マインドマップは,考えをまとめていくのには適しているが,人に説明するのには適していない。
「まとめると,こんな感じになるよね。」と言って,マインドマップを見せてくれる人がいるのだが,とても困る。説明するなら PowerPoint で見せてくれ。
私はマインドマップが嫌いである。
マインドマップは,紙の中心にメインテーマを配置し,そこから外に向かって樹形状に項目を配置していく表現技法である。トニー・ブザンが考案した (マインドマッピング - Wikipedia)。
PowerPoint はマイクロソフトのプレゼンテーション用ソフトである。項目を並べて表示したものをブレットリスト (bullet list) という。PowerPoint には様々な機能があるが,ここではブレットリストのことを PowerPoint と呼ぶことにする。
マインドマップでは,枝に名前をつけるようになっている。この名は,PowerPoint では項目名になる。マインドマップは,「項目どうしの親子関係が表現できる」という点で PowerPoint と同様の機能を持つ。つまり,表現する機能としては,マインドマップと PowerPoint は同じなのである。木構造を表現するのであるから (@IT:マインド・マップとUMLを使った要求分析支援(前編)),同じことができるのは当然である。
私がマインドマップが嫌いな理由は,出来上がった絵ががキモイからである。なぜわざわざグニャグニャさせる必要があるのか。トニー・ブザン公認のソフト iMindMap は,意識的にグニャグニャさせてある (「絵は苦手」と躊躇していた人はぜひ! 開発者公認のマインドマップ作成ソフト「iMindMap」が登場)。見づらくなるのに,なぜそうするのか意味が分からない。悪趣味なだけである。
木の枝が上下左右の全方向に伸びるのも嫌いだ。注意が散漫になってしまい,集中して見ていくことができない。
私がマインドマップを嫌う,もう1つの大きな理由は,使い方を間違っている人が多いということである。マインドマップは,何もないところから描き込んでいくときにで力を発揮するツールであって,出来上がりを他人に見せて説明するツールではない。つまり,マインドマップにとって重要なのは,「過程」であり,「結果」ではないのだ。そこを間違えている人が多すぎるので困る。結果を見せたいのであれば PowerPoint を使うべきである。どうしてもマインドマップを使いたいのであれば,描きながら説明すべきである。
マインドマップは作る過程こそが有用。出来上がったマップを他人に見せて説明するのには向かない。説明するなら PowerPoint に書き換えるべきである。
Posted by n at 2008-09-12 03:11 | Edit | Comments (2) | Trackback(0)
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バレットリストな?
Posted by: a at June 15, 2018 09:40a さん
Posted by: n at June 16, 2018 11:39日本語だと多くの場合「バレットリスト」と表記するみたいですね。英語の発音だと「ブレットリスト」の方が近いのですけど,どうしてでしょうね。