今日7月26日は,劇作家バーナードショーの誕生日である。バーナードショーと言えば ghoti である。
7月26日は,バーナードショーの誕生日だそうだ (7月26日 - Wikipedia)。1950年生まれ。ジョージ・バーナード・ショー{George Bernard Shaw}は,イギリスで活躍したアイルランド生まれの劇作家で ,「マイ・フェア・レディ」が有名である (ジョージ・バーナード・ショー - Wikipedia)。しかし,私にとって,バーナードショーはマイフェアレディの人ではなく,ghoti の人なのである。
実際にバーナードショーが何と言ったのかはよく分からないが,「fish は ghoti ともつづれる」「ghoti は fish と同じように /fiʃ/ と発音できる」などと言われる。その理由は次の通り (Ghoti - Wikipedia)。
- laugh /læf/ の gh /f/
- women /ˈwɪmɪn/ の o /i/
- nation /ˈneɪʃən/ の ti /ʃ/
女性 woman は単数のとき「ウーマン」なのに,複数の women となると「ウィミン」となるからややこしい。男性の man が「マン」,men が「メン」とは大違いである。英語の綴りはとても不規則に見える。/ʃ/ の音は11通りにも綴ることができるという (Ghoti - Wikipedia)。
The /ʃ/ sound itself is a good example of spelling irregularity, and can be spelled eleven different ways: shirt, sugar, chute, action, issue, ocean, conscious, mansion, schwa, anxious, and special.
本当だ。sh, s, ch, ti, ss, c, sci, si, sch, xi, ci の11通り。こりゃすごい。「英語の綴りは一見不規則だが,上位に,ある性質の層を作って,その層から見ると規則的になる」というようなことをどこかで聞いたような気がするのだが,忘れてしまった。
日本語は「は」→/ha/, /wa/,「へ」→/he/, /e/ くらいだろうか。動詞については,どの言語も同じように,規則変化するものと,不規則変化するものがある。不規則変化するものは,よく使う動詞である。このことを考えると,「人間は,ある程度は頭を使わなければ生きていけない」と言えそうだ。言語があまりにも簡単だと我慢できないのではなかろうか。
さて,「マイフェアレディ」の原作は,バーナードショーの「ピグマリオン」という作品だそうだ。ピグマリオンと言えば「ピグマリオン効果」を思い出す。教師が期待した生徒は成績が伸びるという現象である。ピグマリオンとは何なのだろうか (ピュグマリオン - Wikipedia)。
ピュグマリオン(Pygmalion)は、ギリシア神話に登場するキプロス島の王である。
現実の女性に失望した彼は、自ら理想の女性・ガラテアを彫刻し、それが人間になることを願った。アプロディテがその願いを容れて彫像に生命を与え、ピュグマリオンはそれを妻に迎えた。
これによると,ピグマリオン=教師,ガラテア=生徒,という類似であることが分かる。今まで「ピグマリオンは期待された生徒のことなのか?」と思っていたが,違っていた。
ウィキメディアコモンズに,ピグマリオンに関する絵画の画像がある (Category:Pygmalion and Galatea - Wikimedia Commons)。
これはステキだ。実物を見てみたい。両方とも Jean-Léon Gérôme の作品とのこと (ジャン=レオン・ジェローム - Wikipedia)。正面からと後から見た場面である。足元が石で,腰から上が人間になっている。後ろから見たものには天使が描かれている。弓矢を放つ直前,あるいは放った直後である。
放たれた矢がピグマリオンに当たり,そこからスプラッター的な展開が!!! ということにはなったりしないか。しないな。
2011年7月26日追記:
記事中のジャン=レオン・ジェロームの作品は,どちらも「ピグマリオンとガラテア」という題名の1890年の作品で,どちらもニューヨーク・メトロポリタン美術館に所蔵されているそうです (ジャン=レオン・ジェロームの「ピグマリオンとガラテア」 | ムッシューPの美の探究)。
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