mixi に招待してもらったが,何が楽しいのかよく分からない。
話題の mixi に招待してもらった(ソーシャル・ネットワーキングサイト [mixi(ミクシィ)])。やっほー。招待してもらえた。入会が遅すぎか? 2006年7月に,mixi のユーザー数は500万人を突破した(株式会社ミクシィ | プレスリリース)。一人で複数のユーザを使い分けている人がいたとしても,かなりの利用者数であることは確かだろう。500万人もいたら,限られた人だけがアクセスできるから「安全」というような考えは捨てた方がよい。限られてはいるのだが,人数が多すぎるのだ。
早速 mixi にログインして,中をうろうろしてみたのだが,何をするところなのかよく分からない。普通のウェブサイトでいいのでは? とか,一般に公開しているブログでいいのでは? などと思ってしまう。
まずシステムがよく分からない。一番よく分からないのは,プロフィール設定である。mixi では,自分が公開する情報を「プロフィール変更」で行うことができる。氏名の設定欄の下には次のように書かれている。
※お知り合いがあなたを発見しやすいように、本名で登録して身近な交流を広げましょう。
つまり,招待してくれた人とは別の人 ―昔の知り合いか何か― が見つけてくれる可能性があるということを言っている。ということは,知り合いでなくても見つけてくれることになる。人は,自分を見つけて欲しい人がいると,他の人は目にはいらなくなる傾向がある(nlog(n): 女性にみるユニキャストとブロードキャスト)。これは女性に限らず,男性でも同じである。これには気をつけなければならない。見つけて欲しい知り合いが1人だとすると,その他の人が見つけてくれる可能性は500万倍なのだ。確率高すぎである。
使ってみるまでどういうものか分からなくて,使ってみたら「あーあ」という後の祭りではよくない。この設定でどういうことが起こるのかの注意が必要なのではないか。規模が数千人ならある程度緩くてもいいが,数百人規模になった場合は見直しが必要なのではないだろうか。
「交流を深めるための機能」は,私にとっては「おせっかい機能」になっている。
まずは「足あと」機能である。アクセスしてくれた人の「足あと」が残るようになっている。すると,興味がないのにチェックしてしまう。時間の無駄である。自分の足あとも,そこらじゅうに残る。他人のが残るのなら,自分のが残るのは仕方ない。それはよしとして,その足あとを辿ってくれる人も少なくないことも分かった。しかし,辿ってくれてもそれ以上のことは何もない。足あとを辿るご利益はほとんどないのではないかと思う。
自分の友人は「マイミクシィ」に登録される。「マイミクシィ」に登録してある人が日記を更新すると,「新着情報」に表示される。これも,つい見てしまう。マイミクシィの登録が増えると,日記の更新も増える。RSS でチェックするフィードが増えるのと同じである。マイミクシィには何と1000人まで登録できる。1000人の日記のチェックは不可能である。
メッセージを送ることもできる。友人だけでなく,mixiユーザの誰にでも送ることができる。メールのようなものだ。これのチェックのために中毒になってしまう人もいるらしい(FPN-メール中毒を克服するには)。知り合いにしか連絡をとらないのであれば,普通のメールがあれば十分である。知らない人に連絡をとる勇気はない。
「おせっかい機能」は,時間を浪費するのにぴったりな機能ともいえる。気をつけないと絡みとられるような危険を感じる。
会員はコミュニティを作ることができる。すでにあるコミュニティに参加することもできる。同じ話題で交流を深めるためである。コミュニティには「誰でも参加できる (公開)」「管理人の承認が必要 (公開)」「管理人の承認が必要 (非公開)」の3種類がある。ソーシャルネットワークを利用する一番大きな目的は,このコミュニティにあると思う。
公開コミュニティを見て回ると,一般のウェブサイトで公開すればいいような情報ばかり。500万人も見られるのなら,mixi でなくインターネットで公開してくれた方が嬉しい情報ばかり。mixi 会員に公開するなら,mixi に限定する必要はない。
非公開のコミュニティは,ソーシャルネットワークならではだろう。しかし,非公開のコミュニティを持っている友人がいるかどうかは,非公開なので分からない。非公開のコミュニティに参加するには,ネットワーク以外でのつながりが必要なのだ。
mixi で嬉しかったのは,「招待してもらった」ことである。しかしよく考えてみれば,招待してくれた友人がいたというだけで,mixi が嬉しいのではなかった。mixi に入会して嬉しかったのは,このサイトへのリンク元が見つけられるようになったことである。何を話題にしてくれているかだけでも分かったのは収穫だった。
mixi の楽しさが分からないというのは,単に私の性格が mixi に合っていないということなのだろう。mixi のつながりは,「べったり」している感じなのだ。密着度が高い。一般のブログのような「あっさり」した疎なつながりの方が性に合っている。
2006年11月1日追記:
