印刷用表示へ切り替え 通常表示へ切り替え 更新履歴を表示 更新履歴を隠す
ADD 全財産の入ったカバンを失くした

正月早々,全財産の入ったカバンを失くしてしまい放心状態になっている。新年の抱負どころではなかった。

■ ■ ■

毎年,元日といえば今年の抱負などをブログに書きつけるのであるが,今年はそれどころではない。通帳,印鑑,Mac など,すべてが入ったカバンを置き忘れて失くしてしまった。

失くした状況

普段はそのカバンだけを持ち歩いているのだが,今日はその他に2つの荷物を持っていた。和光市発,東急東横線直通元町・中華街行きの東京メトロ副都心線に乗った。荷物が多いので,カバンを網棚に乗せた。シートに座れたのでうとうとしていたが,下車駅の池袋でドアが開いているのに気がつき急いで降りた。上りエスカレーターに乗っているときどうも荷物が軽いと思い,網棚にカバンが乗せっぱなしだったことに気がつく。しかし,下を見ればすでにホームドアは閉まり,電車は動き出していた。急いで下りエスカレーターに乗ってホームに戻り駅員を探すが見当たらない。ちょうど次の急行が来たので飛び乗った。カバンを乗せた各駅停車を追い越せるはず。新宿三丁目駅で待ち伏せして目指す各駅停車に乗り込んでみたが,カバンはなかった。

渋谷駅で探してもらう

副都心線にそのまま乗って渋谷駅で下車。改札横の案内所で忘れ物の捜索をお願いする。快く引き受けてくれてくれた。渋谷駅はメトロと東急が乗り入れている駅だが,案内所はメトロではなく東急だった。カバンが乗っているであろう電車を特定してくれて,着駅で捜索してくれた。しかし見つからず。

私鉄各線の問い合わせ電話番号の一覧をくれたので,東京メトロに電話したが見つからず,時間をおいて東急にも電話したが見つからなかった。

鉄道各社には,見つかったときに連絡をしてきてくれるシステムはないが,問い合わせれば対応してくれる。何回でも問い合わせしてくれてよいとのことだった。

警察に届出

大きい警察署に行って事情を話すと,遺失届を出すように言われる。失くした場所,時間の範囲と,失くしたものの形状,中身。中身には,パソコン,書類,本,あとはえ〜と,現金,商品券,銀行の通帳。このあたりから普通の絶望感からさらなる絶望感に。どこの銀行かを具体的に書き出す。みずほ,りそな,何冊あるんだっけ…。キャッシュカード,印鑑。もうありとあらゆる「これがないと何もできん」というもののかたまり。目眩がしてきた。

遺失届,盗難届,被害届

ものが失くなった時に警察に届ける書類には,遺失届,盗難届,被害届の3種類がある。今回提出したのは遺失届である。

出すときに,「電車内に置き忘れたが,見つからないので誰かが持って行ったということになるので盗難になるのではないか」と聞いてみると,それは違うという回答が返ってきた。盗難というのは,その人の所有しているものを無理やり持って行ってしまうことで,「所有者=被害者」という場合になる。今回は置き忘れなので,誰かが出来心で持って行ったとしても,網棚の上の荷物は「所有物ではない」ので,「所有者≠被害者」となり,遺失に該当するとのことだった。

実は「盗難届」にしたかったのにはわけがある。盗難届を出しておくと,「盗難保険」が効くからである。遺失届では盗難保険は下りないのだ。考えてみれば,電車を降りた時,そのカバンの存在を確認していないので,すでに失くなっている可能性もあるわけだ。しかし,確実に盗まれたという状況でない場合は盗難届にはならないとのことだった。

普段ぼんやり生活をしていると,このような違いを考えることはないが,いろいろな揉め事を日常的に扱う警察では,明確な線引というものがされているのかと感心した (それどころではないのだが)。

届出書の残りは「被害届」になるが,これは遺失届や盗難届とは様子が異なるものになる。被害届は「持って行った人を捕まえて罰してくれ」という警察への依頼になるということだった。だから,遺失届の後に提出することもできるのだ。ただし,1年前のことに対して被害届を出されても困るので,1か月以内くらいに出せばよいとのこと。ただ,提出の際はよくよく考えてからにしなければならない。被害届は「罰してくれ」ということを言っているので,容疑者が捕まれば裁判になるからである。その時は,当然被害届を提出した本人も裁判所に出頭しなければならず,いろいろ面倒な手続きが必要になるのである。とは言っても,必ず裁判になるわけではない。捕まった容疑者が他にも沢山やっていて,この件が「余罪」になる場合である。余罪では裁判にはならないのだ。「失くしたものが返ってくればよい」だけであるなら,遺失届だけでよい。

