英語の達人は,英文を読むとき,英会話を聴くとき,返り読みをせずに文の頭から理解せよ言う。それは,全米ナンバーワンが何のナンバーワンかを特定することに似ている。
今回の話題は「英文を文頭から理解する」である。3年前,同じテーマで記事を書いている (nlog(n): 英文を文頭から理解するという感覚)。そのときの結論としては「単に慣れの問題」であった。英語の語順に長時間接することにより,次第に慣れ,違和感なく受け入れることができ,日本語の語順にあうような「返り読み」をしなくなるというものだった。
それから3年,英文の音読と暗唱を続けた結果,返り読みの必要性を感じなくなるところまでになった。「達成した」ではなく,「いつの間にかそうなっていた」という感じである。
さて,現在の感覚で「英文を文頭から理解する」を表現すると,「全米ナンバーワン」に近い。といっても,実は,記事タイトルは日本語がおかしい。日本語がおかしいといえば,徒然チルドレン ... のパトリシアである (原作,ボイスドラマ) である。
何が「全米ナンバーワン」かといえば,まず,映画の全米ナンバーワンが何度でも出続ける理由について知る必要がある。
日本で配給される外国映画は毎年約100本以上。映画のポスターや新聞広告で「全米No.1」というコピーをよく目にします。全米で大人気なのだから面白いに違いない! と期待が高まります。
ところでこのNo.1、何の1位でしょう?
実は、観客動員数や興行収入ランキングで瞬間的に1位であれば何でもNo.1と表現しています。例えば公開初日だけ動員数が1番で、翌週は人気映画が公開されてスカスカ状態…それでも映画配給会社は全米No.1を堂々と掲げます。
つまり,「全米ナンバーワン」といっても,何の一位であるのかは様々というわけで,正確に言うなら「全米ナンバーワン,ただし以下の条件で」というただし書きが必要になる。このただし書きを追加していくと英語の語順になるということである。
たとえば,
「全米ナンバーワンの映画なんですよ」
「何のナンバーワン?」→「興行収入の」
「どの時点の?」→「公開から1週間の」
「どの映画とくらべて?」→「現在公開中の映画の中で」
のように,全米ナンバーワンといってもいろいろなので,どういうナンバーワンかを特定するために後ろにずらずらと続くのである。そして「しっかりと特定されたとき」に,文も終了するのである。大風呂敷を広げた後で,その風呂敷の範囲を狭めていき,最終的にピンポイントに特定されたときに文も終了する。範囲を徐々に狭くしていく方法については以前記事にしたとおりである (nlog(n): 英語のここが分からない - 範囲の狭め方)。
「英語では同じ表現の繰り返しを嫌う」ということがあるが,その原因は,「ピンポイントで特定しようとすると,毎回同じ条件を追加しなければならない」ことにある。毎回言わなければならないので,同じ表現の繰り返しになってしまい,退屈になる。そこで,何とか別の表現を探そうとするのである。つまり,「繰り返しを嫌う」の根本原因は,「繰り返しが多くなってしまう」からなのである。
Posted by n at 2014-03-03 23:52 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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