日本酒を選ぶとき,ラベルに書いてあることをよく見る必要がある。しかし,ラベルにはそれほど重要でない情報も含まれていることがしばしばある。
安くて美味しい日本酒を探すのは楽しい。一升で3000円前後の価格帯が手頃。どの日本酒を選んでいいのか分からない場合は,ひとまず「純米」と「生」と表示されているものにしてみるとよい。「純米酒」は「醸造アルコールが入っていない」という意味で,「生詰」は「火入れしていない」という意味である。それでも選択肢が多くて絞り切れない場合は「純米無濾過生原酒」にしてみるとよい。きっと自分に合うお酒が見つかる。
いったん自分が気に入ったお酒が見つかったら,それを基準にして「同じ酒蔵」「同じ地方」「酵母が同じ」「お米が同じ」な違うお酒を探していくことができる。「限定」などはあまり意味がないので気にしなくてよい。少しずつ範囲を広げていくと,「醸造アルコール」が入っているのに美味しいとか,「火入れ」してあるのに美味しいお酒と出遭うこともある。
日本酒を飲んでいて分かってきたのは,年によって味が違うということである。去年は美味しかったのに今年はイマイチということがある。7, 8年前は「星自慢」というお酒がとても良かったが (nlog(n): お猪口2杯の晩酌),それから味が落ちてしまった。最近は酒屋で見かけなくなってしまったが,頑張って欲しいものである。
もうひとつは,お酒の栓を抜いてから日が経つにつれて味が変わってくることである。私は,開栓直後よりも一週間くらい経った頃からの落ち着いてきた味が好きである。また,味で言えば「純米大吟醸酒」よりも「純米酒」の方が好きなのだが,最近は純米大吟醸ばかりになってしまった。
さて,今回初めて試したお酒は,栃木は島崎酒造の極一滴雫酒というお酒である。ラベルに修飾語が多くて笑った。以下に一覧にするカッコ内は注釈である。
それぞれには基本的に意味があるのだが,あまり意味のないものも混じっていて混乱する。「特別限定」「入魂」「しぼりたて」には意味がない。少しは意味があるがそれほどでもないのは「おり絡み」「袋吊り」「無濾過」である。逆に「東力士」というブランド名が小さくしか書いてなく,裏のラベルには表記がないというのが不思議。「極一滴雫酒」は「東力士」の中の一銘柄という位置づけなのに…。
さて,肝心のお味はというと,少し発泡していて,ツンツンした刺激が舌に刺さって最初の頃は味が分からなかった。「入魂」よりは「微発泡」という文言を入れておいた方がいいんじゃなかろうかというくらいな感じである。そしてこの「微発泡」には味以外にも悩まされた。線が飛ぶのである。最初の開栓のときに「シュポッ」といって栓が抜けたと同時に中から泡が湧き上がってきてコップに注ぐ前にかなりこぼれてしまった。それから発泡を落ち着かせようと思い,常温で置いておいたら「バンッ」といって栓が天井を直撃した。その後,そっと横に寝かせて冷蔵庫に入れておいたら,翌日は栓が半抜け状態になっていて冷蔵庫の中でお酒がダダ漏れしていた。発泡性の日本酒は縦置きができる冷蔵庫がよい。しかし,普通の家庭にはないよなぁ。炭酸が抜けてからの味は悪くなかったが,冷蔵庫問題を考えると,もう一度トライするのには躊躇してしまうのである。
Posted by n at 2014-06-01 21:39 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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