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Mac Mac の Time Machine 用ハードディスクを DS216j に接続して移行する

Mac に接続していた外付けハードディスクを NAS に接続し,Wi-Fi 経由で Time Machine バックアップができるように設定する。

■ ■ ■

はじめに

今までは,3TB の外付けハードディスクを使い,USB で直接 Mac に接続してバックアップを行っていた。Mac のバックアップシステムは Time Machine というもので,とてもよくできている。過去の状態に戻ることができるので「タイムマシン」という名前なのだろう。バックアップを意識的に取る必要がないのだ。バックアップの頻度も,直近のものは頻繁に,過去のものは間隔を空けてとってくれる。そのスケジュールも自動的である。

Time Machine は過去 24 時間分の毎時間のバックアップ、過去 1 カ月分の毎日のバックアップ、過去のすべての月の 1 週間ごとのバックアップを自動的に作成します。バックアップドライブの容量がいっぱいになると、一番古いバックアップが削除されます。

Time Machine で Mac をバックアップまたは復元する方法 - Apple サポート

さて,Time Machine は自動的にバックアップをとってくれるとは言うものの,USB 外付けハードディスクの場合は意識的に Mac に接続する必要がある。外付けハードディスクの最大の利点は,Mac が壊れた時で,新しい Mac にバックアップから復元できることだ。しかし何と言ってもバックアップが手間。これを無線 LAN 経由にしたい。そうすれば,本当に何も意識することなくバックアップがとられていくはずである。Time Machine のデフォルトのプロトコルは AFP であるが,Linux で AFP の環境を構築するのはかなりの手間がかかる (Linux に Time Machine 用バックアップサーバを構築するNetatalk で AFP ファイル共有サーバを構築する - maruko2 Note.)。Samba 経由でも可能だという嬉しい情報があるが (MountainLionでSMBなNASにTimeMachine環境を構築する - daidai7の日記),新規 Mac は Samba サーバを探しにいかない。Samba 上のバックアップはディザスタリカバリに向かないのだ。

DS216j に Time Machine 外付けハードディスクを接続したときの問題

そこで,先日購入した Synology NAS DS216j を使うことにした。DS216j の OS である DSM では,チェックボックスにチェックするだけで AFP プロトコルを話すようになるって超お手軽。

今まで使っていた外付けハードディスクを DS216j に接続すれば,お手軽に Mac のバックアップ環境が出来上がるではないか! と喜び勇んで接続してみたが,問題発生。「書き込みに失敗」してしまうのだ。調べてみると,バックアップ用のハードディスクが HFS+ でフォーマットされていてデフォルトではジャーナリングがオンであり,Linux ベースの DSM ではジャーナリングに対応していないというのが原因のようなのだ。そこで,以下では,ジャーナリングをオフにして DS216j から書き込み可能にする方法についてまとめる。

動作環境

  • NAS: Synology NAS DS216j, DSM 6.0.2-8451 Update 2
  • Mac: MacBook Pro, Mac OS X 10.11.6 El Capitan,ディスクユーティリティ 15.0
  • HDD: USB 外付けハードディスク 3TB, HFS+ フォーマット, ジャーナリング

バックアップ失敗の状況

Mac に接続していた外付けハードディスクを DS216j に接続したとき,Mac の Time Machine アプリケーションは次のメッセージを表示する。


選択したネットワーク・バックアップ・ディスクに対する必要な読み出し、書き込み、追加のアクセス権がありません。
別のユーザとして接続するか、ネットワーク管理者に連絡してください。

DS216j のコントロールパネル→外部デバイスの情報は次の通り。

名前
共有フォルダ
使用/総容量
ファイルシステム
USB Disk 1 Partition 1
usbshare1-1
0/197 MB
vfat
USB Disk 1 Partition 2
usbshare1-2
532.99/2794.2 GB
hfsplus

気がつかなかったが,2パーティションとなっている。

外付けハードディスク移行手順

参考サイト

参考にした記事は Write to an HFS+ (Mac formatted) USB drive from a Synology NAS である。ただ,ジャーナリングのオフが Mac のディスクユーティリティではできなかったため,コマンドラインを使用した (How to Disable Journaling? | MacRumors Forums)。

Mac でジャーナリングをオフ

まず,Mac に外付けハードディスクを接続して,ディスクの情報を確認する。ターミナルから diskutil コマンドを起動する。

$ diskutil list
/dev/disk0 (internal, physical):
...
/dev/disk1 (internal, virtual):
...
/dev/disk2 (external, physical):
   #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
   0:      GUID_partition_scheme                        *3.0 TB     disk2
   1:                        EFI EFI                     209.7 MB   disk2s1
   2:                  Apple_HFS TimeMachine             3.0 TB     disk2s2

HFS+ のハードディスクボリューム名は disk2s2 であることが分かる。

そこで,ジャーナリングを不可にする。

$ diskutil disableJournal disk2s2
An error occurred journaling the file system: The underlying task reported failure on exit (-69860)

失敗している。「そうかそうか,Time Machine がディスクを使っているからね!」と思って,Time Machine を停止。再度 diskutil しても同じエラーが出てしまう。管理者権限が必要なのかと思い,sudo する。

