印刷用表示へ切り替え 通常表示へ切り替え 更新履歴を表示 更新履歴を隠す
misc 上りと下りで違う数のかぞえかた

「いち」から「じゅう」まで数えるのと,逆に「じゅう」から「いち」まで数えるのでは,呼び方が違う数がある。

■ ■ ■

「いち」から「じゅう」まで数を数えるのに,私は「いち,に,さん,し,ご,ろく,しち,はち,く,じゅう」と言う。反対に,「じゅう」から「いち」まで数えるとき,「じゅう,きゅう,はち,なな,ろく,ご,よん,さん,に,いち」となる。このとき,ゆっくり数えるのではなく,できるだけ早く数えるようにすると,自分が無意識に使っている数え方が分かる。上りと下りでいくつか呼び方が違う数がある。まとめると次のようになる。



いち 1 いち

2
さん 3 さん
4 よん
5
ろく 6 ろく
しち 7 なな
はち 8 はち
9 きゅう
じゅう 10 じゅう

「4」「7」「9」の呼び方が違っている。「10」を「とお」と読めばさらに違う数が増えるが,私はそう読まない。周りの人に聞いてみたところ,上りのときに「7」を「なな」と呼ぶ人や,下りのときの「9」を「く」,「7」を「しち」と呼ぶ人もいた。しかし,「4」だけは,上りのときに「し」下りのときに「よん」と言うのは皆そうだった。

なぜ違うのかの理由は不明。単に言いやすいからだろうか。地方によっても違うのかも知れない。

かけ算の「九九」は「ししちにじゅうはち」「しくさんじゅうろく」などで,上りの読みとなっている。

後ろに「本」をつけると,「いっぽん,にほん,さんぼん,よんほん,ごほん,ろっぽん,ななほん,はっぽん,きゅうほん,じゅっぽん(後述)」となるので,下りの読み方と同じになる。ただし,助数詞をつければ必ず下りの読み方になるかと言えば,そうでもない。後ろに「月{がつ}」をつけた月の呼び名は,「いちがつ,にがつ,さんがつ,しがつ,ごがつ,ろくがつ,しちがつ,はちがつ,くがつ,じゅうがつ」で,上りの読み方と同じになる。他にも,黒船が来たときに読まれた句「泰平(太平)の眠りを覚ます蒸気船たった四杯で夜も眠れず」では「四杯」を「しはい」と読んでいるという例もある。ただし,これは字数の関係で無理やり「しはい」と読んでいるという可能性もある。ちなみにこの句は,蒸気船が四隻来て眠れないというのと,お茶の「上喜撰」を四杯飲んで眠れなくなってしまったというのを掛けてあるのだそうだ。

上で「十本」を「じゅっぽん」と読んだが,正しくは「じっぽん」と読む。中学生の時に,国語の先生が『「七時五十分」は「しちじごじっぷん」と読む。「ごじゅっぷん」という読み方はない』と教えてくれた。私は,間違っているのを知りながら,ついつい「じゅっぷん」とか「じゅっぽん」とか言ってしまっているだけである。マネしてはいけない。

Posted by n at 2005-11-27 01:41 | Edit | Comments (7) | Trackback(2)
Trackbacks

  • 「手違いで複数トラックバックを送ってしまった!」という場合でも気にしないでください (重複分はこちらで勝手に削除させていただきます)
  • タイムアウトエラーは,こちらのサーバの処理能力不足が原因です (詳細は トラックバック送信時のエラー をご覧ください)
  • トラックバックする記事には,この記事へのリンクを含めてください(詳細は 迷惑トラックバック対策 をご覧ください)
■上りと下りで違う数のかぞえかた
上りと下りで違うかずのかぞえかた    【情報元:ネタ帳 さん】 「いち」から「じゅう」まで数えるのと、「じゅう」から「いち」まで数えるのとでは、数え方が違う! 言われてみれば確かに違う!!>< 私だったら、 「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち... Trackbacked from: ぼぶろぐ 〓凸凹自由帳〓 at December 08, 2005 12:25
言われてみれば・・・
1、2、3…と1から10までの数字を声を出して数えてみてください。 次に10、9、8…と10から1までの数字を声を出して数えてみてください。 なにか気付きました?? なんでこんなことを言い出したかというと、こんな記事を見たからなんです。 上りと下りで違う... Trackbacked from: tree tree tree at December 15, 2005 12:52
Comments

そういえば上りと下りでは数え方が違うと、この記事を読んで初めて気付きました。
何故違うのか気になりますね。
あと、英語は「4」と言ったら「four」だけなのに、日本語は「よん」や「し」と読み方が複数あるのも気になりました。
「じっぽん」、頭ではわかっていますが、どうしても言いやすい「じゅっぽん」を使ってしまいますw
簡単ですが記事を書きましたので、TBさせていただきますね。

Posted by: ボブ at December 08, 2005 12:24

はじめまして。
わたしも数えてみたら、確かに違ってました。でも、超高速で数えようとすると、上りも「よん」「なな」を使います。不思議だ。

あと、これを読んで、音楽の短調の音階が、上りと下りで違うのを思い出しました。関係ないですが。実は関係あるのかな?

Posted by: 幸之介 at December 11, 2005 03:20

幸之助さん
おお,そうきましたか。旋律的短音階というやつですね。
旋律的短音階は日本語とは関係ありませんが,流れで変わるというのは似たような感じを受けます。
数のかぞえかたは,上りが古い言い方で,下りが新しい言い方なのだそうです。旋律的短音階は,上りが歴史的には新しく,下りは古い自然短音階ですから,対応させると逆になりますが。

Posted by: n at December 12, 2005 01:22

おー、新旧という軸は新たな知見ですね。
触発されてひとつ書いてしまいました。
http://knoa.jp/memo/?id=2005-12-13+01:53

Posted by: 幸之介 at December 13, 2005 01:55

実は「じっぽん」も不思議な言葉なんですよね。

「きゅう」+「ほん」は「きゅうほん」。
「じゅう」は元来「じう」の訛だから「じゅっ」ではなく「じっ」だ、という説にしても、
それでは「じう」+「ほん」なので「じうほん」が成り立ちます。
そこから変化するという立場では、「じっぽん」と「じゅっぽん」は先入観を外すとどちらが優位なのか。

ともかく「きゅっぽん」との比較をしないのは手落ちですよね。

Posted by: ない at December 14, 2005 08:16

「十」は「jip」に近い音
「九」は「kiu」に近い音
だったようです。この手のことは「言語学大辞典」などの文献にあたるのがいいのですが,手元にありません。

Web サイトでは,次が参考になりそうです。
http://homepage3.nifty.com/park/juku/omosiro3.htm

Posted by: n at December 16, 2005 23:03

遅レスすみません。
「よん」、「なな」、「きゅう」が数としての読み方です。「し」、「しち」、「く」は慣用表現だけです。0.1234 は「れいてんいちにーさんよん」と読みます。「れいてんいちにさんし」では突然かけ声になってしまいます。

Posted by: よんななきゅう at April 28, 2006 15:52
Post a comment
  • 電子メールアドレスは必須ですが,表示されません (気になる場合は「メールアドレスのような」文字列でもOKです)
  • URL を入力した場合はリンクが張られます
  • コメント欄内ではタグは使えません
  • コメント欄内に URL を記入した場合は自動的にリンクに変換されます
  • コメント欄内の改行はそのまま改行となります
  • 「Confirmation Code」に表示されている数字を入力してください (迷惑コメント対策です)


(必須, 表示されます)


(必須, 表示されません)


(任意, リンクされます)


Confirmation Code (必須)


Remember info (R)?