ADD, ADHD な人向けの食餌療法というものがある。そこで推奨されている食事は血糖値を上げすぎないようにするものである。これは「低インスリンダイエット」と同じものなのだ。ADD 対策にもなるし,糖尿病も予防できるという一石二鳥な方法である。
ADD 対策の1つに食餌療法がある。ダニエル・G. エイメン「わかっているのにできない」脳〈2〉 に次のように書かれている。
食べ物を薬として役立てるには,たんぱく質,炭水化物,脂質のバランスが大切だ。だが ADD をかかえる人々の場合,単純炭水化物を摂りすぎている人が多い。これでは ADD の症状が悪化するばかりか,身体全体の代謝のバランスまで乱してしまう。
タイプ3 (過集中型) ADD を除けば,ADD の人たちには高タンパク・低炭水化物食が向いている。しかし,ほとんどの人がその正反対の食生活をしているのが現状だろう。
まさにその通り。私の場合,夕食にはほんの一つまみのご飯しか食べないのだが,朝と昼はガッツリ食べる。昼なんかは酷いもので「うどんにご飯」とかやっている。ダメダメである。
ADD に負けない食事のコツは次の通り。
- 1日3食をきちんととるほか,間食も1, 2回とること
- 毎食かかさずたんぱく質をとること
- 複合炭水化物の摂取量を増やすこと
- 果物,ジュースの摂りすぎに気をつけること
- 単純炭水化物は大幅に減らすか,すっぱりやめてしまおう
- オメガ3脂肪酸の摂取量を増やそう
ダニエル・G. エイメン「わかっているのにできない」脳〈2〉 pp. 41-42
エイメン氏の本はアメリカでの食事を中心として書かれているため,お勧めの食材に「七面鳥の肉」などが入ってきており,日本ではなじみがない。やはり日本食にあったものが欲しい。上のコツを見ると,「オメガ3脂肪酸を摂る」以外は,血糖値を急激に上げないための食事になっている。これはすなわち「低インスリン・ダイエット食」でもあるのだ。したがって,日本で ADD な人にお勧めの食事を探すには,ダイエット本を探せばよいことになる。なんだか目的が「美容」になって,本来の目的を見失ってしまいそうだが,仕方がない。
この本の中では,ダイエットについては触れられていないが,インスリン・血糖値・集中力の関係については詳しく書かれている。炭水化物をたらふく食った後の,何をするにも億劫になる,あのけだるさは,実は普通の人より ADD な人の方が何倍にも感じるものなのだ。
低インスリンダイエットは,GI (グリセミック指数 - Wikipedia) 値の低い食事を摂るダイエット法である (低インシュリンダイエット)。
食餌療法の効果がどのくらいで出るのかというと,すぐに出る人もいるようだ。「昼食のメニューを変える→午後の活動が変わる」というのだ (p. 33)。
「これは期待できるかも」と思い,2週間前から「ご飯なし」「パンなし」「おかずのみ」を実践したところ,一種の飢餓状態に陥った (笑)。「飯をよこせぇ」というボクサー力石状態である (あれは水か)。満腹感がないので,味噌汁の煮干も食べずにはいられない。あぁ,食べ物の好き嫌いは食事が満ち足りているから起こることなのかと思ったり。
困るのは主食がないということだ。「今日の朝の主食は納豆」とかになる。昼食は中華料理屋で野菜炒めの単品を食べている。どこの店も,ランチはサービスメニューを用意していて,中華料理屋ではライスその他をつけて単品と同じ値段で出しているのだから,ただ単品を注文するのはかなりの「お損感」がある (「お得感」の反対)。
そこまで頑張ってやってはいるものの,忘れ物はなくならず,うっかりミスは多く,集中力は一向に上がらず,先延ばしは先延ばしのまま,という状態に変わりはない。何かやり方が間違っているのかも知れない。
あ,そういえば,オナラがどんどん出てきて,我慢できなくなった。こっそりすかしっ屁とかして誤魔化してるけど,バレてるかも (泣)。
2010年9月4日追記:
続けてみた結果について書きました (nlog(n): 低インスリンダイエットの欠点はオナラである)。
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