ADD の人間がどのような忘れ物をするのか公開してみる。忘れ物対策の第一歩は,記録をとることである。それを敢えて公開する必要はない (ToT)
私は,ADD の診断を受けていないが,かなりの確率で ADD だと思われる (nlog(n): ADD かも知れない)。ADD とは注意欠陥障害のことで,Attention Deficit Disorder の頭文字である (注意欠陥・多動性障害 - Wikipedia)。多動性を伴う場合は ADHD (Attention Deficit Hyperactivity Disorder) と呼ばれる。ADD には,忘れ物やうっかり行動がつきもので,本人にとっても悩みの種になっている。
この記事の目的は,ADD のための忘れ物対策の方法を提示することである。具体的な実例がほんのりと笑えるので,副次的には,ある意味で一服の清涼剤になることもあるかも知れない (笑)。
まずは,どんなものを忘れるのかを一覧表にして示す。これは「あ,忘れた!」とか「うっかり!」と思ったものを忘れないうちにメモしておいて,後で分類しなおしたものである。ひとつひとつの項目を検討したところ,ある一定のグループに分けることができたのだった。個々の内容については,表の下で説明するので,表をそんなにまじまじと見なくてもよい。
分類 | 事例 |
重度の忘れ物 | 釣りに行ったのに釣り道具を忘れた ライブ演奏に行ったのに楽器を忘れた |
軽度の忘れ物 | 英語音読シート忘れ 名札忘れ 書類忘れ イヤフォン忘れ 外付けハードディスク忘れ ボールペン忘れ 手帳忘れ デジカメ忘れ 三脚忘れ PHS 忘れ GPS 忘れ 子どもの持ち物持って行き忘れ |
服装関係 | ズボンのチャックが開いていた ネクタイ忘れ 運動靴で出勤 スーツの上下の組み合わせが違っていた |
行動の忘れ | 図書館の本の返却忘れ 薬飲み忘れ 筋トレ忘れ 飲み会の予定忘れ アレルギー物質確認忘れ 昼休みとり忘れ 歯医者忘れて残業 娘の誕生日忘れて残業 |
うっかり行動 | 電車で手前の駅で降りてしまう 電車で乗り過ごしてしまう 女性専用車両と気づかずに乗っていた ロッカー開けっ放し 提出書類が裏紙だった |
思い込み | 財布にお金がなかった ボールペン忘れだと思って取りに戻ったが持っていた イヤフォン探しまくったら胸ポケットに入っていた |
探しもの | ボールペンが見つからない 手帳が見つからない デジカメが見つからない カバンが見つからない |
まずは「重度の忘れ物」。これはひどい。釣りに行ったはずなのに,肝心の釣り道具を忘れた。これはつい最近,この夏の出来事である。もうひとつは数年前のことになるが,ライブ演奏の日,ライブハウスに着いてから,さてまずはリハーサルと思ったときに,楽器を持ってきていないことに気がついた。これには焦った。仲間も目が点に。お客も呼んじゃってるし,さてどうしようかと。結局,ライブハウスの楽器を借りて演奏した記憶がある (そんなんでいいのかよ〜)。
次は「軽度の忘れ物」。これは日常的に持ち歩いているものや,旅行に行くときの持ち物である。GPS にまつわる事件はいろいろある。沖縄旅行をしたときには,バスの中に置き忘れてしまい,車庫まで取りに行ったことがある。東北旅行をしたときには,レンタカーの中に忘れたまま車を返却して新幹線で帰ってきてしまい,レンタカー屋に連絡して送ってもらった。普段持ち歩いていないものは必ずといっていいほど忘れてしまうのである。
服装関係では,ズボンのチャックが開いていることがよくある。職場に着いて椅子に座ったときに気づくことが多い。ということは,電車の中では全開のままだったはず。そう思うとヒヤアセが出る。前の席に座っていた女子高生は困っただろうと思う。本人に自覚はないが,やっていることは,ある種の嗜好を持った人 (要するに変態さん) と見分けがつかない。
ネクタイを忘れることもあるが,いかにも「クールビズ」のような涼しい顔をしていればバレることはない。ただし,冬でもクールビズになってしまうことがあるので,そこんとこは問題。これには職場にネクタイを常備することで対策している。
職場に着いて運動靴だったときも結構驚く。スーツと運動靴はミスマッチだ。しかし,足が痛くて保護をするのが目的ならば,運動靴であっても問題ないはず。だよね?
