今まで「ご冥福をお祈り致します」を間違って使っていた。冥界というのは地獄だったとは。
■ ■ ■
rokugen さんに,「ご冥福をお祈り致します」の使い方を教えてもらった (2007-11-06 - 六の日記はここにはないぞ)。
冥とは冥界、つまり地獄でございまして、「まあせいぜい地獄で幸せになるんだな」ってのが本来の意味なんですね。
知らなかった。死後の幸福を願う文句だとばかり思っていた。確かに,もしも死者が天国に行くのであれば「幸福」であるに間違いないわけで,別に祈る必要はないのだ。行く先が地獄だから,幸福を祈ってあげてしまったりするという,皮肉というか焼肉のようなものなのだった。地獄の炎で焼肉になって美味しく召し上がれみたいな。
「冥」が地獄だとすると,ご老人が「これはいい冥土の土産になったよ」というのはどうなのだろうか。その人は,行く先が地獄だと決めてしまっている。それでも,行く先が天国か地獄かそれともその中間かは,死んでみなければ分からないわけで,最悪の場合地獄に行ったとしてもそれは土産になるからいいという考え方もあるか。
さて,「ご冥福をお祈り致します」が使えないとすると,別の言い方をしなくてはならない。他には「哀悼の意を表します」や「お悔やみ申し上げます」が考えられるが使い方が難しい。「ご冥福をお祈り致します」の一番いいところは,「○○さんの…」と言えるところである。「哀悼の意」や「お悔やみ」はそれができないのである。
- ○○さんのご逝去を悼み,謹んで哀悼の意を表します。
- ○○さんのご訃報に接し,心から哀悼の意を表します。
こんな感じだろうか。遺族に言うのであれば「心からお悔やみ申し上げます」は堅苦しくなくて自然な感じだ。…そんなこと練習してどうする。
2007年11月26日追記:
rokugen さんのトラックバックによる「デフォルトで全員地獄行きだぜってのもなかなかかっこいい」と笑い飛ばす姿勢はいいなぁ ([ざれごと]ご冥福うんぬん - 六の日記はここにはないぞ)。そういうものの見方を忘れていた。ただ単に反省するだけじゃつまらないということだ。見習っとこう。
Posted by n at 2007-11-26 01:15 | Edit | Comments (6) | Trackback(4)
Trackbacks
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[ざれごと]ご冥福うんぬん http://nlogn.ath.cx/archives/000949.html 言葉は変化するものですから、現状を見るに問題はないんでしょうね。独擅場(どくせんじょう)を漢字間違えて独壇場(どくだんじょう)になったり、撒水車(さっすいしゃ)を聞き間違えて散水車(さんすいしゃ)になったりしてる
Trackbacked from: 六の日記はここにはないぞ at November 26, 2007 12:53
なぜだ!?なぜなんだ!? どんだけJavaソースを修正して再うpしても内容が変わらない・・・・・。デコード
Trackbacked from: 嫁様とパスタ。 at July 27, 2009 17:47
コピペってすばらしいよね 否「すばらしいコピペ」が残るのだ! こんなのとか(´・ω・`)! 先生「君たちは大きくなったらどうするのかね?」 生徒A「大統領を目指します」 生徒B「医者を目指します」 生徒C「前を隠します」 結局埼玉は雪もなにもただ寒かったなぁ・・・ なんかまた祭りになってた
Trackbacked from: ドリームジャンボコロッケを求めて (´・ω・`) at January 14, 2010 21:00
ニホンゴムヅカシイネ ご冥福をお祈り致します ごく最近、これを使ってしまいそうだった。 使っちゃいけないの? いけないみたい。 この意味、普通にたくさんの方が知ってるのでしょうか? 私はつい最近まで知らなかったのです。 ご冥福をお祈り致します...
Trackbacked from: みぃとピグ at February 14, 2012 01:42
冥界は冥土とか冥途とも言われますが、あの世のことです。この世は生者の世界で、あの世は死者の世界です。地獄とか天国とはあの世の中の一部のことです。混乱なきように。
Posted by: 通りすがりの者ですが at November 15, 2008 09:19「冥福を祈る」とは、冥土の旅を無事終えて、良い世界に転生できるように祈ること。残された親族が一生懸命祈ることで魂が浄化されるという説に基づく。
Posted by: キキ at May 03, 2009 00:47キキ さん
Posted by: n at May 03, 2009 01:01その説の出典についての情報をお願いします。
冥界が地獄とすると、天国に相当する界は何と呼ぶのだ?
Posted by: 通りすがり2 at September 14, 2010 20:34もし呼び名がなければ、冥界、冥府は単にあの世って意味でしかないな。理論上。
通りすがり2 さん
Posted by: n at September 16, 2010 05:37天国に相当するものは浄土であるという考え方があり,そうだとすると,呼び名があることになります。
天国 - http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%9B%BD
だいぶ昔の話に振ってしまうけど
浄土の対義語は穢土だよ 穢土には、六道すべてが含まれる 神様のいる天道や、鬼のいる地獄道も穢土
ソースになっているWikipediaの記述をよく読んでいただきたいが「対立構造において浄土が天国に相当する」とある
要するに、対立構造で浄土が天国なら、地獄は穢土 今私たちが生きてるこの世界も含むのだから、この世も地獄の一部
実際はそんなことないわけだから、この前提は飽くまでも対立的比較でしか意味をなさない
日本人がよくやりがちだが、キリスト教的思想を日本仏教に持ち込まないように
また、冥福の冥の字は、暗く見通せない場所、転じて死後のこと
死んだ後のことは各々の宗教によって天国と地獄のどちらかであったり、六道のいずれかに転生する期間のことであったり
生まれ変わりのループから脱却した浄土であったりする
そのいずれかであったとしても、故人の幸福を祈るというそれ以上の意図は介入していない
以上、宗教学からの見地でした
Posted by: 名無し at June 25, 2011 04:55