$ sudo diskutil disableJournal disk2s2
Password:
An error occurred journaling the file system: The underlying task reported failure on exit (-69860)

強制オプションをつけてみる。

$ sudo diskutil disableJournal force disk2s2
An error occurred journaling the file system: This operation requires an unmounted disk (-69830)

これでも失敗する。唯一違ったのはエラーメッセージである。ここに有用なことが書いてあった。「この操作はディスクがマウントされてないことが必要」だとある。

まず,ディスクのマウント情報を表示する。

$ mount
/dev/disk1 on / (hfs, local, journaled)
devfs on /dev (devfs, local, nobrowse)
map -hosts on /net (autofs, nosuid, automounted, nobrowse)
map auto_home on /home (autofs, automounted, nobrowse)
/dev/disk2s2 on /Volumes/TimeMachine (hfs, local, nodev, nosuid, journaled)

disk2s2 は journaled されている。

$ diskutil umount disk2s2
Volume TimeMachine on disk2s2 unmounted

上のコマンドでアンマウント成功 (これは GUI でイジェクトしても同じ)。そしてジャーナリング停止を強制。

$ sudo diskutil disableJournal force disk2s2
An error occurred journaling the file system: The underlying task reported failure on exit (-69860)

やはり同じエラーが! しかし,mount コマンドで確認してみると,

$ mount
/dev/disk1 on / (hfs, local, journaled)
devfs on /dev (devfs, local, nobrowse)
map -hosts on /net (autofs, nosuid, automounted, nobrowse)
map auto_home on /home (autofs, automounted, nobrowse)
/dev/disk2s2 on /Volumes/TimeMachine (hfs, local, nodev, nosuid)

「journaled」の表示がなくなっていた。エラーは無視で OK。フォーラムにある通りである (How to Disable Journaling? | MacRumors Forums)。

DS216j で外付けハードディスクをマウント

SSH で DS216j に接続する。ユーザは admin で。mount コマンドで状態を確認する。

admin@diskstation:~$ mount
...
/dev/sdq1 on /volumeUSB1/usbshare1-1 type vfat (rw,relatime,uid=1024,gid=100,fmask=0000,dmask=0000,allow_utime=0022,codepage=fault,iocharset=default,shortname=mixed,quiet,utf8,flush,errors=remount-ro)
/dev/sdq2 on /volumeUSB1/usbshare1-2 type hfsplus (ro,relatime,creator=,type=,umask=0,uid=1024,gid=100,nls=utf8,caseless)

上の表示で「dsq2」のプロパティは「ro」すなわち「読込みのみ」となっている。umount でアンマウントする。

admin@diskstation:~$ umount /dev/sdq2
umount: /volumeUSB1/usbshare1-2: umount failed: Operation not permitted

失敗。怒られた。そこで,強制する。

admin@diskstation:~$ umount -f /dev/sdq2
umount: only root can use "--force" option

また怒られた。root しかできないとよ。

admin@diskstation:~$ sudo -i
Password:
root@diskstation:~# umount /dev/sdq2
root@diskstation:~# mount -t hfsplus /dev/sdq2 /volumeUSB1/usbshare1-2

成功! そして確認。

root@diskstation:~# mount
...
/dev/sdq1 on /volumeUSB1/usbshare1-1 type vfat (rw,relatime,uid=1024,gid=100,fmask=0000,dmask=0000,allow_utime=0022,codepage=fault,iocharset=default,shortname=mixed,quiet,utf8,flush,errors=remount-ro)
/dev/sdq2 on /volumeUSB1/usbshare1-2 type hfsplus (rw,relatime,creator=,type=,umask=22,uid=0,gid=0,nls=utf8,caseless)

めでたく sdq2 が「rw」すなわち「読み書き可」となった。

Mac で Time Machine ディスク選択

ネットワークディスクの環境ができたので,Mac の Time Machine でディスク選択を行う。

ディスクの選択
ディスクの選択


「usbshare1-2 サーバ "diskstation"」を選択する。「バックアップディスク "TimeMachine" を置き換えますか、それとも両方のディスクにバックアップしますか?」と聞いてくるので「置き換える」を選択。「両方を使用」を選択すると,交互にバックアップされるとのことだが,交互も何も同じディスクなのでこれはなし。

Time Machine バックアップ開始
Time Machine バックアップ開始


バックアップが開始された。ただし,差分ではなく全部のようだ。時間がかかるな (泣)。

まとめ

DS216j に 3TB の外付けハードディスクを接続して,Time Machine の設定を行った。多少手間がかかったが,今後は気が付かないうちにバックアップがとれるようになっているはず。この方法の欠点は,DS216j を再起動したときに,書き込みできるように mount をし直してやる必要があるということである。autofs で指定できるといいのだが,現時点では不明。

試行錯誤をしたエラー表示を残してあるのは,同様のエラーで困っている人が検索で来てくれる可能性があるからである。そのため少々読みにくくなっているがご勘弁を。

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Posted by n at 2016-11-12 17:08 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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