nlog(n)

電車では携帯電話のマナーについての車内放送がある。最初はこの放送を歓迎する気持ちがあったが，毎日聞かされているうちにいいかげんうんざりしてきた。毎日言われ続けなければ分からないほど私たちはバカになってしまったのだろうか?

電車に乗っていると，車掌のアナウンスがある。

携帯電話をお持ちのお客様にお願いいたします。
優先席付近では電源をお切りください。それ以外の場所ではマナーモードに設定の上，通話はお控えください。
皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

これは，関東の17の鉄道事業者が決めたアナウンスである。それまでバラバラだったアナウンスが2003年9月からこの内容に統一された(東京都交通局＞お知らせ＞ニュースリリース＞地下鉄車内での携帯電話のご案内が変わります。)。

それから1年半以上が経過した。統一されたのはいいが，これを毎日毎日聞かされ続けるのはだんだん苦痛になってきた。毎日言われなければマナーが守れないのだろうか? それほど私たちはバカになってしまったのだろうか? 今では，携帯電話は若者だけではなくご年配も持っている。一般に普及したということは，もはや携帯電話は特殊な機器ではなくなったと言える。ここまで来ると，「分かる人であれば1度言えば分かるし，分からない人は何度言っても分からない」という普通の話になってくる。電車の中で「カーッ…ペッしてはいけない」のと同じである。そんな車内放送は聞いたことがない。無駄な放送はいいかげんやめてもいいのではないかと思う。

携帯電話のマナーについての車内放送をやめない理由はいくつか考えられる。これらの複合もあるかもしれない。

• 乗客が，何度言われてもすぐに忘れてしまうほど記憶力がない
• 乗客が，繰り返される車内アナウンスを五月蝿いと感じないほど鈍感である
• 鉄道会社が，「私たちはマナー向上のために努力しています」というポーズを単に示したいだけ
• 鉄道会社は，アナウンスを統一することだけは決めたが，いつまで続けるか決めなかった
• 鉄道会社がアナウンスをやめようとすると，「何でやめた」とどなりこむ乗客がいる
• 鉄道会社も乗客も，アナウンスが煩わしいとは思っていない

車内にステッカーも貼ってあることだし，読めば分かることである。

優先席付近の表示

(優先席付近の表示)
「優先席付近では、携帯電話の電源をお切りください。Please turn off your mobile phone near "Courtesy Seat".」

優先席付近でない場所での表示

(優先席付近でない場所での表示)
「マナーモードに設定の上、通話はご遠慮ください。Please set your moble phone to silent mode and refrain from making calls.」

これらだけで十分ではないのか。

• Tweet