「プロフィール変更」の氏名欄にある文言が変わっていました。
※名前の登録については こちら もご覧ください
「こちら」はリンクになっていて,リンク先では次のように説明されています([mixi] ご利用上の注意事項)。
Q. 名前の欄には本名を載せてよいでしょうか?
A. 本名で登録すれば、お知り合いがあなたを発見しやすくなり身近な交流が広がります。反面、全く知らない人にも本名がわかってしまう可能性があります。
本名での公開に抵抗がある場合は、アルファベットやカタカナ表記にするか、友人同士で通じる呼び名などをご入力ください。
※本名での登録は強制ではありません。
※自分以外の名前を付けると「なりすまし」や「騙り」行為と見なされてしまう場合がございますので、十分ご注意ください。
2006年10月6日に大きく取り上げられた事件を受け,10月11日に変更されたようです(FPN-mixi「三洋電機社員お宝写真流出事件」がもたらす影響とは)。
Posted by n at 2006-10-02 23:10 | Edit | Comments (6) | Trackback(1)
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小生も同感です。
Posted by: やいっち at October 03, 2006 08:24というより、ここまで分析的に考えていなかったけど。
それに、mixiに招待してもらったのはいいけど、自分には紹介する友達がいないので、輪が広がらない。
未だに友達は紹介してくれた人だけ。
結構、若い人やネットに慣れない人が出身校や年齢(正しいかどうか分からないけど)出没する地域を明らかにしている。
ちょっと危ない気がするね。
面白いのは、プロフィールの写真だけは多くの人は芸能人かペットなどの写真を使っていること。見るほうとしては残念だけど、でも、最低限の秘密の確保はしているってことかなと安心もする。
はじめまして。
個人情報を出すのに主眼を置くのではなく、自分がやろうとしていることについて書くと、一般公開しているブログよりも、mixiの方が同じ立場や考え方を持った人からのコメントが集まりやすいと思って使ってます。
Posted by: みお at October 03, 2006 10:14私の場合は、知り合いの目が気になって好きなことが書けないので利用しなくなってしまいました(夫婦の日常のことを書くと「私の友達も見てるんだからね!」と妻に怒られますし)。毒にも薬にもならないようなことを書いている人が多いのは、大抵そういう理由からではないでしょうか。
Posted by: BB at October 04, 2006 00:06やいっち さん
私も紹介する人がいないので,輪が広がっていきません。紹介しようと思ったらその人はすでに入会していた,ということが多いです。だからといって,自分も始めたんですよというほどのコンテンツもなし,という状態です。
みお さん
やろうとしていることが明確であれば,何も問題はないと思います。コメントが集まりやすいのも分かります。ブログでは個人に焦点が当たりますが,コミュニティでは趣味などのやりたいことに焦点が当たるからでしょう。
BB さん
Posted by: n at October 04, 2006 00:44面白いケースですね。ですが,すごくよくありそうな気がします。知り合い同士では個人の特定がしやすい(あるいは教えやすい),ということがマイナスに働いてしまったという感じでしょうか。
オイラも 招待してもらいましたが・・・
公開の 交換日記をしているようで・・・
何してんだかな〜! と思いながら・・・
分析されてる所は 良く分かります!w
本当に分かりやすい分析ですね☆
オイラが言葉に出来なかったところなので
なるほどね〜☆と 自分自身で納得できました☆
Posted by: maro助 at October 04, 2006 09:45maro助 さん
Posted by: n at October 05, 2006 00:31私は,交換日記をしているというより,どちらかというと交換日記を覗き見しているような感じがして,少し居心地が悪かったりします。
分析したことを書いているという気は全くないのですが,そう読めますかね?