hi-ho はメールを送受信する場合の規制が厳しい。自宅サーバの独自ドメインからメールを出せるように Postfix の設定を行う。ただし,メールヘッダには hi-ho のメールアドレスが埋め込まれる。
昨年から,自宅サーバのインターネット回線に hi-ho を使っている (nlog(n): 自宅 ADSL のプロバイダ乗り換え手続き (Nexyz.BB → hi-ho))。hi-ho は,今まで使ったプロバイダの中でメール送受信をする際の規制が厳しい。メールを送信する場合に設定が必要なのは次の3点である。
どれも hi-ho ドメイン内から迷惑メールを発信させないようにするのが目的である。サブミッションポートは,OP25B (Outbound Port 25 Blocking) という対策の一環で設けられているポートのことで,最近では一般的なものになっている。So-net や Nexyz.BB でも行われていたので,サーバに設定を行った (nlog(n): 自宅サーバで Outbound Port 25 Blocking 対策,nlog(n): 自宅サーバからプロバイダのサブミッションポートを使ってメールを送信する)。SMTP 認証も一般的だろう。
これに加えて,hi-ho では envelope-from と SMTP 認証の ID を一致させることが必須となっている (差出元アドレスをhi-hoメール以外のアドレスで利用したい|全般|メールサービスについて|メールサービス|Q&A|会員サポートhi-ho)。基本的に,メールシステムにおいてはメールアドレスに何を書いてもよいのだが,それだと誰から発信されたのかがすぐには分からない。配信時刻追えばサーバのログから誰から発信されたのかが分かるが手間がかかる。そこで,hi-ho では envelope-from を必須にしている。envelope は封筒の意味であるから,例えて言うなら,手紙の中には「From 誰々」が書いてあるがこれは無視して,手紙を封筒に入れ,封筒には差出人は正しい hi-ho のメールアドレスを書く必要があるということである。
問題は,envelope-from はメールのヘッダに残るので,送った相手がヘッダをよく見れば,プロバイダに hi-ho を使っていて,そのメールアドレスが何なのかも分かってしまうということである。仕方のないことではあるが,嫌な人には嫌だろうし,私も嫌である。
以下では,嫌かどうかは別の議論として,自宅サーバから hi-ho のメールサーバを経由してメールを外部に出せるように,自宅サーバの設定を行う。
動作環境は,Vine Linux 6.3, Postfix 2.8.10, インターネットサービスプロバイダ hi-ho である。
メール送信のサブミッションポートと SMTP 認証の設定は,以前と同様である (nlog(n): 自宅サーバからプロバイダのサブミッションポートを使ってメールを送信する)。hi-ho の SMTP サーバは smtp.hi-ho.ne.jp で,ポート番号は 587 だから (メールサーバーは何を設定すればいいですか?|全般|メールサービスについて|メールサービス|Q&A|会員サポートhi-ho),/etc/postfix/main.cf には次のように書いておく。
/etc/postfix/authinfo には,認証に必要なアカウント名とパスワードを設定しておき (username と password は自分のものを入力),
書き込んだらデータベースを作っておく。
これで完了である。
Postfix で envelope-from を設定するということは,envelope_sender を書き換えるということ意味する。/etc/postfix/main.cf には次のように書いておく。
canonical_classes はヘッダのどの部分を書き換えるかの指定で,複数のクラスを書くことができる。ここでは envelope_sender のみを指定している。書き換えのルールは /etc/postfix/canonical.regexp に正規表現を使って設定してあることを記述している。
/etc/postfix/canonical.regexp の内容は次の通り (username は自分のものを使う)。
行頭から行末までのひと続きの文字列を username@sky.hi-ho.ne.jp に書き換えるという意味である。ファイルを保存したらデータベースを作成する。
この時,canonical.regexp には regexp: をつけない。これで完了である。
ブログデータベースのバックアップを mysqldump2email を使って Gmail に送ったときのヘッダは次の通りである。発信は n@nlogn.ath.cx,宛先は username@gmail.com であるが,ヘッダに username@sky.hi-ho.ne.jp が残っている。
メールのヘッダは,サーバを経由する度にメールの前に前にと追加されるので,時系列的には下から上に向かって読んでいくことになる。メールが発信された後,自宅の Postfix である mail.nlogn.ath.cx が受け取って,mbox.mose-mail.jp に送り認証してエンベロープを確認した後,mx.google.com に送っている。
3月1日の 2:30 に発信したメールが2月29日の 9:35 に届いているのは,標準時が JST から PST になっているからである。
Posted by n at 2016-03-13 22:01 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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