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HardwarePhoto デジカメ Casio EX-ZR850 購入

カシオのコンパクトデジタルカメラ EX-ZR850 を購入した。

■ ■ ■

Casio EX-ZR850

愛用のコンパクトデジカメ Ricoh CX-3 に若干問題が出てきたため (nlog(n): デジカメのレンズのゴミを掃除機で吸い取る方法はオススメできない),新しいカメラを探すことにした。主な用途は日常生活のスナップショットで,要件としては,食事を撮るのでマクロに強く,スマホに画像転送の機能があり,起動から撮影までの時間が短くてお手軽であるということに設定した。Casio EX-ZR850 がよさそうなのでこれを購入。これまでに購入したカシオのカメラとしては3台目。1台目は EX-Z3 (nlog(n): 覗き窓がポロリ),2台目は EX-S500 だった (nlog(n): デジカメをまた修理した)。EX-Z3 と EX-S500 にはバッテリーの互換性があったが,EX-ZR850 は容量が大きいため互換性はない。

いいところ

フラッシュが開閉式

フラッシュが開閉式なのはよい。フラッシュのフタは物理スイッチになっていて,フタを開かなければフラッシュが光ることはない。意図せずにフラッシュを焚いてしまうという事故が起こらない。

プレミアムオートが便利

普通のスナップショットであれば,ほとんど「プレミアムオート PRO」モードで済んでしまう。「プレミアムオート PRO」モードは物理ダイアルでセットする。カシオが昔から用意している「ベストショット (BS) 」を使う機会が激減した。物理ダイアルでは,この他に「P: プログラムオート」,「A: 絞り優先」,「S: シャッター速度優先」,「M: マニュアル露出」モードがあるが,使う機会が今のところない。

アートモードにバリエーションが増えた

アートモードとは,オリジナルの画像にフィルタ加工などをすることで,アートっぽい写真にする撮影モードのことである。Casio EX-S500 に用意されていたアートモードは,モノクロ,セピア,ミニチュアくらいだったが,EX-ZR850 では,これらに加えて,HDR,トイカメラ,フィッシュアイ,宙玉{そらたま}モードなどが用意されている。以前,PC で加工して HDR 風の画像を作ったことがあったが (nlog(n): フリーソフトで擬似 HDRI),これがお手軽にカメラで作れてしまう。

よくないところ

水平に無頓着

EX-ZR850 には水準器がついていない。思い起こせば,これまでに使ったことのあるカシオのデジカメには水準器がついているものはなかった。CX-3 にはついていたので,撮影するときに便利で,常に気にする習慣もついていた。水平を保つのが習慣化されていると,水準器がないと不安になる。わざと斜めにして撮るのはありだが,微妙に傾いている画像は見苦しいものである。

Casio EX-ZR850 の底面
Casio EX-ZR850 の底面


カメラの底面には三脚に取りつけるためのネジ穴が空いているが,このネジ穴の位置がおかしい。端にあるのだ。本体はある程度の重さがあって,これを三脚の雲台に固定するためのネジ穴なので,普通は中央にあるものだ。しかしこのカメラは一番端にある。ただ,設計者の身になって考えれば分からなくもない。直径の大きいレンズと,大きいバッテリーを並べなければならず,しかも本体を小さくするのが要件で,バッテリーの形が四角いと決まっているなら,丸いレンズの脇にネジ穴を配置する必要がある。レンズのどちらの脇にするかを考えて,「何もない」側のカメラの端になったのだと思われる。レンズとバッテリーの間は,バッテリーと SD カードのための蓋の蝶番{ちょうつがい}がついている。

カシオはカメラを水平に保つことにあまり興味がないらしい。

画像の向きが横になることがある

水平問題に近い問題に,写真を撮ると画像の向きが横になったり逆さになったりすることがある。普通にカメラを縦に持って写すときには問題がないが,カメラのレンズを斜め下向きにして上から撮影したときに,保存された画像を確認すると横になっていたりするのだ。カメラについている画像を回転させて表示させる機能を使えばいいのだが,いちいち操作するのは面倒だし,もともとの精度がもう少しよくてもいいのではないか。

