東京メトロの新宿三丁目駅に超指向性スピーカーが導入された。宣伝広告用である。
ここは東京メトロの新宿三丁目駅 (新宿三丁目駅 - Wikipedia)。レールの向こう側の壁にディスプレイが設置された。宣伝広告の映像が流れている。よく見ると,隣のディスプレイとは違う広告で,音声もその宣伝のものが流されている。普通は,地下鉄構内のような狭い閉鎖的な空間では,複数の種類の音を流すと音が混じってごちゃごちゃになる。ところが,ここでは隣のスピーカーから流れる音が気にならない。
ディスプレイの正面の天井に,スピーカーがついている。このスピーカーが強い指向性を持っている (指向性 - Wikipedia)。超指向性なのだ。音の目指す「向き」があって,それが鋭い。メガホンに用いられるトランペットスピーカーは,指向性を持たせるためにトランペット型のカバーがついている (トランペットスピーカー - Wikipedia)。しかし,この駅の天井のスピーカーはトランペット型をしていない。内部については不明だが,アレイ型のスピーカーではなかろうかと想像する。ニュースリリースには液晶ディスプレイについての説明はあるがスピーカーについてはない (東京メトロ|ニュースリリース|丸ノ内線主要6駅のホームで72台のディスプレイに広告配信を開始!)。
図にすると上のようになる。スピーカーが超指向性のため,聞こえる範囲が限定される。この範囲外では,スピーカーからの直接の音は聞こえず,壁からの反射音だけが聞こえることになる。スピーカーの真下に行くとよく聞こえるが,外れると風呂屋で聞こえる壁の向こうの女湯の声のような音になるのだ。そのため,少し離れたところにある別のスピーカーの音は気にならない。
風呂屋といえば,男湯で AV 女優の声が流されたら赤面だろうなと思った。全然関係がないんだが。生理現象を刺激するいたずらは困る。それは困る。私は普段は隠さないが (nlog(n): 韓国人は前を隠さない),状態によっては隠さざるを得ない。
駅に話を戻そう。超指向性のスピーカーという新しい試みは歓迎なのだが,宣伝用にしか使われないというのは残念。導入費用がかかるからスポンサーが必要というのは分かるが,利用者のためにもなるものを考えて欲しい。利用者は電車を使いたいのであって,宣伝を見たり聞いた意したいのではないからだ。
利用者向けの使用法としては例えば次のようなことが考えられる。向きを 90° 変えれば,上りホームだけや下りホームだけのアナウンスに使えるし,場所によっては誘導したり危険を知らせたりできるはず。ホームの端だけに設置して,はみ出た人に「そこ危ないよ!」と言うとか。大勢でやりそうなのは逆に問題ではあるのだが (らばQ:駅の階段がピアノの鍵盤に…健康に良さそうなアイデア(動画))。
Posted by n at 2009-10-10 23:47 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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