流れるような調理の動きと,舞い踊るご飯粒の動き。それは流れるのか,止まるのか。ひとつにまとまるのか,それとも分断されるのか。お腹がすいているはずなのに,別のことをつい考えてしまう。そんなボクがいた。
競馬>投資信託 氏との合作。曲の始まりに出てくる流れるようなテーマは,料理人の流れるような動きを表現している。その裏に聞こえるアルペジオは,チャーハンが鍋の中でパラパラと炒められている様子を表している。注目すべきは,この最初のテーマが7拍子+6拍子という構成の変拍子だということである。流れが自然なので,変拍子があまり変態的には感じられない。
小心者のボクはラーメン屋でチャーハンを注文してから,厨房の中で料理ができていく様子をドキドキしながら見ている。ここで,ボクは小心者だからチャーハンを注文してしまうのではない。チャーハンを注文するのだが,小心者なのでドキドキしてしまうのだ。
中華料理屋にチャーハンはつきものだが,ラーメン屋のチャーハンというのはどうなんだろうか。「ラーメン屋のカレー」ほど邪道ではないとしても,看板が「ラーメン屋」である以上,売りはラーメンなのである。そこであえてチャーハンを注文する理由は何なのだろうか。しかもまたときどきは中華丼を注文してしまう。そこまでラーメンが嫌いなのか。そんなことを考え始めると,お腹がすいているはずなのに,不安になってくる。ここで現れる短調への転調は,その不安な思いを表している。本当に空腹なのかよく分からなくなるが,そこで出来たてのチャーハンが目の前に置かれると,妙な考えは消し飛んでしまう。やはり妄想よりも現実のモノの魅力方が強力なのだ。チャーハンを食べながら,母ちゃんと犬のことをふと考える。そんな日常を描写した作品である。
今聞き返してみると,ギターの演奏はしっかりしているが,バイオリンと歌がひどい。バイオリンは上達途中なのに,アドリブで入れているからだ。歌も,歌詞は作っておくがメロディーはアドリブ。何事でもしっかりした練習が必要だということが痛感できる作品。それでも公開してしまうところがいいところ (でもあり悪いところでもある)。
ギターのアルペジオは,作ったはいいが難しすぎて,何度も間違えたため,録音のし直しを繰り返すことになった。ギターをしっかり弾きたい割には,バイオリンはどうでもよかったということである。これは,チャーハンが食べたいだけでラーメンはどうでもよかったということを表して…そこまで考えちゃいない。
Posted by n at 2011-08-01 23:47 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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