Mac に接続していた外付けハードディスクを NAS に接続し,Wi-Fi 経由で Time Machine バックアップができるように設定する。
今までは,3TB の外付けハードディスクを使い,USB で直接 Mac に接続してバックアップを行っていた。Mac のバックアップシステムは Time Machine というもので,とてもよくできている。過去の状態に戻ることができるので「タイムマシン」という名前なのだろう。バックアップを意識的に取る必要がないのだ。バックアップの頻度も,直近のものは頻繁に,過去のものは間隔を空けてとってくれる。そのスケジュールも自動的である。
Time Machine は過去 24 時間分の毎時間のバックアップ、過去 1 カ月分の毎日のバックアップ、過去のすべての月の 1 週間ごとのバックアップを自動的に作成します。バックアップドライブの容量がいっぱいになると、一番古いバックアップが削除されます。
さて,Time Machine は自動的にバックアップをとってくれるとは言うものの,USB 外付けハードディスクの場合は意識的に Mac に接続する必要がある。外付けハードディスクの最大の利点は,Mac が壊れた時で,新しい Mac にバックアップから復元できることだ。しかし何と言ってもバックアップが手間。これを無線 LAN 経由にしたい。そうすれば,本当に何も意識することなくバックアップがとられていくはずである。Time Machine のデフォルトのプロトコルは AFP であるが,Linux で AFP の環境を構築するのはかなりの手間がかかる (Linux に Time Machine 用バックアップサーバを構築する,Netatalk で AFP ファイル共有サーバを構築する - maruko2 Note.)。Samba 経由でも可能だという嬉しい情報があるが (MountainLionでSMBなNASにTimeMachine環境を構築する - daidai7の日記),新規 Mac は Samba サーバを探しにいかない。Samba 上のバックアップはディザスタリカバリに向かないのだ。
そこで,先日購入した Synology NAS DS216j を使うことにした。DS216j の OS である DSM では,チェックボックスにチェックするだけで AFP プロトコルを話すようになるって超お手軽。
今まで使っていた外付けハードディスクを DS216j に接続すれば,お手軽に Mac のバックアップ環境が出来上がるではないか! と喜び勇んで接続してみたが,問題発生。「書き込みに失敗」してしまうのだ。調べてみると,バックアップ用のハードディスクが HFS+ でフォーマットされていてデフォルトではジャーナリングがオンであり,Linux ベースの DSM ではジャーナリングに対応していないというのが原因のようなのだ。そこで,以下では,ジャーナリングをオフにして DS216j から書き込み可能にする方法についてまとめる。
Mac に接続していた外付けハードディスクを DS216j に接続したとき,Mac の Time Machine アプリケーションは次のメッセージを表示する。
選択したネットワーク・バックアップ・ディスクに対する必要な読み出し、書き込み、追加のアクセス権がありません。
別のユーザとして接続するか、ネットワーク管理者に連絡してください。
DS216j のコントロールパネル→外部デバイスの情報は次の通り。
名前 |
共有フォルダ |
使用/総容量 |
ファイルシステム |
USB Disk 1 Partition 1 |
usbshare1-1 |
0/197 MB |
vfat |
USB Disk 1 Partition 2 |
usbshare1-2 |
532.99/2794.2 GB |
hfsplus |
気がつかなかったが,2パーティションとなっている。
参考にした記事は Write to an HFS+ (Mac formatted) USB drive from a Synology NAS である。ただ,ジャーナリングのオフが Mac のディスクユーティリティではできなかったため,コマンドラインを使用した (How to Disable Journaling? | MacRumors Forums)。
まず,Mac に外付けハードディスクを接続して,ディスクの情報を確認する。ターミナルから diskutil コマンドを起動する。
HFS+ のハードディスクボリューム名は disk2s2 であることが分かる。
そこで,ジャーナリングを不可にする。
失敗している。「そうかそうか,Time Machine がディスクを使っているからね!」と思って,Time Machine を停止。再度 diskutil しても同じエラーが出てしまう。管理者権限が必要なのかと思い,sudo する。
強制オプションをつけてみる。
これでも失敗する。唯一違ったのはエラーメッセージである。ここに有用なことが書いてあった。「この操作はディスクがマウントされてないことが必要」だとある。
まず,ディスクのマウント情報を表示する。
disk2s2 は journaled されている。
上のコマンドでアンマウント成功 (これは GUI でイジェクトしても同じ)。そしてジャーナリング停止を強制。
やはり同じエラーが! しかし,mount コマンドで確認してみると,
「journaled」の表示がなくなっていた。エラーは無視で OK。フォーラムにある通りである (How to Disable Journaling? | MacRumors Forums)。
SSH で DS216j に接続する。ユーザは admin で。mount コマンドで状態を確認する。
上の表示で「dsq2」のプロパティは「ro」すなわち「読込みのみ」となっている。umount でアンマウントする。
失敗。怒られた。そこで,強制する。
また怒られた。root しかできないとよ。
成功! そして確認。
めでたく sdq2 が「rw」すなわち「読み書き可」となった。
ネットワークディスクの環境ができたので,Mac の Time Machine でディスク選択を行う。
「usbshare1-2 サーバ "diskstation"」を選択する。「バックアップディスク "TimeMachine" を置き換えますか、それとも両方のディスクにバックアップしますか?」と聞いてくるので「置き換える」を選択。「両方を使用」を選択すると,交互にバックアップされるとのことだが,交互も何も同じディスクなのでこれはなし。
バックアップが開始された。ただし,差分ではなく全部のようだ。時間がかかるな (泣)。
DS216j に 3TB の外付けハードディスクを接続して,Time Machine の設定を行った。多少手間がかかったが,今後は気が付かないうちにバックアップがとれるようになっているはず。この方法の欠点は,DS216j を再起動したときに,書き込みできるように mount をし直してやる必要があるということである。autofs で指定できるといいのだが,現時点では不明。
試行錯誤をしたエラー表示を残してあるのは,同様のエラーで困っている人が検索で来てくれる可能性があるからである。そのため少々読みにくくなっているがご勘弁を。
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