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misc ガス抜きとしてのブログ

ブログを続けていてよかったことがある。それは精神的な意味でのガス抜き効果があるということだ。私はブログに救われている。

■ ■ ■

日々の生活では,さまざまな出来事があり,上手くいくこともあれば,失敗することもある。不満も山ほどだ。私の場合,不満の多くは,期待と実際のギャップから生まれる。期待が大きければ大きいほど,実際がなんじゃこりゃの場合の落差に幻滅する度合いが大きくなる。不満でいっぱいになった気持ちを正常な状態に戻すには,その不満をどこかに出す必要がある。ブログはそれに最適なツールだと改めて感じる。

「ガス抜き」とは,文字通りガスを抜くことである。もともとは,「炭坑などで、ガス爆発やガス漏れを防止するためメタンガスを除去すること」であり,転じて「不満や精神的なフラストレーションが溜まっている時、それが噴出する前になんらかの方法で解消すること」とされる (ガス抜きとは - はてなダイアリー)。お腹にたまったガスをオナラとして出すというガス抜きもある (便秘解消![ガス抜き体操] - gooダイエット)。この体操は今日からやってみることにしよう。ガス抜きが政治的に使われるときには注意が必要である。実際には大きな問題は残っているのに,小さな不満の解消でガス抜きされてしまい,問題がなくなったかのように感じてしまうからだ。話がそれた。

さて,私がブログを書くときのモチベーションの1つは,先にもあげた「不満」である。しかし,感情的には「不満」として感じられるのだが,頭の中ではその理由がはっきりせず,モヤモヤしていることが多い。このモヤモヤは文章にすることで徐々にはっきりさせていくことができる。これはブログを続けていて実感できたことである。

「俺はこれが不満だ,聞いてくれ」と,そう言う時には,何がどう不満なのかを具体的に示さなければならない。それがなければ,他人はおろか,自分さえ説得することもできないからだ。私は自分の「不満」を「批判」という形で解消しようとする。例えば,書籍であれば具体的な例をあげて批判していく。そうするとどうなるかというと,「不満な本ほど細かく読む」という逆説的な行動が生まれてしまうのだ。いい加減なことで批判はできない。批判をするなら正確でなければならない。そのため,本来ならば「不満」→「嫌い」→「読みたくない」となるはずなのに,「不満」→「どこが嫌いか」→「細かく読み込む」となってしまうのだ。例えば「バカの壁」「ダメな議論」「実践翻訳の技術」についての記事がその典型である。

自分の考えを文章にしていくと,自分の中にも第三者的な視点が生まれる。これはとてもよいことだ。感情は主観的なものだが,その感情が巻き起こった原因の箇所を示せば客観的な視点が得られる。そして冷静になって読み返すことで「なんだ,そんなことで怒っていたのか」のように気持を落ち着かせることができる。

このブログでは,何かの批判をする際,単なる批判だけではなく何か1つでもいいから建設的な意見を含めるようにしている。批判だけだと,後になって自分で読み返したときに楽しくないからだ。

不満がある場合,ブログに書くタイミングというのが難しい。ネタがあまりに小さすぎると面白くない。膨らみすぎるとどこから書いていいか分からなくなってしまう。膨らみ方が適度でなければならない。適当な膨らみ方をしていても,時間が経ちすぎると腐ってしまう。したがって,ある程度の大きさに膨らんできたときに,少しくらい面倒でも「えいっ」と思って書くくらいがちょうどいい感じだ。

文章にするだけなら,非公開の日記でもいい。しかし,公開する日記だと,ある程度はちゃんとした文章でないといけないので,気を引き締めて取りくむことになる。すると,出来上がった文章も引き締まったものになる。

中途半端なものも書ける (というより「書くのが許されている」というべきか) というのもブログのいい点である。引き締まった文章を書くというのは快感だが,それだけでは息が詰まってしまう。この記事のように,論点が1つに定まっていなくて,散漫な文章を書けるというのもいい。

ブログのおかげで,心の平安が比較的楽に取り戻せるようになった。ブログ様サマである。

Posted by n at 2008-07-08 23:09 | Edit | Comments (2) | Trackback(0)
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Comments

PEARのMDB2で検索していたらこちらに。。

ブログやってると、自分の考えを文章に起こすのが想像していたよりずっと億劫だということを身を持って知ることができますね^^;

喜びだとか不満だとか、そういうのはモチベーションが上がりやすいんですが、文章に書き起こして自分の気持ちを整理してみると「これよく考えたら大した問題じゃないな」と思うことも多々あって、自分を考え直すツールとしては随分優れているものだと思います。

Posted by: yorutrain at July 17, 2008 16:21

yorutrain さん
PEAR とは関係のない記事へようこそ。
「これよく考えたら大した問題じゃないな」の状態に至るまでには,文章に書くのと,書いた文章を読むという2段階が必要な気がします。億劫でも書いてみると,何かしら得られるものですね。

Posted by: n at July 18, 2008 01:09
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