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Hardwaremisc ThinkPad をやめたわけ

これまで ThinkPad シリーズをメイン機として使い続けてきたが,Mac に乗り換えた。ThinkPad を継続して使っていくのをやめた理由についてまとめておく。

■ ■ ■

私の ThinkPad 歴は結構長い。メイン機として使ってきたのは,ThinkPad 560 → 600 → T22 ([1], [2]) → T42T61T410s で,その他 ThinkPad i1124, i1800 と,関連で IdeaPad S10e を所有しており,かなりの IBM 贔屓である。Lenovo になったのは2004年なので,T42 以降が Lenovo 製ということになる。

この流れで行くと,次は ThinkPad T440s になるはずだった。しかし,T410s の後継であるはずの T440s は色々と違っていて,欲しい機能を持っていなかった。T430s までは T410s の高速度版だったが,T440s で仕様がいきなり大きく変わったのである。それならばシリーズを変えろよと思ってしまうくらいだ。T430s から変わったのは以下の項目である。

  • セカンドベイがない (あったものがなくなった)
  • AC アダプタが角型に変わった (丸型からの変更)
  • トラックパッドのボタンが一体型に (分離型からの変更)

セカンドベイというのは,ThinkPad 本体にスピンドルを装着するための隙間のことで,デフォルトでは DVD ドライブが入っている。オプションで 2.5 インチハードディスク用のアダプタを取り付けることができる。ThinkPad の T シリーズには,この取り外し可能な CD/DVD ドライブがついていてとても便利だったのである。ところが,T440s からはこれがなくなってしまった。CD や DVD メディアはなくなりつつあるが,まだ使いたいことは多くあるので,ドライブは是非とも欲しいところである。

AC アダプタに関しては,ThinkPad T42 までは 16V で,DC の口の形は直径の小さいものだったが,T61 から 20V になり直径が大きくなった。電圧が変わった場合に形状を変更するのは安全のためである。これは仕方がない。しかし,T440s の角型の AC アダプタは出力電圧が 20V なのである。これには変更の必然性が感じられない。直径の大きい丸型の AC アダプタのままでは ThinkPad の本体が薄くできないだろうというのは想像できる。恐らく理由はそこだろう。だとしたら,将来的に本体が薄くなっていくことは明らかなのだから,最初に 20V 電圧にしたときに,見越して DC の口が薄型の AC アダプタ設計しておけよ〜という感じである。新しい角型の AC アダプタは NEC LaVie Z と互換性があるとの情報があるが,これで嬉しいのは ThinkPad を最近使い始めた NEC ユーザくらいだろう (ThinkPad X1 CarbonとLaVie ZのACアダプターは相互互換?:週間リスキー)。

ThinkPad を持ち歩く場合,できれば重い AC アダプタを持ち歩きたくない。行きつけのところには AC アダプタを置いておけばよいのだ。AC アダプタの口が共通なら,これまで持っていた ThinkPad の AC アダプタを流用できるという利点がある。電流には注意する必要があるが (nlog(n): サーバの電源が突然切れる原因が判明)。AC アダプタの口が違っているとこの作戦が使えない。

トラックパッドに関しては,T430s までは分離型だったが,T440s ではボタンとパッドが一体型になった。動作精度が低く使い勝手が悪いという評判である (ThinkPad T440sの実機レビュー/珍しい非光沢フルHD,IPS液晶 - the比較モバイルみかん: ThinkPad T430sとThinkPad T440sのキーボードを比べて)。

上のような問題があり,ThinkPad を使い続ける理由が希薄になってしまった。そして DVD ドライブがついている MacBook Pro を購入することにしてしまった (nlog(n): MacBook Pro 購入)。OS まで変えてしまうというのはかなりの思い切りだが,他の Windows パソコンを出しているメーカーに魅力を感じていないというのも事実である。

Lenovo になってから品質が落ちたという印象もある。先日の AC アダプタ断線の問題もそうである (nlog(n): ThinkPad の AC アダプタが断線したので直す)。IdeaPad に関しては,購入してから記事にする前に壊れてしまった (笑)。

もともと,ThinkPad を好きになったのは IBM が持っている次の方針であった。

  • サービスマニュアルが公開されている
  • 部品の取り寄せができる
  • 古い機種のドライバがいつまでも公開されている

どんなに古い ThinkPad であっても,ドライバや BIOS がサイトから消えずに残っている。古い機種を Linux に入れ替えるときにも,BIOS の更新には意味があるのでありがたかった。サービスマニュアルが公開されているので,自分で修理ができた。問題がある部品が特定できれば,簡単に取り寄せることができ,捨てずに済んだこともある (nlog(n): ThinkPad T42 の Fan Error)。

これに対し,国内のメーカーは,最近はいくらかましになったものの,古いドライバは基本的に消えていってしまうし,更新版を手に入れるにはシリアル番号が必要だったりと閉鎖的で,使う方にとっては安心感がまったくないのである。

バイクのハーレーダビッドソンを持っていた頃も同じことを思っていた。サービスマニュアルと部品があるというのは,ユーザがそれを使っていく上でとても重要なことなのである。大きな安心感につながるからである。オープンであるということは非常にアメリカ的だが,アーカイブを大切にすることとともに見習いたい文化である。

Posted by n at 2014-05-10 14:35 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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