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Microsoft IME 2002 のユーザ辞書に登録しておいた単語がごっそり消えてしまった。これは仕様だという。仕様だけにしようがないと冗談を言っている場合ではない。

ユーザ辞書に着々と単語登録をして，入力が楽になってきたと思った矢先，悲劇が訪れた。

環境は Windows XP Professional Edition, Microsoft IME 2002 である。

調べてみると，これは既知の問題らしい ([WD2002] ユーザー辞書に登録した単語が失われる)。以下は，Microsoft Word 2002 Standard Edtion に関する記述だが，ユーザ辞書は MS-IME2002 であるから，辞書だけ使う場合でも同じである。

現象
Word 2002 の [文章校正] ダイアログ ボックスで [辞書に追加] をクリックすると、ユーザー辞書に登録した単語の大部分またはすべてが失われる場合があります。

原因
この問題は、ユーザー辞書ファイルの最大サイズが 64 キロバイト (KB) であるために発生します。新しい単語をユーザー辞書に追加したときに、ユーザー辞書のファイル サイズが 64 KB を超えた場合、登録した単語の大部分 (またはすべて) が消えます。

この記述の通りの動作になっている。ユーザ辞書の最大サイズに制限があるというのは，百歩譲ってよしとしよう (64 KB というのは少ないが)。問題は，最大サイズを超えた場合の動作である。1) 何の予告もなく，2) バックアップはとられず，3) 登録した単語のほとんどが消える，ということである。最大サイズを超えた分の単語だけが消えるとか，それ以上登録できなくなるのなら分かる。1語1語登録してきたユーザの努力を，非可逆に圧縮してしまうのだから我慢ならん。回避策は次の通りだそうだ。

回避策
登録されている単語のうち不要なものを定期的にユーザー辞書から削除します。

ほほう，シャレているではないか。絶句した。そんな IME に絶句した! (どこかで聞いたようなセリフ)。

ユーザ辞書 C:\Documents and Settings\[ユーザ名]\Application Data\Microsoft\IMJP8_1\imjp81u.dic の容量を確認すると，736 KB になっている。これは単語が消えた後の大きさである。64 KB の10倍以上の容量である。このことから推測できるのは次のことである。「Microsoft IME スタンダードのプロパティ」の「辞書/学習」タブを見れば分かるように，学習結果はユーザー辞書に書き込めるようになっている (デフォルトは書き込む)。したがって，明示的に単語を辞書に登録する以外に，自動的な登録もされるということなのだ。登録単語数が増えたら，学習する個数を少なくすればいいのに，なぜ登録単語を消してしまうのか，意味が不明である。

バックアップはしていた。しかし，ディスク全体のイメージバックアップのため，何から何までが，バックアップした時点に戻ってしまう。辞書以外も復旧されてしまう。ディスクをもう1台買ってくるという手もあるが…。うーむ。

MS IME を捨てたくなった。ATOK は高いので購入に踏み切るには勇気がいる。単語登録ができて使いやすいフリーの FEP はないものだろうか。

2008年2月14日追記:
引用元の Microsoft へのリンクが抜けていたので追加しました。

2008年3月31日追記:
くろねこさんのコメント で，記事中で引用しているのはWordの校正用辞書についての記述であるとの指摘がありました。MS-IME の仕様については，別に記述がありました (IME 2003 および IME 2002 のユーザー辞書の仕様)。これによると，辞書の大きさに制限はなく，登録可能な単語数は 1,048,576 語となっています。個人で登録して使う分には，制限はないと考えていい数字です。しかし，多くの人の辞書が似たような壊れ方をしているところをみると，MS-IME の辞書は壊れやすく，壊れ方はWord校正用辞書の壊れ方にソックリということになりそうです。

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