銀行で外貨運用を勧められたが,手数料が無視できないため見送りにした。
失くした通帳が見つかったので (nlog(n): 失くしたカバンが見つかった),止めていた銀行口座を復活させている。しかしこれが大変。止めるのは電話一発だが,再開は窓口に行って書類を提出しなければならず,これが予想以上に手間がかかるのである。長いところでは半日近くかかるため,1日休暇をとっても銀行を2つ回るのがせいぜいという感じ。もうヘトヘト。
通帳の再発見手続きには時間がかかる。三井住友銀行で手続きをしたとき,待ち時間に「資産運用のご説明はいかがでしょうか」と聞かれたので,ぼんやり待っているよりはと思って話だけでも聞いてみることにした。
実は,いくらか預けているものの,この口座に関しては出し入れを全くしていないのである。そこに目をつけて「このまま置いておくのでも問題ありませんが,ただいまキャンペーンを行っておりますので,この機会に資産運用をしてみてはいかがでしょうか」とお誘いしてきたのである。
三井住友銀行では,2月15日まで「冬の外貨運用応援キャンペーン」を行っている。対象の外貨は米ドルと豪ドルである。例えば,豪ドルだとキャンペーン特典の一番目は次になる。
豪ドル
初回特別金利 1ヵ月もの 年12.0% (税引後 年9.5622%)
お申込金額 1万豪ドル以上300万豪ドル以内
〈初回満期までお預入時のお利息 (税引後) 計算例 (概算)〉
1ヵ月: 1万豪ドル×9.5622% (税引後) ×30/365日=78.59豪ドル
年12.0% の利息がつくというのは魅力的だが,これは1か月間のみである。現在のレートは「1豪ドル=85円」なので,1万豪ドルは85万円ほどである。1か月の利息は6700円。なかなかよい。しかし,2か月目以降の金利は店頭金利となる。注意書きは次の通り。
パーソナル外貨定期預金(自動継続)の場合、満期後(1ヵ月後)は、満期日当日の1ヵ月ものの店頭金利にて継続されます。2015年10月29日現在の10万米ドル相当額未満のパーソナル外貨定期預金の店頭金利は米ドル1ヵ月もの年0.01%(税引前)、豪ドル1ヵ月もの年0.50%(税引前)です。
ということで,税引前は年0.50%,税引後は年約0.4% になる。1か月分の利息を上の計算式で出すと,1万豪ドル×0.4% (税引後) ×30/365日=3.29豪ドルだから,280円ということになる。
外貨運用で注意しなければならないのは,為替手数料がかかることである。円から豪ドルに替えるときと,豪ドルから円に替えるときに,それぞれ手数料がかかるのである。通常の店頭の為替手数料は「1豪ドルあたり2.5円」。つまり,豪ドルにして預けてから戻すと,何もしなくても往復で1豪ドルあたり5円かかってしまうのである。
「冬の外貨運用応援キャンペーン」の特典の二番目は,円から豪ドルにするための手数料が半額の1.25円になるのである。
1万豪ドル: A$ 10,000×1.25円=12,500円
ただし,豪ドルから円にする場合の手数料は通常通りだそうで,25,000円ということになる。合計すると往復の手数料は37,500円。となって結構な金額になる。
現在と為替レートと金利が変わらないと仮定した時,利息が手数料を超えるのはいつになるのだろうか。
85万円で1万豪ドル預けた場合,手数料は往復で37,500円。利息は,最初の1か月が6700円で,2か月目以降が280円ということで,□か月後に超えるとすれば,6700+280×□=37,500となるから,110か月後ということで,約9年と出た。9年か… (遠い目)。
計算に自信が持てなかったので,担当してくれた綺麗なおねえさんに「これで合ってますか?」と聞いたところ,大体合ってるということだったので,誘われて「外貨預金の口座は開いてしまったものの (w)」運用は見送りにしたのであった。
銀行はお金を出し入れして欲しいと言ってくる。外貨運用で出し入れすると為替レートで元本割れするリスクの他に,往復それぞれで確実に手数料がかかるので注意しよう。気になるときは,運用することを想定して金額を入れて計算すると実感が湧く。外貨運用するなら,すごい円高のときに預けて,すごい円安のときに引き出すしかないと思う (為替レートが5円上がってもトントンなのでそれ以上)。
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957