「前知識がないと楽しめない」というのはキビしいです。ゴルフみたいな個人技は,純粋な技術の部分が多いような気がします。
スペインの闘牛は個人技のように思うのですが,何か前知識が必要なのでしょうか?