スーツの上下が違ってる? そういうデザインのスーツもあるさ。ということにして気持ちを落ち着かせる。
「〜するのを忘れる」というのが行動の忘れである。本の返却を忘れることはよくあること。図書館で何度ペナルティがついたことか。飲み会の予定を忘れて帰ってしまったときは残念だった。まさか忘れたとは言えないので,「ちょっと体調が」などと言ったような,そうでないような。
昼休みとり忘れて仕事をするなんて,社員のカガミだ。娘の誕生日を忘れて残業なんて,社員のカガミだけど,パパ失格。
うっかり行動が一番多いのは電車である。電車で考え事をしていると,大体ダメである。手前の駅で降りてしまうというのには,自分でも驚いた。次の電車に乗ろうと思ったら,急行が通過。まあそれでも次に乗ればと思ったら,特急が通過かよ,みたいな。
乗り過ごしてしまうこともよくある。乗り過ごしたので反対方向の電車で戻って来るときに,女性がチラ見するので,「あれ? これってもしかしてモテ期に突入?」などとホクホクしていたら,「最後尾の車両は女性専用車両となっております」というアナウンス。周りをみたら女性だらけ。「あ,それってワシのことじゃったか」と思って,途中停車駅で車両を乗り換えた。あのアナウンスは一般向けではなくて特定個人向けだったんだなと思った。それにしても,その車掌はドアを素早く閉めすぎ。車両を乗り換えるだけなのに,駅に取り残されそうになったではないか。
「思い込み」というのは,思い込みによるハプニングのことである。財布にお金が入っていると思い込んでいたら,実はなくて,ツケにしてもらったりとか。忘れたと思って,取りに戻ったが,忘れてなかったとか。イヤフォンがないないと思ったら胸ポケットにしっかり入っていたとかがある。私は眼鏡をかけないので,探したメガネが頭の上に乗っていたということはない。
いつも持ち歩いているものでも,見つからないときは見つからないものである。そんなときは「あきらめて踊りませんか?」
忘れ物対策の第一歩は,忘れ物を記録することである。そしてこの一歩が最重要である。これができたら,指差し確認をしたり,貼り紙をしたり,という対策は個人によってカスタマイズしていけばよいのである。
実のところ,「忘れ物を全部メモって公開すんべ」と思って,記録し始めたら忘れ物が減ったのである。最近は忘れ物が激減した。メモのコツは,「ADD」と書いたところに,忘れ物やうっかり行動を書く。そして,これとは逆に,「抗 ADD」と書いて,忘れそうだったけど忘れなかったこと,今までは忘れるのが常だったけど忘れなかったことを書くのである。「抗 ADD」の欄は自分を褒めるために書くのである。出来なかったことだけを書くだけでは欝欝としてくる。出来たとこも書けばバランスがとれて,気分が軽くなるのである。
メモ帳に記録することで,忘れ物は驚くほど減る。もしかすると,効果的な忘れ物対策は個人個人によってかなり違うのかも知れない。しかし,メモをとることは,何らかのヒントには絶対になる。1つ1つ記録していくと,何かに気づく。記録を見直せば,対策が見えてくることもあるし,以前は大量に忘れていたのに,最近は減ったということが分かれば,励みにもなる。最悪,何にもならない場合でもブログのネタにはなる (泣)。
本来,自分ひとりだけの世界なら,忘れ物なんてし放題でも問題ないのだ。忘れ物をして困るのは自分だけだからだ。しかし,残念なことに,私たち ADD/ADHD な人間も社会生活をしなければならない。そうすると,必ず他人との関わりがあるので,忘れ物は他人に迷惑をかけることになってしまうことがある。独裁者になって自分を中心に地球が回るようになるその日までは,ある程度,他人と合わせて生きなければならない。社会人として,夫として,父として。
Posted by n at 2011-10-25 23:00 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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