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English 「実践ビジネス英語」を味わう - Money and Happiness

「実践ビジネス英語」Lesson 18, Money and Happiness から。

■ ■ ■

NHK ラジオ「実践ビジネス英語」を 音読して味わうシリーズ 第7回。Lesson 18, Money and Happiness 「お金と幸せ」からピックアップ。

ビニェットから

ブータン

ビニェットは家族旅行でブータンに行ってきたポール・ピアソンの話から始まる。ブータンの発音は,日本語では「ブータン」だが,英語では「ブターン」になる。

Paul Pearson: As you may know, Bhutan is the only country in the world that includes its citizens' happiness in the equation of its national wealth.
Alyce Collins: So I've heard. That Himalayan nation focuses more on something called "gross national happiness" than gross domestic product.

ポール・ピアソン: ご存知かもしれませんが,ブータンは,国の豊かさを測る尺度に国民の幸福度を含めている,世界で唯一の国なのです。
アリス・コリンズ: 私もそう聞いたことがあります。そのヒマラヤ山脈の国は,国内総生産よりも,「国民総幸福量」と呼ばれるものを重視しているのですよね。

Lesson 18, Money and Happiness (1)

なんだか英文よりも,内容に「む〜なるほど〜」と関心してしまった。まず GDP (国内総生産 - Wikipedia) というのはすごいなと。このどの国でも測れる指標を世界中に広めることによって「物質的な豊かさ」がその国の豊かさを表すものだということにして,世界中がその路線に従えば,将来的に自国を豊かにしていけるという,そんな戦略を考えた国はすげえなと。

しかし,それに対して,GDP はそれはそれで置いておいて,うちの国はこいつで測るよという別の指標「国民総幸福量 - Wikipedia」を打ち出してくる ブータン はさらにすごいなと思ったわけである。

前から後ろからどうぞ

Pearson: But it makes you wonder who was happier: a mighty conqueror like Alexander, or someone like Diogenes who had renounced material wealth altogether.

ピアソン: ところで,アレクサンドロスのような強大な征服者と,物質的な豊かさをすっかり放棄したディオゲネスのような人物では,どちらが幸せだったかを考えさせられますね。

Lesson 18, Money and Happiness (4)

この文では,Alexander と Diogenes が対称的に表現されているが,修飾の仕方が前後で異なっている。短い表現の場合は "a mighty conqueror → like Alexander" のように前から修飾し,長い場合は "someone like Diogenes ← who had renounced material wealth altogether" のように後ろから修飾している。すべて後ろから修飾すればいいのに,前からの修飾を適当に混ぜるあたりが英語の優柔不断で扱いにくいところである。アレクサンドロス の発音は英語では「アレクサンダー」,ディオゲネス は「ダイオージニーズ」になる。

部分的に方向を変えるのは,イギリスよりアメリカの方が多いように思える。例えば日付表示で,イギリスは「日/月/年」のように「日←月←年」と大小関係と並び方が統一されているのに対し,アメリカでは「月/日/年」という大小関係が混ざった表現になってしまっている。

on the right ..., on the wrong ...

Pearson: We want everyone to start the day off on the right foot.
Collins: Especially if they got up on the wrong side of the bed.

ピアソン: 私たちは,皆さんにいい1日のスタートを切って欲しいのです。
コリンズ: 特に,朝から機嫌が悪い時には,ですね。

Lesson 18, Money and Happiness (5)

start the day off on the right foot はアメリカの口語で「いい1日のスタートを切る」,get up on [ get out of ] the wrong side of the bed は「機嫌が悪い」である。ベッドに入った時と同じ側から起きるのがいいとされているので,「ベッドの反対側から起きる」は start the day off on the right foot にならないのである。on the right foot を on the wrong side of the bed で受けることで洒落た受け答えになっている。

Graffiti Corner

今週のグラフィティコーナー (落書きコーナー) は車のステッカー。

If you can read this, I've lost my trailer.
「これが読めるなら,私はトレーラーを失ってしまったということだ」

Lesson 18, Graffiti Corner

このネタは次の文言のもじりだそうだ。

If you can read this, you're too close!

Lesson 18, Graffiti Corner

訳すなら「これが読めるなら,お前は近づきすぎだ」くらいだろう。こういうような,アイコンなどの絵ではなく,言葉を使って表現するというのは割と英語に多いように思う。以前に乗っていて 盗まれてしまったハーレー のバックミラーには,ミラーの中に次の文句が書いてあった。

OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR

実物は objects in mirror are closer than they appear - Google 検索 こんな感じである。直訳すれば「鏡に映っているものは,見えているよりも近くにある」になる。つまり「鏡には小さく映るから気をつけろ」という注意書きである。当時は「英語が分からなきゃ意味ねぇじゃん」的なことを思ったが,それを別の形で表現できるかというと,それはそれで難しいと今は思う。

Posted by n at 2013-01-06 10:43 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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