ThinkPad T61 を購入した。しかし,残念なことがいろいろと。T61 ファーストインプレッション。
ThinkPad T61 を購入した。型式は 7658-A46 で,スペックは Intel Core 2 Duo processor T9300, 14.1"(WXGA+), 160GB, 1GBx1, Intel 802.11n, BlueTooth, DVD Super Multi(2層), Security Chip, 指紋センサー, 6Cell Battery,プリインストールの OS は Windows Vista Business である。Lenovo が会員限定のセールをやっていて,14万円だというので思わず買ってしまった。現在使用中の ThinkPad T42 の購入は2004年11月なので,3年半ぶりとなる。
先週届いたので使ってみるが,いろいろと不満が。以下では,ThinkPad T42 と比較しながら,同じ T シリーズでどう変わったかについて述べる。
従来の T シリーズにあったデザインの繊細さというかエレガントさが失われたという印象。
上の写真にあるように,LCD の周りの枠が太くなっている。左側の T42 では,画面の周りの枠が細いのに対し,T61 は太い。しかも,中央になく,画面が右側に寄っている。
LCD の大きさは,T42 が 1440x900 であったのに対し,T61 では 1400x1050 となった。縦が短くなり,横が広くなったことになる。全体的には小さくなったという印象である。面積的には広くなっているのだが,なぜかそう思えない。
本体の幅が広くなった。LCD が横長になったのに加え,キーボードの右と左の余白にスピーカーが配置されたためである。
A4 よりも大きくなってしまったため,A4 型パソコン用のソフトケースに入らなくなってしまった。私は 100 円ショップに売っているパソコンケースで十分満足していたのだが,これが使えなくなってしまった。現在のところケースなし。
下が T42,上が T61 である。T61 には 6 セルバッテリーが付属している。通常より容量が大きいバッテリーなので長時間もつという利点があるが,大きいのは容量だけではなく物理的な大きさもなのである。はみ出したバッテリーが後ろ側に飛び出していて不恰好である。
T42 にあったパラレルポートが T61 にはなくなった。パラレルポートがあった場所は,通気口になっている。このマシンの CPU は Core 2 Duo T9300 で,膝の上に乗せている限りでは,それほど熱くはなっていないのだが,熱暴走するよりはましということなのだろうか。
ThinkPad T42 では,PCMCIA スロットには Type II が2つ入った。しかし,T61 では,見た目は2つ入りそうなのだが,上には入らず下にしか入らない。つまり,1つしか入らないのである。これは悲しい。今まで2つ使っていたうちの1つを諦めなければならない。
赤外線ポートが廃止されてしまった。Palm との赤外線 Sync ができなくなってしまった。ネットワーク経由でやるしかない (nlog(n): Palm をネットワーク経由で Sync する)。赤外線は,旧パソコンからのデータ移行にも便利だったのだが (小さいデータのやりとり),これもできなくなってしまった。Windows Vista 版の Lenovo ThinkVantage Access Connections ではピアツーピアコネクションも廃止されてしまったので,これも移行には使えない。有線 LAN でやるか,無線 LAN ならアクセスポイントを経由しなければならない。
一番のショックはこれかも知れない。これまで,ThinkPad は DC 16 V で,AC アダプタのコネクタの形状が統一されていた (ずっと昔は変なコネクタもあったが)。コネクタが同じだと何がいいかというと,ThinkPad ユーザであれば買い換える度に AC アダプタが増えるので,AC アダプタを行く先々に置いておくことができたのだ。そうすれば,AC アダプタ分の荷物が減るし,忘れ物もなくなって一石二鳥だったのだ。しかし,ここへきて T61 の電源は DC 20 V になってしまった。電圧が違えば当然コネクタの形状も異なる。今までの AC アダプタは使えないのである。
これまでの ThinkPad にはなかった,Windows ロゴキーがついた。このため,最下段のキーの幅が狭くなってしまった。Windows ロゴキーは Ctrl+Esc で代用できる (ThinkPad - Windows ロゴキーの機能を利用する方法)。不要なキーである。
スペック的には高速になっているはずだが,OS が違うために速くなっている気がしない。Windows Vista は世間で言われているほど使いづらい感じはしないが,速くはない。
ThinkPad T42 には,リカバリ CD は付属せず,ハードディスクの隠しパーティションに仕込まれていた。ハードディスクがいかれてしまうとどうにもならないが,一発でリカバリができたため,便利であった (やったことがないが)。T61 では方針が変更となり,リカバリ CD が付属している。Windows Vista Business + ThinkPad ユーティリティで CD が 6 枚。ドライブは DVD なのだから,リカバリディスクも CD ではなく DVD にしておいて欲しいところだ。リカバリするときに CD 入れ替えの手間がかかって仕方ない。
ハードディスクの初期使用量は 21.3 GB だった。
かなり大胆な開発方針の変更があり,驚きを隠せない。電源電圧が変わったのがショック。不恰好になってしまったので,せっかく新しいマシンなのに,嬉し恥ずかしニヤニヤ感がほとんどないのが残念である。
私が ThinkPad を使い続ける理由は,もう「トラックポイントだけ」しかなくなってしまった。タッチパッドはどうもいかん。マウスカーソルが思ったところに動かせないからだ。
ただし,振り返ってみると,前回の購入時にも不満がなかったわけではないので (nlog(n): ThinkPad T42 第一印象),なんだかんだ言いながら慣れてしまえば結構いけるのかも知れない。床屋で散髪した直後みたいな違和感なのかも。それにしても,このモデルの多さは何とかならないのか (Lenovo ノートパソコン A4 ThinkPad T61 製品情報 - カスタマイズ・モデル 仕様 - Japan)。多すぎて,何がなんだか。
しかし,ここまで変わってしまうのであれば,MacBook Air にすればよかったかと少し後悔。といってもプラス10万円というのもきつい。今回は値段に負けた。次回は MacBook Air かなあ。
2011年4月8日追記:
次の機種は ThinkPad T410s にしました (nlog(n): ThinkPad T410s 購入)。
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