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MP3/WMA プレーヤー付 microSD カードリーダの「kanaMicro」を購入した。

kanaMicro はグリーンハウス製の MP3 プレーヤーである (GH-KANAMR*シリーズ)。価格は 1000 円前後で，かなりお安い (Amazon.co.jp： Kana micro クリア GH-KANAMR-C)。メモリは別売である。「kana」の由来は分からないが，グリーンハウスが以前から使っているブランド名である。

さてこの kanaMicro，この製品を何と見るかはなかなか難しい問題だ。グリーンハウスは「MP3/WMA デジタルオーディオプレーヤー」としている。これを別の方向から見ると，インターフェースは USB 2.0，microSD カードを読み書きできて，MP3/WMA プレーヤーとしても使える製品となる。つまり，PC から見れば「USB インターフェースを備えた，MP3/WMA プレーヤー付 microSD カードリーダ･ライタ」なのである。対応する microSD カードは 32 MB 〜 2 GB のものである。WMA は Microsoft の音声フォーマットである (Windows Media Audio - Wikipedia)。

kanaMicro が1000円，2 GB の microSD カードが500円なので，1500円で立派な MP3 プレーヤーが出来上がる。

3つのボタン

kanaMicro には3つのボタンがついている。MP3 プレーヤーとして使うときの操作ボタンである。3つしかないので出来ることは限られているが，それでもかなり頑張っている。ボタン配置は，上についているのが POWER ボタン，下についているのが NEXT と PREV (Previous) ボタンである。

ボタンを押したときの動作は，押す前までの状態がどうであるかによって異なる。例えば，停止しているときに POWER を押せば再生になるが，再生中に押せば一時停止になるなどである。添付のマニュアルと，抜けているところは試してみることで補間したところ，次のようになっていることが分かった。

もとの状態	操作	動作	LED (青)
電源切	イヤフォン挿入後 POWER ボタンを3秒以上長押し	電源入	点灯
電源入・停止中	POWER ボタンを押す	曲の最初から再生	点滅 (遅)
電源入・再生中	POWER ボタンを押す	一時停止	点滅 (早)
電源入・一時停止中	POWER ボタンを押す	曲の一時停止位置から再生	点滅 (遅)
電源入・再生中	POWER ボタン3秒以上長押し	停止	点灯
電源入・停止中・一時停止中	POWER ボタン3秒以上長押し	電源切	消灯
電源入・再生中・停止中・一時停止中	NEXT ボタン押す	次の曲にスキップ	点滅 (遅)
電源入・再生中・停止中・一時停止中	NEXT ボタン長押し	音量上がる	点滅 (遅)
電源入・再生中・停止中・一時停止中	PREV ボタン押す	前の曲にスキップ	点滅 (遅)
電源入・再生中・停止中・一時停止中	PREV ボタン長押し	音量下がる	点滅 (遅)
電源入・再生中・停止中・一時停止中	イヤフォン抜去	電源切	消灯

ボタンは，主な操作に使う POWER ボタンが，NEXT や PREV ボタンと離れて配置されているので，押し間違うことはない。押し間違えるのは，NEXT と PREV ボタンである。長押ししたつもりが短くて次の曲に飛んでしまうことがある。早送りをしようと思って NEXT ボタンを長押しすると，音量が大きくなってビックリする。そうなのだ。このプレーヤーには「早送りボタン」がない。

電源 ON と OFF

電源を一旦切って入れなおしたとき，「一番最初の曲から始まったらイヤだなぁ」と思っていたが，心配は無用だった。停止または一時停止した曲の最初から再生されるようになっていた。

電源を切って再投入したときに保存されないのは音量情報である。電源を入れなおすと，音量は中くらいにリセットされる。そのため，イヤフォンを耳に挿入した後に電源を入れても，飛び上がるような大音量にはならないので安心である。

音質

音楽を聴く場合，音質は悪くない。しかし，英会話を聞く場合，無音の部分で「プツプツプツ」というノイズが気になる。性能のよいヘッドフォンを使うとノイズが気になって「kana野郎!」などと言って捨てたくなるので注意が必要だ。

