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Mac Inkscape で EqTeXSVG を使う

Mac の Inkscape で EqTeXSVG を使うために必要な環境設定を行う。pstoedit とライブラリのインストールを行い,パスの設定を行う。

■ ■ ■

EqTeXSVG は Inkscape で TeX の数式を入力するためのエクステンションである (EqTeXSVG - LATEX Inkscape Extension - JµL!eN's Website)。

Mac の TeX 環境については,TeX といえば必ずお世話になる Mac - TeX Wiki が詳しい。Mac 用の TeX ディストリビューションにはいくつか種類があるが,ここでは MacTeX を使う。MacTeX - TeX Users Group からインストールできる。MacTeX は TeX Live をベースにしたディストリビューションで,EqTeXSVG の動作に必要なコマンド類のうち,dvisvgm, dvips, latex は含まれている。残るは pstoedit だけである。

動作環境

動作環境は Mac OS X 10.11.3 El Capitan, MacPorts 2.3.4, XQuartz 2.7.8, Inkscape (アプリ版 0.48.5) (MacPorts 版 0.91), MacTeX 20150613, pstoedit 3.70 である。

pstoedit のインストール

pstoedit を MacPorts でインストールする。

$ sudo port install pstoedit

Inkscape を起動して,「エクステンション」→「レンダリング」→「LaTeX formula...」 (英語版なら「Extensions」→「Render」→「LaTeX formula...」) が表示されればよい。

アプリ版 Inkscape で使えないとき

アプリ版 Inkscape 0.48.5 を Finder の GUI から起動しても,「エクステンション」→「レンダリング」の中に「LaTeX formula...」が出てこない。これは pstoedit, dvisvgm, dvips, latex にパスが通っていないのが原因である。pstoedit は /opt/local/bin ディレクトリに,その他の LaTeX 関係のコマンドは /Library/TeX/texbin ディレクトリにインストールされているので,これらのパスを通してやればよい。

アプリ版 Inkscape のパスは起動スクリプト /Applications/Inkscape.app/Contents/Resources/bin/inkscape で設定されているので (nlog(n): MacOS X のパス設定はどうなっているのか),これを編集する。

Finder で「アプリケーション」内の Inkscape を「control」+「クリック」し,「パッケージの内容を表示」を選択。inkscape までたどってエディタで編集する。

# export PATH="/usr/texbin:/opt/local/bin:/sw/bin/:/Library/Frameworks/Python.framework/Versions/Current/bin:/usr/local/bin:$CWD:$PATH"
export PATH="/Library/TeX/texbin:/opt/local/bin:/sw/bin/:/Library/Frameworks/Python.framework/Versions/Current/bin:/usr/local/bin:$CWD:$PATH"

上の行が元のパス設定。TeX ディレクトリが古いので,下の行のように書き換える。/opt/local/bin にはパスが通っているので問題なし。

Inkscape を再起動して動作確認をする。

動作がおかしい時は,最新版を GitHub - julienvitard/eqtexsvg: Convert an inline LATEX equation into SVG path using Python for Inkscape からダウンロードし,/Applications/Inkscape.app/Contents/Resources/extensions にコピーする。

MacPorts 版 Inkscape で使えないとき

「LaTeX formula...」を選択して実行すると,次のエラーが出ることがある。

Inkscape-error-lxml.gif
Inkscape-error-lxml.gif


Inkscape のエラー

Inkscape は、実行したスクリプトから追加データを受け取りました。スクリプトはエラーを返しませんでしたが、実行結果が意図しないものになっていることを示唆している可能性があります。

The fantastic lxml wrapper for libxml2 is required by inkex.py and therefore this extension. Please download and install the latest version from http://cheeseshop.python.org/pypi/lxml/, or install it through your package manager by a command like: sudo apt-get install python-lxml

これは lxml がないことを言っているが,libxml2 と libxslt もなかったりする。どちらも MacPorts でインストールできる。

$ sudo port install libxml2 libxslt

lxml は Python のツールなので,pip でインストールしてもよいが,MacPorts でもいける (Installing lxml)。

$ sudo port install py27-lxml

動作がおかしい場合は,最新の eqtexsvg.inx と eqtexsvg.py を /opt/local/share/inkscape/extensions にコピーすればよい。

バックスラッシュ「\」が入力できない

Windows では,円記号「¥」とバックスラッシュ記号「\」は表記が違うだけで内部コードは同じだが,Mac では違う内部コードが割り当てられている (バックスラッシュ - Wikipedia)。Inkscape では,円記号とバックスラッシュ記号は区別されており,TeX のエスケープ文字はバックスラッシュを使わなければならない。Mac のキーボードでは「¥」を押すと円記号が入力され,「alt」+「¥」でバックスラッシュ記号「\」が入力できる。

この方法で上手く入力できないときは,Karabiner - OS X用のソフトウェア を使ってキーの割り当てを変更すれば可能になる。

Posted by n at 2016-02-10 20:54 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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