黒川裕一著「こなれた英文を書く技術」から,内容的に気になる文をピックアップ。
2012年4月から始めた黒川裕一著「こなれた英文を書く技術」を使った音読トレーニング (nlog(n): 「こなれた英文を書く技術」で音読トレーニング) がこのほど終了した。各文の音読繰り返し回数は80回。
今回は終了した音読シートを捨てずに取っておいた。重ねてみると「やった」という実感がわく (覚えちゃいないけど)。
その中で,いくつか気になった文があったのでピックアップしてみる。英文としてではなく,書いてある内容が気になる文である。
We are delighted to inform you that you have been chosen from one million applicants for a special award. You are qualified to receive up to a 50% discount on our land and housing! I will contact you by telephone in the next couple of days.
Congratulations,
Blake Gee百万人の申込者の中からあなたが特賞に選ばれたことをお伝えでき,我々一同喜んでおります。我々の土地や住宅について,あなたは最大50%の割引を得る資格をお持ちなのです! 一両日中に電話でご連絡差し上げます。
おめでとうございます。
Blake Geepp. 88-89 「こちらの感情を前もって伝える」
胡散臭すぎる。詐欺によくある内容である。土地と住宅の購入の検証に百万人応募することはない。最大50%の割引ということは,少なくとも50%分は支払わなければならない。無料ではないのだ。よくある詐欺の手口としては,「当たりました!」→「金払え」の流れである。よく読んでみれば当たったのは「権利だけ」だったりするのだ。「宝くじを購入する権利があたりました。宝くじは100万円当たるものです」→「購入するために金払え」である。
Against my will, I have to leave you. My parents told me that I just couldn’t marry a girl who is not Catholic. Sorry.
Ray意思に反して,ボクはキミと別れねばなりません。私の両親が言うには,カトリックでない女性とはともかく結婚できないのです。ごめんなさい。
Raypp. 88-89 「こちらの感情を前もって伝える」
親のせいにしているが,これは自分の意思である。本当は「意思に反して」はいないのだ。親が反対するからって,結婚を諦めることがあるのだろうか。しかも,こんなに短い手紙で終わらせようとするだろうか。もし,意思に反して別れなければならないというなら,こんなに簡単な手紙では済ませないだろうし,今まで (あんなことやこんなことを好き放題) してしまった言い訳を会ってするだろう。
I strongly feel that our relationship has come to the point where we must marry or break up. What do you think?
Gregボクらの関係は結婚するか別れるかしなければならないところに来てしまったと,ボクは強く感じています。キミはどう思う?
Gregpp. 262-263 「「程度」の付与」
これがプロポーズなのか,別れ話なのか…どちらかはっきりしない。どちらにでもとれる。
Leave me, or marry me.
放っておいて。でなきゃ,結婚して。
pp. 264-265 「「条件」の付与」
こういうことを言われると…困る。が,ちょっと言われてみたかったり。
上にあげた例文は単にネタ的なものであり,もちろん,このような文が多いわけではない。
特筆すべき点は,この本には他の英語学習本にはない観点から書かれているということである。それは,
について力点が置かれているということである。修飾の仕方としては,関係詞はもちろん,「程度の付与」「条件の付与」「目的の付与」「結果の付与」などの文法の形式ではない視点からのアプローチもある。
文型による形式的分類からの英文構成法に飽きた方にお勧めしたい本である。今年2012年7月に全面改定されたものが出版されている。
Posted by n at 2012-10-09 23:39 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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