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English TOEIC が日本人ウケする理由

TOEIC が日本人ウケするのは,日本人の生活と性格にあったテストだからである。

■ ■ ■

TOEIC は,聞き取りと読み取りの能力を測定する試験である。受験者数は,世界では年間約500万人が受験(約90ヶ国で実施),日本では年間 171万8,000人が受験(2008年度) であり (TOEICテスト|TOEICテストについて|TOEICテストとは),世界90か国で実施されているのにも関わらず,日本人が多くの割合を占めている。日本人に必要なのは,総合的な英語力ではなく,受信型に特化した英語力であり,それをテストしているのが TOEIC だからである。しかも性格的にもあっている。2007年より,TOEIC SW という Speaking と Writing 能力を測定するテストがはじまったが (TOEIC(R)|TOEICスピーキングテスト/ライティングテスト),受験者は多くない (TOEIC Blitz Blog 第1回 TOEIC SW)。

以下では現在の TOEIC の設問形式から,これを検証する。

TOEIC テストの内容

テストの形式とサンプル問題は公式サイトで公開されている (TOEICテスト|TOEICテストについて|テスト構成について)。

日本人体質はリスニングセクションに一番よく現れているので,細かく検討していく。

Part 1 写真描写問題

リスニングセクションの Part 1 は「写真描写問題」である。写真が提示され,これを説明する短い4つの文が音読されるので,その中から適切なものを1問選んで回答する。

このような状況がどこにあるかと言えば,まずは紙芝居だろう。アメリカ人が自転車に紙芝居を乗っけてきて,空き地に子供を集め水あめを売りつけてギブミーチョコレートというのはよく見かける風景である,というのはついぞ見たことがない。あるとすれば,プレゼンテーションだろう。スライドを見せられながら,英語でプレゼンされた内容を理解する。このような状況は外国人が混じる会議にはよくあるパターンである。さすがに,TOEIC の問題にあるような猫が道端で遊んでいるようなスライドはないだろうが,グラフを見せられてなんだかんだベラベラと説明されるというのはありがちである。したがって,これはテストする必要がある。

Part 2 応答問題

Part 2 は「応答問題」である。1つの質問と,それに応答する3つの文が音読され,その中から適切なものを選ぶ。

プレゼンであれば,質疑応答のときだろう。「何か質問はありますか?」「いいえ,寒いです」ではいけない。質問の内容を理解して答える必要があるのだ。道端で外国人に道を聞かれたときにも使える。これもテストする必要がある形式だ。

Part 3 会話問題

Part 3 は「会話問題」である。2人の人物 A, B の会話が A→B→A→B のように放送され,内容に関して適切なものを選択する。

これが一番日本人ぽい。A と B の間で交わされる会話を「フムフム」と言って聞くだけだからである。会話に参加するのではなく,ただ聞き役に回るのである。とてもありそうなパターンである。したがって,テストには必須な形式である。

Part 4 説明文問題

Part 4 は「説明文問題」である。アナウンスやナレーションなどが放送され,その内容について適切なものを選択して回答する。

これは海外旅行に行くときに必須の能力である。空港でのアナウンスを理解できなければ楽しく旅行できない。テストに必須である。

リーディングセクション Part 1, 2, 3, 4

リーディングセクションについては省略。読み取りテストは,昔からの日本の英語のテストでもお馴染みである。

まとめ

以上が,日本人の性格を含めて考えた上での TOEIC テストに人気がある理由である。聞き取りテストのパート3が日本人の性格にドンピシャである。

TOEIC テストはアメリカの非営利テスト開発機関である Educational Testing Service(ETS) が開発・制作している。これにはアメリカの思惑が入っているのかも知れない。

「オレたちの言うことは正確に分かってくれ。でも,オマエの意見は言わないでいい。黙ってろ」

Posted by n at 2009-11-03 07:02 | Edit | Comments (3) | Trackback(0)
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Comments

なるほど、と思われる分析ですね。

なるほどね。でも私には関係ないよなーもう。って思ったのですが、もう一度考え直してコメントします。
もし、私がテストを作るならば。。。設定:目的はその人物をこれから駐在に出す。私がその選考をまかされた。

私のテスト。
 文章力テスト:1ヶ月間、その人物と英語のみでE-mail交換する。
 会話力テスト:3回くらい飲み会をする。基本英語ベース。
これで、その人の性格や、押しの強さや、話の論理展開の持って行き方、いい奴なのかどうか、緻密な気遣いができるかなどを判断できると思いますね〜。
どうでしょ。

Posted by: おお at November 05, 2009 06:46

おお さん
選考に手間かけすぎです。教育もかねちゃってますよ。2〜3人の中から1人を選ぶテストになってます。
でも,そこまでやってくれる会社なら落とされてもいいですね。落とした明確な理由も教えてくれそうだし。

Posted by: n at November 05, 2009 23:11

ははは、確かに。

Posted by: おお at November 07, 2009 05:14
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