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misc 5月7日といえば V7 の和音

5月7日と言えば縮めて五七。五七と言えば属七の和音である。

■ ■ ■

一昨年,2014年に電子ピアノを購入し,娘がピアノを習いに行き始めた (nlog(n): 電子ピアノ PX-750 購入)。

ピアノの先生の採用しているメソッドでは,I→V7→I の和音の流れを,すべての調で徹底的にやることになっている。和音はそれぞれ,I (いちの和音),V7 (ごしちの和音) と呼んでいる。今日は5月7日。「ごしち」である。

ここで「ごしち」と呼んでいる,V7 は「属七の和音」と呼ばれる和音である。移動ドの場合,どの調であっても I の和音は「ド・ミ・ソ」である。V の和音は「ド」から五度上がった「ソ」からスタートする「ソ・シ・レ」であり,V7 の和音は「ソ」の七度上の音を足した「ソ・シ・レ・ファ」になるが,多くの場合は転回させてさらに「レ」を除いた「シ・ファ・ソ」が用いられる。したがって,I→V7→I のカデンツは「ド・ミ・ソ」→「シ・ファ・ソ」→「ド・ミ・ソ」になる。

先日,子供のレッスンの本を見てみたら,フラットやシャープが沢山ついていて驚いた。シャープが5つでBメジャー,フラット6つでG♭メジャーなんかが普通に出てくる。それで,「ぜんぶのちょうでやるんだよ」だって。つまり12個の調である。なんかもう,お父さんの知らないところまで行ってしまったんだね。

最近は短調の練習をしている。レッスンの本を見てみたら,こんなことが書いてあった。

マイナー (短調) の調名には,D♭ マイナー (変ニ短調),G♭ マイナー (変ト短調),A♭ マイナー (変イ短調) がありません。D♭ マイナーは C♯ マイナー (嬰ハ短調),G♭ マイナーは F♯ マイナー (嬰ヘ短調),A♭ マイナーは G♯ マイナー (嬰ト短調) になり,シャープの音名を使う調名になります。

木村 美江「子どものピアノメソッド 基本編(4)」エー・ティ・エヌ p. 58

なんですと!? さかなくんでなくても「ぎょぎょぎょ〜」ってなった。難しいことやってんな。その理由を探すために一覧表を作ってみることにした。

まとめたものが以下の表である。左の列は「♯」と「♭」の個数を表している。シャープ5個とフラット7個は同じ調になることなどを読み取ることができる。理屈の上では,どちらも12個まで書くことができるが,8個以上は同じ音に記号が重なってしまい,その結果ダブルシャープやダブルフラットが出てくるため現実的ではない。その横の列は,順に「英語」「ドイツ語」「日本語」での調の名前である。あまり一般的でない呼び名を括弧の中に入れた。



major
Dur
長調
minor
Moll
短調
0
0
C
C

A
a

1
(11)
G
G

E (F♭) e

2
(10)
D
D

B (C♭) h

3
(9)
A
A

F♯ (G♭) fis
嬰ヘ (変ト)
4
(8)
E (F♭) E

C♯ (D♭) cis
嬰ハ (変ニ)
5
7
B (C♭) H (Ces)
ロ (変ハ)
G♯ (A♭) gis (as)
嬰ト (変イ)
6
6
F♯ (G♭) Fis (Ges)
嬰ヘ (変ト)
(D♯) E♭ (dis) es
(嬰ニ) 変ホ
7
5
(C♯) D♭ (Cis) Des
(嬰ハ) 変ニ
(A♯) B♭ (ais) b
(嬰イ) 変ロ
(8)
4
(G♯) A♭ As
変イ
(E♯) F
f

(9)
3
(D♯) E♭ Es
変ホ
(B♯) C
c

(10)
2
(A♯) B♭ B
変ロ
G
g

(11)
1
(E♯) F
F

D
d

テキストの「ありません」というのは,上の表の赤字の部分である。

さて,ではシャープを12個書くとどうなるのか? ハ長調に戻る。だが,「ド」が「B」で書かれ,「レ」が「C」で書かれるというように,すべてが半音下か一音下の音で書かれる変態楽譜になる。しかも臨時記号なしで!!

地道に表をつくったのに,ほとんど同じのがあるじゃん! (五度圏 - Wikipedia) ここは自分で「ぎゃふん!」と言ってみるしかないな。

それにしても,西洋の楽譜はシステマティックに上手いことできているものだなと感心する。

Posted by n at 2016-05-07 23:29 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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