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ここ数年続いている体と心の不調は，もしかすると更年期が原因なのかも知れない。

最近，自分の人生も黄昏時{たそがれどき}に突入した感がある。もう終盤戦に突入。何も成し遂げられていないまま終了というのも寂しい。いやいや，黄昏といえばトワイライトゾーンじゃないか。ホラーが好きなのだし，むしろ喜ばしいことではないか。あら，なんだか無茶苦茶で支離滅裂。男の更年期障害なんじゃなかろうか。

それでも現時点で精神的には回復してきている。一番ダメでとても憂鬱だったのは，桜の花に何も感じなくなっていた時期だった。それは2010年のことだったから，もう5年になる。その頃にくらべれば今はずっとよい。今年の桜はいくらかは美しく見えた。そして毎年思うのだ。桜たちよ，お前は偉いな，毎年これだけの花を咲かせるのだから。歳をとるほどたくさん花を咲かせるというのはどういうわけなのだ。こちとら年輪を重ねれば重ねるだけ衰えていくというのに。…結局，目では桜を見ているのに，精神的には自分自身を見つめてしまうことになって，自責の念に駆られるのだ。自分の人生，自慢できることを何かひとつでもしてきたのだろうか。

肉体的な変調としては，首から肩にかけてが不思議といつも火照っている状態になることが多く今も続いている。冬になると外から帰ってくると冷たい手を首に当てて冷やすということをやるようになる。そうすれば首は冷えるし，手は温まって一石二鳥。あれだけ余っていた性欲も，今はかなり減退していて，オカズを求めて夜な夜なネットの海を彷徨するということも少なくなった。しばらくやっていた夜のジョギングもやめてしまった。走るのをやめたのは，体力的に続かなかったからではなく，子供に絵本の読み聞かせをしているからであるが，走らなくなった分の体力はもちろん落ちているだろう。更年期後半になると，体のそこここにガタがくる (目，前立腺，大腸，胃)。

体力もない，感動もない，という抜け殻のような状態で，思い出すのは昔のことばかり。あの頃はあんな女性やこんな女性とつきあって色々あったとか。そして酷いことを言って傷つけたりしたとか，いや本当に申し訳ないことをした。

とは言いながらも，これからでも女性と恋愛したりすればあの頃の感覚が戻ってくるのではないかと思うことがある。歳をとってから浮気に走る男性というのは，こういう心理状態なんじゃなかろうか。老い先短い人生を思えば，多少のリスクはなんのその。自分の人生，作るも自由，壊すも自由である。そうは言っても，自分を冷静に見てみれば，金もないし，見てくれも悪いし，口下手，ときたら女性がひっかかる要素が何もないではないか。もうこの際 JK じゃなくてもいいからお付き合いしたい。JD でも OL でも DN でもいいし，TU でもいいや。JD は女子大生，OL は女性会社員，DN は同年代，TU は年上ね。略称は今テキトーに作ったんだけども。

だいたい，今まで生きてきて，女性関係に潔癖すぎた。聖人君主でもないのに，それっぽく振舞いすぎた。うら若き独身女性や人妻からの誘惑もことごとく断ってきてしまったのは，やはりもったいなかったのではないか。一般常識的にはそれが普通なわけなのだが，そのまま流されてみてもよかったのかも知れない。だからと言って，今からでは流されるような流れがそもそも見つからない。追いかければ逃げていくものさ。とすれば，ここは無理してでも金にものを言わせてしつこく迫るオッサンになりきるしかない。ああ，これもよく聞く「嫌われる中年男性」のパターンだ。思うに，そうなる中年男性は「別に嫌われたって構わない」と思っているに違いないのだ。若い頃は「他人に好かれる，特に女性に好かれる」ということが第一命題だけれども，歳をとってしまえば，嫌われてもいいのだ。好かれるに越したことはないけれども，嫌う姿にも生き生きした反応が読み取れるからだ。

胸の中にそんな爆弾ができれば，これからの人生は HHDD (ハラハラドキドキ) いけるんじゃなかろうか。これで更年期障害も克服だ! (空元気はつらいものがあるな)

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