「海外日本食優良店調査・支援事業」の真の目的は何か。税金を使って海外旅行したいだけなのではないのか。
和食「認証」やめます… 「支援」に2億7600万円|食|生活・健康|Sankei WEB によれば,
農林水産省は22日、19年度予算案で認められなかった海外の優良和食店を認証する新制度について財務省と復活折衝を行い、2億7600万円の全額が復活したと発表した。同制度をめぐっては、米国メディアで「スシ・ポリス派遣」などと揶揄(やゆ)されたほか、前日の自民党政調審議会でも「政府が認証するのはおかしい」などと異論が相次いだ。事業の内容は変わらず、「認証」を「支援」に名称変えし、あきれた復活となった。
だという。どうしてもやりたいらしい。なぜそこまでしてやりたいのか疑問が湧く。名前を変えてそのまま通してしまうというのは,よくやる手である。「国民総背番号制」という名前だと通らなかったが,「住基ネット」に名前を変えたら通ってしまった。名前が変わったが,背番号はついてしまった。批判する人間が根負けするのを狙っているかのようだ。
上記の記事では,さらに次のように述べられている。
この制度は、海外で「和食店」でありながら、和食とは懸け離れた料理を出す店が増えている実態を踏まえ、「本来の和食」普及のために一定基準を満たす店に何らかのマークを付与しようというもの。
事業名は、「海外日本食レストラン認証事業」だったが、復活折衝で「海外日本食優良店調査・支援事業」に。さまざまな異論に抗しきれず「認証」を引っ込めた格好だ。
「認証」でなくなっても,「調査」はするわけだ。調査するには,海外に行かなければならない。つまり,この事業は,調査員が海外で飲み食いしなければ成り立たないということになる。実際は,「本来の日本食」などはどうでもよくて,税金で海外旅行するための大義名分が欲しいだけなのではないだろうか。
海外の料理店にしてみれば余計なお世話である。材料が違えば当然味だって違ってくる。日本だって,外国の料理を現地の味そのままでは出さない。日本人の口に合うように変えている。同じことである。海外でも色々な「日本食」があってもいいではないか。インドが日本に対して「ビーフカレーとポークカレーは認定しない」と言ったらどうするのか? 食べるのをやめるのか?
自国の文化を大切にして欲しいと願っているのは,中国も同じである(【中国】日中の文化的ギャップ鮮明に 古典人物パロディーに法的措置)。
ドラマ「西遊記」への批判問題では、原作では男性の三蔵法師を、日本では女優の深津絵里が演じたこと。過去のシリーズでもたびたび女優が演じてきたが、ネット普及を背景に、「日本人による文化の改竄(かいざん)だ」との反発が中国で急速に広がるなど、テレビ的脚色をめぐる文化的な日中ギャップが表面化してきた。
おかしなことになってきている。日本が「正しい日本食」を海外に求めるのであれば,日本も「正しい中国文化」を表現しなければならない。自由な解釈などを入れてはならないことになる。
法的措置というのは,いくらなんでもという感じがする。しかし,西遊記に関しては日本がやり過ぎている。日本のドラマ「西遊記」で三蔵法師に女性が起用されたのは,夏目雅子が最初である。あのキャスティングは流石だった。夏目雅子は三蔵法師の上品さを表現するには最適の役者だったのだ。しかし,現在のキャスティングは惰性である。三蔵法師が女だったと思っている日本人も多いのではないだろうか。いい加減やめたほうがいい。
Posted by n at 2006-12-25 00:25 | Edit | Comments (4) | Trackback(0)
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はじめまして。
税金による飲み食いについてはおいておいて,単にcertification をする,というのだから別に変な気もしないのですが.認証されていない店は日本食レストランを名乗るな!と言っているわけではなく,単に認証された店が「認証」のしるしをもって威張ってよい(威張れるかどうかはその認証制度自体の質に依存するでしょう)というだけなのですから.
西遊記に関しては,その延長で言うと中国の方に文句を言われるということは「『日本の』西遊記」は中国の認証を受けていません(受けられません),というだけでまあ中国の方が怒るのもわかるけれど,まあ仕方ないやなてな感じに思うのですが.
…論点が違います?
Posted by: siuye at May 30, 2007 07:30siuye さん
Posted by: n at May 30, 2007 22:06私も
認証→したいならどうぞご勝手に
と思っていますよ。ただし,
かかる費用を税金で→断固反対
です。
ですから,「税金による飲み食いについてはおいておいて,」とすると,この記事の意味がなくなってしまうのです。おいておけません。
すみません,その後忘れていました.
税金を使うか否かが論点でしたか.
「日本政府お墨付き」のcertification自体を認めるのなら,それに税金を使うのは当然のような気がしますが.
私が「税金による飲み食いについてはおいておいて」と書いたのは,certificationをするのにかかる費用が「飲食費」の形になってしまうのか否かはおいておいて,という気持ちでした.(表現が若干悪かったですね)
たとえば「この人は日本人である」とcertificationするパスポート申請の際に必要な写真は,certification される側の個人が撮って持っていきますよね?
それと同じで,こういうcertificationにおいては審査を受ける側が基本的な費用を負担するものだと思います.
ただし,「パスポート発行という仕組みを作る」「発行機関を設置する・維持する」といった費用は当然日本政府が負担しています.
ので,間接的には税金は使われるでしょうが,直接的な意味での費用として「税金が飲み食いに使われる」という表現をするのは,私自身の意見としては言い過ぎでは,と思います.
もちろん,そのための人を雇うなりすれば税金がかかるわけですから,「税金を使って」という表現は誤りではありません.しかし,それを「税金を使って飲み食いに当てる」というような表現の仕方をするのはまた別の話ではないか,ということです.
Posted by: siuye at November 14, 2007 05:08siuye さん
審査を受ける側が費用を負担するのであれば,「税金が飲み食いに使われる」になりませんから,問題ありません。ただ,新事業名が「調査・支援事業」であることを考えると,やはり問題があるように思います。「認証」であれば,審査を受ける側が費用を負担するようにもできるでしょうが,「調査」は調査する側が費用を負担するものなのではないでしょうか。となると調査する側の費用の財源は日本の税金となるので,「税金を使って飲み食いに当てる」が導かれてしまいます。
次は「調査」という文言を事業名から削ってくるかも知れませんね。
Posted by: n at November 14, 2007 21:32