歪み補正がない

イケてないところの2つ目は,歪み補正がないところである。よく言えば,レンズに写った「そのまんま」である。画像の四隅が,端に近くなるほど歪む。大人数の全体写真を撮ると,右上や左上に顔がある人は,顔が隅に引っ張られるように歪んでしまう。だから,全体写真の人たちをできるだけ大きく写すのか,歪みがないように小さめに撮るのか迷うことになる。

AF 補助光は BS のモード切替でリセットされる

被写体が暗いところにあるとき,オートフォーカスのための補助光が出て,被写体との距離を測定する。正確な距離がわかればピント合わせができるため必要な機能なのだが,人の顔に向けた時にこれが光るのは好ましくない。この「AF 補助光」は設定で「入・切」の切り替えができるのだが,ベストショット (BS) の各モードでは,「入」でプリセットされているため,モードを切り替えた場合はその度に設定で「切」にしてやる必要がある。同じ BS のモードであっても,一旦電源を切ってから入れ直すとまた「入」になっている。プリセットはあくまでプリセットなのである。「入・切」の切り替え手順は面倒なのだが,仕様なので仕方がない。回避するには,BS の中に「カスタムショット」を登録してやることである。BS の好きなモードを選び,「AF 補助光を切」で撮影し,その写真を使って登録すればよい。

それらしい Wi-Fi アプリが2つある

EX-ZR850 に iPhone で Wi-Fi 接続する場合,iPhone にアプリをインストールする必要がある。問題は,カシオから似たようなアプリが2種類リリースされていて,それの片方しか EX-ZR850 に対応していないことである。

Exilim Connect と Exilim Remote
Exilim Connect と Exilim Remote


似たアプリとは「EXILIM Remote」と「EXILIM Connect」である。EX-ZR850 に使えるのは EXILIM Remote のみ。EXILIM Connect は,Bluetooth 搭載のカメラ専用になる。開発部隊た違うのかも知れないが,紛らわしいし,機能としては大きな違いはないので統一すべき。

Wi-Fi 画像転送は欲しい機能だが面倒

EX-ZR850 には Wi-Fi でスマホに画像を転送したり,スマホからカメラの画像を見たりすることができる。普段はデジカメで写真を撮って,必要なものだけスマホに送りたいときにぜひ欲しい機能である。動作としては,EX-ZR850 がアクセスポイントになるというもので,手順は,カメラの「MENU」ボタンを押して「スマートフォンへ送る」を選ぶと EX-ZR850 が Wi-Fi のアクセスポイントになるので,スマホの設定からそのアクセスポイントを選んでに接続し,その後に「EXILIM Remote」アプリを起動することになる。これが面倒! スマホでインターネット接続に Wi-Fi を使っているときは,その接続をいったん切って,カメラに切り替える必要があるからである。これを考えると Bluetooth 機能があるカメラは魅力的に思える。

撮影例

月が綺麗に撮れる

2015年9月27日は中秋の名月だということで,お月さまを撮影してみることにした。三脚に設置し,セルフタイマーで撮影した。セルフタイマーにしたのは,シャッターボタンを押したときにカメラが揺れるのを避けるためである。撮影モードはベストショットの「キャンドルモード」である。

光学ズーム最大18倍
光学ズーム最大18倍


光学ズームの最大である 18 倍で撮影。オリジナルサイズは 4608x3456 だが 800x600 に縮小してある。光学 18 倍だと月がスポット的に明るいため普通は白飛び気味になるのだが,十分鮮明に撮影できている。

デジタルズームを含む最大36倍
デジタルズームを含む最大36倍


上の画像は,光学ズームにデジタルズームを加えて最大の 36 倍にしたものである。月がかなり大きく撮れる。月面の細部が鮮明に表示されている。上の例ではベストショット「キャンドル」のプリセット値のままで,絞り等の設定変更はしていない。デジタルズームの画像の出来はカメラ内部のエンジン部分に依存する。デジタルズームの利点は,拡大することで,被写体に合ったピントや絞りが設定されることにある。

まとめ

カメラの性能としてはまあまあか。スマホで Wi-Fi を切り替えてから転送するのは面倒。水準器が欲しい。Wi-Fi で操作できるアプリには,時刻合わせや自撮り用シャッターの機能が欲しいところだ。スマホ用アプリ EXILIM Remote と EXILIM Connect は統一すべき。

Posted by n at 2015-09-27 21:22 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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