昨日,広尾のチェコセンターで開催されていたヤン・シュヴァンクマイエル展の最終日に行ってきた。
チェコのアニメーション作家であるヤン・シュヴァンクマイエルの展覧会が,広尾にあるチェコセンターで開催されていた。タイトルは「ヤン・シュヴァンクマイエル展〜 夢こそ真 〜」 (ヤン・シュヴァンクマイエル展)。入場無料。
チェコセンターは,チェコ共和国大使館の中にある。チェコ大使館の最寄り駅は,東京メトロ日比谷線広尾駅あるいはJR山手線恵比寿駅である。今回は恵比寿駅から歩いた。
チェコセンターの入口。展覧会は地下1階で開催されていた。
展示室は1室のみで,作品点数は30点ほどだった。
展示されているのは,今夏公開予定の映画「サヴァイヴィング ライフ」に用いられた素材とプロット,それとその素材を使ったコラージュ作品である。映画に使われた素材は1万点以上だという。
写真素材を切り抜いて貼りあわせたり,切り込みの中に別の写真が差し込んであったりする。シュヴァンクマイエルという人は,とにかく手を動かして何かを作る人であるというのが伝わってきた。1つのシーンを作り,組み合わせてできたものから新たなインスピレーションを得る。そこからまた,次のシーンを作っていくということの繰り返しを行っているようだった。もちろん,最初には大きなテーマがあって作り始めるのだろうが,実際の1シーン1シーンは,その場でのアイデアをフルに盛り込み,その作ったシーンが逆にテーマの方に影響を与えていくような作り方をしているように思える。頭に思い描いたシーンを単に実現しているだけではないのだ。
この,思い描いたことを実体化し,実体化されたものをまた考えに反映させるという,相互作用が,年をとっても次々と新しい作品を産み出していくことの原動力になっているのではないかと思えた。(実際にどう作っているのか,このような相互作用があるのかどうかは私の想像である。)
作品「博物誌 (邦題: 自然の歴史 (組曲))」の中で使われたセンザンコウも展示されていた。動画は 自然の歴史(組曲) 1967年/カラー/9分 (改善) ‐ ニコニコ動画(原宿) の 6:00 付近から。
作品の数は少ないものの,映画になると消えてしまう「そこに現実としてある実体」の力強さに触れることができた展覧会だった。
「ピルケ! パドルケ! グワワワワ〜ン」という「ファウスト」の中で道化の人形が唱える呪文を思い出し,それが今も頭の中を回っている。その動画は Faust5 - ニコxxAD の 2:00 付近にある。
Posted by n at 2011-04-02 23:14 | Edit | Comments (2) | Trackback(0)
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ヤン・シュヴァンクマイエルの名を見て、ブラザーズ・クエイを思い浮かべてしまう自分。
Posted by: yanagi at April 06, 2011 10:02yanagi さん
Posted by: n at April 07, 2011 00:16どちらもアニメーション作家ですからね。
ブラザーズ・クエイは一卵性双生児なのだそうです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%82%A4
なぜ「ツインズ・クエイ」と呼ばないのでしょうかね。男の兄弟だということが分からなくなるから?