同梱のイヤフォンは，シャカシャカした音質である。あくまでオマケという位置づけだろうから，これは仕方ない。音質がどうとか言う前に，硬くて耳に入らない。無理に入れてもポロッと落ちる。それはともかく，Lチャンネル側をよく見ると，コイルの切れ端が「はみ毛」していた (上の写真)。音はするので，コイルが切れているのではなく，切れたコイルが混入したのではないかと思う。

曲の再生順

曲の再生順は，microSD カードに転送した順である。アルファベット順ではない。フォルダは6階層まで認識するのでアルバムの整理には問題がないが，再生順には問題がある。昔，MS-DOS 時代に dir するとファイルがバラバラの順番で表示されていたが，それと同じである。当時は FD や FILMTN を使って (nlog(n): ファイラ FD の作者逝去)，順序をソートしてディスクに書き込んだりしていた。

「再生順が転送順」というのは，この手の簡易 MP3 プレーヤーではよくあることらしい。再生順序を変えたいときは，一旦全部削除して，フォーマットして，その後1曲ずつコピーするということになるが，そんなことはやっていられない。

そんなときに役立つのが ポータブルオーディオプレーヤーの曲順変更を行なう「UMSSort」の配布元サイト である。iriver 社製の MP3 プレーヤー用に作られたものだが，kanaMicro にも使える。標準的には，「まとめてソート」で全ディレクトリとファイルを一括ソートした後に，「ディレクトリソート」で好きな順序に並べ替えるという手順が効率的だろう。UMSSort は Windows Vista でも動作する。

充電すると最初の曲からの再生に (泣)

「2GB の microSD だったら 512 曲も入るよ!」と公式ウェブサイトでは強調されているが (MP3プレーヤー | GH-KANAMRシリーズ)，残念ながら，実質的は 512 曲聴くのは不可能である。なぜなら，USB 端子に接続して充電を始めると，次に聴くときには1曲目に戻ってしまうからだ。つまり，充電すると現在のポイントがリセットされてしまうのだ。バッテリーが2時間持つとしても，1曲4分だったら30曲しか聞けないのだ。

しかも，充電しているときは再生ができない。

曲のスキップボタンは，速く続けて押しても反応しない。「プチプチプチ」ではいけない。1秒くらいの間を空けながら押せばスキップしてくれる。「プチップチップチッ」ならOK。しかし，これを何十回も繰り返さなければならないというのは拷問である。したがって，512 曲は理論的には可能だが，実際は無理である。100 曲がいいところだろう。

メモリカードリーダ

microSD カードの差込口は，USB インターフェース側にある。これは上手いアイデアである。大切なメモリカードが落ちにくい構造になっている。さらに USB にはキャップをするので，メモリカードがポロッと落ちたり，ピョーンと飛び出してなくなってしまうことがない。

不満があるとすれば，この LED である。赤と青の LED がついていて，充電中は両方の LED が点灯する。充電が完了すると赤が消える。これはよい。問題は，MP3 再生中に点滅する青色 LED である。状態を表示するのに LED を使うのがよいが，明るすぎる。ビッカビッカ光って目障りである。

USB メモリとしての問題は，USB 差込口が簡易的なつくりになっているため (銀色のカバーがついていないため)，逆に差し込んでしまうことがあるということだ。表裏逆に差し込んでしまった場合，LED は点灯しない。逆に入れたとしても壊れないが，意味がない。

ウゲゲ

ふと見ると，kanaMicro に指紋がついているのに気がついた。使っていれば汚れるのは仕方がな，なっ? あれ，取れない。落ちない。上の写真で分かるだろうか。指紋がついているのは，ケースの中の銀色の金属で，そのケースは開けられないのである。

指紋はハッキリクッキリついていて，流れていなくて巻いていることまで分かる。作った人が親指でグイッと押したような感じである。これは気分がよくないというか，むしろ悪い。交換してもらえるか交渉してみよう。でも，交換してもらいにいく電車賃でもう1つ買えてしまうんだが…。うむむ。

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Posted by n at 2009-06-13 03:38 | Edit | Comments (5) | Trackback(2)