子供の写真が入った年賀状が届くと,「子供の写真か,何だかなぁ」と思っていた。子供を溺愛しているのだろうとか,自慢したいんじゃないかとか,そんな理由を想像していた。しかし,それは間違いであることが分かった。
私が独身の頃,結婚した友人から届いた年賀状には異変が起こることに気がついた。表と裏の筆跡が違うのである。これは男の友人から届く年賀状に顕著である。宛名の文字が,見慣れないが読みやすい筆跡になっているのだ。結婚式でのケーキ入刀という共同作業は有名だが,こんなところにも共同作業が発生していたとは!と思ったものである。
ちなみに,はがきの表とは宛名を書く方である (はがきの表裏)。裏を横書きにするときは,右手返しと言って左手にはがきを持って右手で裏返すとちゃんと向きが合うように
するのが普通だそうだ (はがきの表裏関係|印刷屋の嘆き(と言うよりぼやき?)ブログ)。なるほどなるほど。
結婚した友人に子供が生まれると,年賀状にはさらなる異変が起こる。ほとんどの場合,子供の写真入りになるのだ。これには閉口した。「親バカだなぁ,そんなに可愛いのか,自慢したいのか,いやはやなんとも」などと思っていた。Google で検索すると,そんな疑問が沢山でてくる (子供の写真入りの年賀状 - Google 検索)。しかし,この考えは間違っていることが分かった。
自分にも子供ができ,年賀状を書いてみると…! 子供の写真を入れざるを得ない状況になっていたのである。「お子さんは大きくなられたの?」という声が聞こえてくるようになったからだ。
子供ができると,知り合いからお祝いが届く。お祝いを届けてくれる「知り合い」とは,友人以外にも沢山いて,むしろ親戚や親の知り合いの方が多かったりする。これはありがたいことである。お祝いをくれた人にはお返しをする。しかし,それだけでいいのだろうか? その後のフォローは? お祝いをくれる人というのは,子供の誕生の瞬間を祝ってくれるのはもちろんだが,同時に,その後の成長を願ってくれているのである。したがって,親である私は,成長していく様子を知らせる義務がある。
知り合いに子供の成長を知らせる手段は何だろうか。子供を連れて会いに行く,手紙で知らせる,メールで知らせる,ブログで知らせる,などの候補が思いつく。会いに行くのが一番であることは自明であるが,全員には無理である。広範囲にわたる年齢と地域の両方をカバーするには手紙が最適である。とすれば……,ここで「年賀状」という最有力候補がモッコリするのである。
「子供の写真かよ!」という友人の不満は,「はいはい」と聞いてあげよう。それよりも,疎遠になっている親戚縁者に,子供の成長していく姿を知らせることの方がずっと大切であって,私はそちらを優先したい。年賀状という年1回のご挨拶に子供の写真を載せるのは,そういう理由だったのである。
Posted by n at 2009-01-08 21:13 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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