失くしたカバンに入っていた Mac のディスクがどこかで消去された。
正月早々カバンを失くした (nlog(n): 全財産の入ったカバンを失くした)。失くしたカバンには,いつも使っていた Mac が入っていた。最悪なことにバックアップは取っていなかった。Mac には自動的にバックアップを取ってくれる Time Machine という機能があるが,バックアップ先のディスクを用意していなかったからだ。
電車に忘れたが,鉄道各社には届いていなかった。だとすると,誰かが持って帰ってしまった可能性が高い。Mac の中には,直接誰かが嬉しがるようなデータは入っていない。写真のデータは,毎日の食事や子供であって,目の保養になるようなデータはない。ただ,気になるのはブラウザのデータである。Firefox や Chrome にはパスワードを覚えさせてしまっている。
Apple 製品には,ハードウェアを探す機能がついている。iPhone に「iPhone を探す」アプリをインストールしてみたところ,失くした Mac の名前が一覧に表示された。Mac で「Mac を探す」を有効にしてあったのだ。設定は「システム環境設定」→「iCould」でできる。
「Mac を探す」が有効になっていると,iPhone からいくつかの操作が可能になる (Mac が紛失した、または盗難に遭った場合 - Apple サポート)。iPhone に「Find iPhone」アプリをインストールしておく。
iPhone から,試しに「サウンドを再生する」をしてみたが,これは近くに Mac があって,しかもオンラインで (インターネットに接続されてい) なければならないので,意味がない。しかも,キャンセルはできない。よく考えて見れば,Mac の蓋を開いたらいきなりピーピー鳴ったら驚いてすぐに閉じてしまうはず。使い道のないオプションである。
「Mac をロックする」をオンにすると,4桁の数字からなる PIN 番号で保護される。Mac を開いてもユーザの名前は出ず,PIN 番号の入力画面になる。その画面には任意のメッセージを表示させることができる。ただし「Mac をロックする」を行うと,それ以上追跡することはできなくなるので注意が必要だ。
「Mac のデータを消去する」をオンにすると,「Mac をロックする」もオンになり,これに加えて,データも消去することになる。このオプションも追跡は不可能になる。
音を鳴らしたり消去したりするのは「やっぱりやめた」と思ったら,「iPhone を探す」アプリからその Mac というデバイスを削除すればよい。次に Mac がオンラインになったときに再び表示される (らしい iCloud: 「iPhoneを探す」からデバイスを削除する)。
悩んだ末,「Mac を消去」をオンにすることに決めた。どうせ返ってこないなら,データも消えてしまった方が潔い。中身の子供の写真がなくなるのは残念だが,もうどうにもならない。
そして朝の 9:36 にメールが届いた。
MacBook Proは消去中です。
MacBook Proの消去は2016年1月1日 16:36に開始されました。すべてのデータは完全に消去されます。ハードディスク容量によっては、この処理には数時間以上かかることがあります。
Macを復元するときは、消去時に作成したパスコードを使ってロックを解除する必要があります。
iOSデバイス上で「iPhoneを探す」を使用するか、MacまたはWindowsパソコン上で icloud.com/find へアクセスして、その他の操作が行えます。
消去の時刻が 16:36 になっているのは米国時刻だからである。
「iPhone を探す」アプリにも同様の表示があった。「30秒前に消去しました」となっていた。
拾った人が Mac を開いたのだ。オンラインになったのは,ネットワークケーブルを接続したか,docomo Wi-Fi のアクセスポイントが近くにあったかのどちらかである。オンラインになった瞬間,音が鳴ったはず。そしてデータもさようなら。Mac を拾った人が悪意を持っていたならという,最悪のケースをつい想像してしまう。Mac をセットアップするには4桁の暗証番号を入力する必要がある。そのまま転売というわけにはいかないだろう。
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