警察で遺失届を出した場合,見つかれば警察が連絡をしてきてくれるとのこと。

銀行を止める

遺失届を出した時,警察では銀行の「喪失受付」の電話番号を調べて渡してくれた。銀行では24時間体制で喪失受付をしてくれる。

電話連絡をすると,その場で利用停止の手続きを行ってくれる。同じ銀行で2つ口座を持っている場合,同じ印鑑を使っていたとしても別のものとして扱うというのが興味深かった。ある支店の通帳・印鑑・キャッシュカード,別の支店の通帳・印鑑・(キャッシュカードは無事),というようになるのだ。

もし見つかった場合は,キャッシュカードを ATM に入れてはいけない。カードを止めている状態で使おうとすると,そのカード自体が使えなくなるシステムになっているそうだ。使えなくなれば再発行が必要になる。そのため,見つかったら使う前に「発見届」を銀行に提出しなければならない。紛失した通帳やキャッシュカードは再発行してもらうことになるが,再発行には通帳,キャッシュカードそれぞれにつき手数料 (参考価格 1000円 + 消費税) がかかる。

おみくじ

新年ということもあり,おみくじを引く。縁起良く,運勢は「大吉」。ここら辺りで「凶」なんかが出ると神の信憑性も上がるのだが。

今年のおみくじ
今年のおみくじ


そんなことを思ってもやはり神頼み。真っ先に見たのは「失物 (うせもの)」である。「早く出る 物の間」とある。本当かよ。誰かが持って行ってしまったんだよ。

まとめ

忘れ物をしたとき,組織によって対応が違うが,どこも丁寧である。鉄道各社は,連絡をしてくれることはないが,何度問い合わせても快く対応して探してくれる。警察は遺失届を出しておくと見つかった時に連絡をしてくれる。銀行は24時間対応の喪失受付がある。

さて,そもそもこのようなひどい状況が起きた原因は,貴重品をすべて持ち歩いていて,さらにそれを忘れたからである。もともと筆者には注意欠陥の性質があるため (nlog(n): ADD かも知れない),必要なものは常に持ち歩くことをしていた。この「重要なものを常に持ち歩く」という方法は,かなりうまく働いていた。必要なときにすぐに取り出せるからである。ところが,やはり注意欠陥であるから,重要なものも簡単に忘れるのである (nlog(n): ADD のための忘れ物対策)。そして,今回の忘れ物は人生で最大だ。

電車が発車した時,自分で後を追うのではなく,何としてでも駅員を見つけてすぐに探してもらうようにすればよかっただろうか。あんな重いカバンなど持って行こうと思う人は少ないはずなどと,楽観的になってしまったのはなんて馬鹿だったのだろうかと思う。なんだか足が宙に浮いているようだし,布団に入っても1時間おきに目が覚める。

2016年1月2日追記: Mac がオンラインになり,中のデータが消えました (nlog(n): Mac がどこかで静かに消去)。
2016年1月7日追記: カバンが見つかりました (nlog(n): 失くしたカバンが見つかった)。

Posted by n at 2016-01-01 23:33 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
Trackbacks

  • 「手違いで複数トラックバックを送ってしまった!」という場合でも気にしないでください (重複分はこちらで勝手に削除させていただきます)
  • タイムアウトエラーは,こちらのサーバの処理能力不足が原因です (詳細は トラックバック送信時のエラー をご覧ください)
  • トラックバックする記事には,この記事へのリンクを含めてください(詳細は 迷惑トラックバック対策 をご覧ください)
Comments
Post a comment
  • 電子メールアドレスは必須ですが,表示されません (気になる場合は「メールアドレスのような」文字列でもOKです)
  • URL を入力した場合はリンクが張られます
  • コメント欄内ではタグは使えません
  • コメント欄内に URL を記入した場合は自動的にリンクに変換されます
  • コメント欄内の改行はそのまま改行となります
  • 「Confirmation Code」に表示されている数字を入力してください (迷惑コメント対策です)


(必須, 表示されます)


(必須, 表示されません)


(任意, リンクされます)


Confirmation Code (必須)


Remember info (R)?