2011年でアナログ放送は停止となる。停止と同時に,現在使っているテレビは捨てなければならないという誤解がある。
うちの母親が「あと何年かでアナログ放送が終わってテレビが映らなくなっちゃうから,新しく買わないといけない」と言っている。間違っている。
アナログ放送が終了するという情報は正しい。2011年7月24日までで現在のアナログ放送は終了する。あと4年と少しである。平成17年9月30日付の発表には次のように述べられている(総務省(報道資料))
総務省では、アナログ放送の終了時期に関する認知度の現状(1割未満)を踏まえ、アナログ受信機の新規購入に際して必要な注意喚起を行う観点から、販売されるアナログ受信機に、2011年7月24日以降当該受信機が単独では使用不可となる旨告知するシールを貼付することを(社)地上デジタル放送推進協会の協力のもと、販売店、メーカー等と連携して開始することと致しました。
この告知活動は2005年10月22日から開始され,アナログチューナーのみ搭載のテレビには「2011年7月24日以降この製品が単独では使用できなくなる」,デジタルチューナー搭載のテレビには「地上デジタルチューナ搭載」が貼られるようになった(10月22日からアナログテレビに「2011年放送終了」シール)。チューナーとは受信機のことである。
ここまではよい。間違っているのは「買い換えないといけない」という認識である。使えなくなるのは,内蔵のアナログチューナーだけなので,外付けのデジタルチューナーを用意すればテレビはそのまま使えるのだ。みんながアナログテレビを捨てたら,日本はアナログテレビゴミであふれてしまう。「チューナーが使えなくなったらテレビも捨てる」は「ビデオ付きテレビのビデオ部分が壊れたから全部捨てる」の感覚と同じである。もちろん捨ててもよいが,捨てないという選択肢もあることを知っておくべきだ。
地上デジタル放送の受信に必要なのは,次の2つである。
ケーブルテレビに入っているのであれば,アンテナもいらない。チューナーは,単体で買わなくてもそのうち DVD レコーダーなどに内蔵されるようになる。BS チューナーを内蔵したビデオデッキがあるのと同じだ。チューナーを入手する選択肢も複数ある。
アナウンスは間違っていないのに,受け手にちゃんと伝わっていないというのはどういうことなのだろうか。家電メーカーが便乗して買わせようとしているのか…謎である。
2011年7月24日追記:
アナログ放送が終了しました (nlog(n): 地上波アナログテレビ放送終了)。
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957
ぬぉっ!
Posted by: KM at April 11, 2007 21:01やっぱりそうなんですね。
うちもみんな捨てなくちゃならない、と思っていました。
でも、かつてのBSチューナーって高かったし、1台1台接続しなくちゃ行けなかったから、やっぱり家中のテレビをデジタル化するのは下流一家の我が家には厳しい現実。
確かにBSチューナーは高かったですね。
Posted by: n at April 12, 2007 00:51しかし,地デジチューナーについては,BSのような「見たい人だけ」ではなく全国の全てのテレビに必要になりますので,
大量生産→価格低下→政府の補助→さらに価格の低下
になるのではと予想しています。