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今年も我が家にはサンタクロースがやってきて，プレゼントを置いて行ってくれた。親としては，子どもにはサンタクロースを信じていて欲しい。しかし，それはかなり難しいことを子どもに要求していることになる。

あといくつ寝たら?

我が家には今年もサンタクロースが (無事) やって来た。子どもたちはサンタクロースが来る日を指折り数えて待っていた。「もういくつ寝るとお正月〜♪」という歌があるが，子どもは本当に「あといくつ寝るとクリスマスなの?」と言うのだ。お正月の歌が作られた頃と違うのは，お正月よりもクリスマスをまず楽しみにするという点である。ただし，これはお正月を楽しみにしていないということではない。お正月にもお年玉という楽しみがあるからだ。単に，クリスマスとお正月は日が近く，クリスマスの方が先に来るという点で，クリスマスの方を待つことになってしまうということなのだろう。

親の思い

我が家の子どもたちは，普段はちょっとやそっとのことでは目を覚まさないほど熟睡する。ところがクリスマスイブに限っては，寝つきが悪く，しかも眠りが浅くて，小さな物音でもすぐに目を覚ましてしまうということになっておった。気持ちは分かるが非常に迷惑な話である。サンタクロースが来たのはどうやら明け方近くだったようだ。

サンタクロースが子どもたちにプレゼントを配るのは今や世界的なイベントとなっている。それは，親が子どもに夢を持って欲しいという願いが，日本だけに限ったことではないことを意味している。どの親も，わが子には「サンタクロースを信じる純粋さ」を持ち続けて欲しいと思っているのだ。

ところが，よく考えてみると，これはかなり難しいことを子どもに期待していることが分かる。

難しすぎる期待

親は「知らない人についていってはいけません」と子どもに教える。つまり，「知らない人は信じるな」である。ところがクリスマスが近づくと「知らない人を信じなさい」とは直接は言わないものの，「知らない人を信じるのは悪いことじゃないよ」と思いながら過ごすようになる。サンタクロースは「クリスマスにやって来る知らない人」だからだ。しかも，その「知らない人」は，気づかれないように部屋の中にまで入ってくる。

普段だったら，知らない人が部屋の中に入ってきたら大ごとである。家の人が寝ている間に，息をひそめて抜き足差し足やってくるのだから問題は大きい。しかし，そこまでは泥棒とサンタクロースはまったく同じなのである。金目のものを置いて行くのか，盗っていくのかの違いしかないのだ。

唯一の救いは，「子どもにとって」はサンタは「知らない人」ではないということである。プレゼントを持ってきてくれるという知っている人なのである。子どもはサンタさんについて「どんな人なのか」という興味はあって，それについてはとことん考えている。しかし，それはあくまで「知っている人」の範囲なので安全なのだ。

実際，親である自分も，サンタクロースが来ていた頃のことはいい思い出として残っているから，「知らない人についてっちゃダメ」との共存は可能なのだろうと思う。まあ，気をつけなさいと言われていたけれども，本当に知らないおじさんに声を書けられたこともなかったのだが。

残された課題

次の問題は，いつまでサンタが来るかである。そして更に難しいのは，兄弟姉妹がいる場合である。上の子には来ないが下の子には来るというのは不可能だからである。この問題については次のシーズンまで先送りにすることにしよう。

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